目次
- 1. 掃除や洗濯に使える「重曹ペースト」とは何か?
- 2. 重曹ペーストの作り方
- 3. 重曹ペースト活用術|掃除編
- 4. 重曹ペースト活用術|洗濯編
- 5. 重曹ペーストを使う上での注意点
- 6. 重曹ペーストは本当に効果ある?専用の洗剤を使ったほうが早いことも
- 重曹
- 水
- 小皿などの容器
- スプーン、小さい木べらなど
- 重曹と水を2:1の割合で小皿などの容器に入れる
- スプーンや木べらなどでよくかき混ぜる
- ペースト状になったら完成
- 油汚れにまんべんなく重曹ペーストを塗る
- ラップで覆って30分ほど放置する
- ラップを剥がしてスポンジでこする
- 雑巾で水拭きまたは流水ですすぐ
- 乾拭きをして完了
- 気になる汚れにまんべんなく重曹ペーストを塗る
- ラップで覆って30分〜1時間ほど放置する(水垢は放置不要)
- ラップを剥がしてスポンジでこする
- 水でしっかり洗い流す
- 乾拭きをして完了
- 重曹ペーストを耐熱容器に入れる
- ふたをせずに電子レンジの庫内に入れ、2〜3分温める
- あるいは、電子レンジ庫内に蒸気がこもってきた時点で加熱を止める
- 扉を閉めたまま5〜10分ほど放置する
- 扉を開けて重曹ペーストを耐熱容器ごと取り出す(やけどに注意)
- キッチンペーパーなどを使って庫内の汚れを拭き取る
- 水拭きをして重曹ペーストを残さず拭き取る
- 乾拭きで仕上げて完了
- 黄ばみや黒ずみが気になる部分に重曹ペーストを塗り込む
- いつものように洗濯機で洗う
- アルミや銅素材
- 木や畳などの天然素材
- 大理石や漆
- ワックスやコーティング加工がなされている部分 など
1. 掃除や洗濯に使える「重曹ペースト」とは何か?

重曹ペーストとはどういったものなのか、どんな効果があるのかといった基本的なところから見ていこう。
粉末の重曹に水を加えてペースト状にしたもの
重曹とは弱アルカリ性の自然由来の物質で、クエン酸やセスキ炭酸ソーダと並びナチュラルクリーニングに欠かせないアイテムのひとつである。粉末状で販売されていることがほとんどで、100均やホームセンター、ドラッグストアやネット通販など至るところで手に入る。そんな粉末の重曹に水を加えて、ペースト状にしたものが重曹ペーストである。
重曹ペーストで落とせる汚れとは?
【油汚れ】
換気扇やガスコンロなど、キッチンまわりにこびりつく頑固な油汚れは「酸性」である。したがって逆の性質を持つ重曹を使うことで効率よく中和でき落としやすくなる。専用の強力な洗剤にはかなわないかもしれないが、自然由来の重曹は安心して使えるといったメリットがある。
【皮脂汚れ】
壁のスイッチやリモコンなどに付着する手垢、フローリングや洗濯物などに付着する皮脂などの汚れも基本的には酸性だ。油汚れと同じように重曹を使うことで落とせる場合がある。
【ごく軽い水垢】
水垢は水道水のミネラル成分が固まったものであり、それ自体は重曹と同じアルカリ性である。したがって中和はできないものの、重曹には研磨作用がある。ごく軽い水垢であればその研磨作用を生かして物理的に削るといったこともできる。ちなみに水垢をガッツリ落とすのであればクエン酸、あるいは市販の水垢専用の洗剤がおすすめだ。
2. 重曹ペーストの作り方

重曹ペーストは簡単に作れる。用意するものも少ないので、一度作ってみればすぐに覚えられるだろう。
重曹ペーストを作るのに必要なもの
以上を用意しよう。重曹は食用や掃除用(工業用)などがあるが、違いは純度だ。掃除や洗濯に使用する分にはどちらを選んでもよい。
重曹ペーストの作り方
重曹ペーストは上記3ステップで簡単に作れる。とはいえ厳密に2:1の割合にする必要はない。ペースト状になればOKなので、感覚で調節していただいても結構だ。
一度に使う分ずつ作る
重曹ペーストは作り置きせず、そのとき使う分だけを作るようにしよう。足りないときは面倒でも、その都度作るようにしてほしい。逆に余ってしまったときは、水でゆるめて排水口に流すか、強引に使い切るかしよう。
3. 重曹ペースト活用術|掃除編

重曹ペーストの使い方を紹介していこう。
換気扇やガスコンロなどキッチンまわりの油汚れを落とす方法
重曹ペーストが油汚れに浸透し徐々に中和するための時間を設ける。30分としたが、汚れ具合によって適宜増減していただいてOKだ。なお傷つきやすい素材の場合は、こすり洗いをする際に注意しよう。重曹には研磨作用があるためゴシゴシこすると傷つけるおそれがある。
お風呂の水垢やカビ、ピンクのヌメリなどを落とす方法
基本的にはキッチンまわりの汚れを落とす流れと一緒だ。重曹と同じアルカリ性の水垢は中和されないため、放置しても意味がない。研磨作用で削ることになるため、塗ったらスポンジでこすり洗いをしよう。
電子レンジの庫内に溜まった汚れを落とす方法
加熱することで重曹が気体となり、庫内にまんべんなく行きわたる。油汚れなどが落としやすくなるというわけだ。加熱直後は熱くなっているおそれがあるため、触らないように気をつけよう。取り出す際も慎重に取り扱ってやけどにはくれぐれも気をつけていただきたい。
4. 重曹ペースト活用術|洗濯編

続いて、重曹ペーストを洗濯に使う方法を紹介する。
衣類の黄ばみや黒ずみを落とす方法
ワイシャツなどの黄ばみや黒ずみに重曹ペーストを塗り、そのまま洗濯するといった方法だ。ひどい汚れの場合は30分程度放置してから洗濯機で洗ってみよう。
5. 重曹ペーストを使う上での注意点

重曹ペーストを使う際の注意点についても理解しておこう。
重曹との相性が悪い素材には使用しない
こうした素材に重曹を使ってしまうと、傷ついたり変色したりといったトラブルを招くおそれがある。たとえばアルミや銅素材に使うと黒ずみができたり、天然素材に使うと黄色いシミができたりするといった具合だ。パッケージに「使えないもの」などが書かれているはずなので、事前によく確認しておこう。
手荒れが気になる方はゴム手袋を着用する
重曹は「弱」がつくとはいえアルカリ性である。肌が弱い方などが直接素手で触れると手荒れといった肌トラブルを招くおそれがある。心配な方は手で直接触れないように気をつけるか、ゴム手袋などを着用して保護しよう。
成分が残らないようにきちんと拭き取る
重曹の成分が残っていると白い跡となって残ってしまうことがある。白残りは落ちないわけではないが、いったんできると落ちにくくなることがある。あとあと面倒なのでしっかり拭き取っておこう。仮に白残りしてしまったときは、酸性のアイテム「クエン酸水」を使うとよい。スプレーボトルに、水200mlにつきクエン酸小さじ1杯を入れて混ぜればOKだ。
6. 重曹ペーストは本当に効果ある?専用の洗剤を使ったほうが早いことも

重曹ペーストは掃除から洗濯までさまざまな場面で活躍する万能アイテムだが、現実的には専用の洗剤を使ったほうが早いことも多い。汚れの程度によって上手に使い分けることが大切だ。
重曹ペーストよりも専用の洗剤をおすすめするケース
重曹ペーストは油汚れには効果的だが、頑固にこびりついたもの、焦げて固まっているものなどは落とすのに相当時間がかかる、もしくは落とすために大量の重曹ペーストが必要になることがある。それであれば、最初から市販の強力な油汚れ用洗剤を使ったほうが早い可能性が高い。
また冒頭でもお伝えしたが、たとえば重曹ペーストで水垢を落とせるのはごく軽度の場合のみだ。ウロコのようになっている水垢に対しては効果が期待できないため、クエン酸もしくは水垢落とし専用の洗剤を使ったほうがよいだろう。
加えてカビ、とりわけ黒カビについては正直なところ重曹ペーストでは落とせない。素材に深く根を張るため根絶が難しいことに加え、重曹のような弱アルカリ性では洗浄力が弱いためだ。この場合も、カビキラーやカビハイターといった専用の洗剤を使ったほうがよいだろう。
ピンクのヌメリ(ロドトルラと呼ばれる酵母の一種)であれば落とせるかもしれないが、こちらもお風呂用中性洗剤などを使ったほうが早いかもしれない。同じく衣類の黄ばみや黒ずみに対しても、酸素系漂白剤や塩素系漂白剤などを使ったほうがよりキレイに仕上がるだろう。
重曹ペーストは「ごく軽い汚れ」に使える程度と思っておこう
重曹ペーストに汚れを落とす効果がないわけではないが、劇的な洗浄力は期待できない。ごく軽い油汚れや皮脂汚れなどに対してのみ効果が期待できると思っておいたほうがよいだろう。
結論
掃除から洗濯まで用途が広い重曹ペーストは、洗剤を使いたくない場合やごく軽い油・皮脂・水垢といった汚れに効果的だ。重曹と水だけで簡単に作れるうえ、自然由来なのでヒトや環境にも優しい。ただし皮膚には少なからず刺激となるため、心配な方はゴム手袋を着用しよう。