目次
- 1. 重曹で落とせるサビとは?
- 2. 重曹でサビ落としをする際の注意点
- 3. 重曹でサビ落としをするなら「重曹ペースト」が効果的
- 4. 重曹でサビ落としをしたあとは防サビを
- 5. 重曹で落とせなかった頑固なサビの落とし方
- 重曹ペースト、やわらかいスポンジ、雑巾、水、ラップを用意する
- 重曹ペーストをサビにたっぷりつける
- ラップをして1時間程度放置する
- 時間がきたらラップを剥がし、スポンジでサビを優しくこする
- サビが落ちたら水でよく洗い流す
- 乾いたキレイな雑巾で乾拭きをして終了
- ステンレスブラシでサビ部分をこするように磨く
- 真鍮ブラシに持ち替えてサビ部分を再度磨く
- 落としたサビをナイロンブラシで振り払う
- 容器にお湯をはり、大さじ1〜2杯のクエン酸を溶かす
- サビを落としたい容器にクエン酸水をたっぷり入れる
- 一晩つけおきをしたのち、スポンジで軽くこすり洗いをする
- 十分すすいで完全に乾かしたら終了
- 容器にお湯をはり、大さじ1〜2杯のクエン酸を溶かす
- クエン酸水を染みこませた雑巾でサビをしっかり覆う
- ラップでパックをして1〜2時間(程度によりひと晩)放置する
- 時間がきたらラップと雑巾を剥がし、スポンジで軽くこすり洗いをする
- 十分すすいで完全に乾かしたら終了
- 容器に、サビを落としたいモノを入れる
- サビが十分浸かるまでサビ取り剤を入れる
- パッケージに記載されている時間つけ置きをする
- 水で十分に洗い流し、完全に乾かしたら終了
1. 重曹で落とせるサビとは?

重曹はサビ取りにも使えるが、すべてのサビを落とせるわけではない。そのためまずはサビの種類を見分けられるようになっておくことが大切だ。重曹で落とせるのはどのサビなのか、基本的なところを見ていこう。
サビは大きく4種類
サビには「赤サビ」「青サビ」「黒サビ」そして「もらいサビ」がある。
【赤サビ】
鉄が水や空気と反応(酸化)してできるのが赤サビだ。水回りや自転車などによく見られ、放置すると内部まで侵食する。たとえば車のボディの塗装が剥げた部分がサビると、目に見えない内側まで徐々に腐食してボロボロになることがあるので気をつけよう。
【青サビ】
銅や真鍮の表面にできる青緑色のサビが青サビだ。酸・塩分・湿気が原因で発生する。赤サビと違い金属の内側は腐食しない。ある意味「保護」する役割を持っているといえる。
【黒サビ】
赤サビを防止するといった目的で、人工的に作られたものが黒サビだ。
【もらいサビ】
金属のサビが別の金属に移ることをいう。たとえばシンクに空き缶を置きっぱなしにした場合、缶のサビがシンクに移ってしまうことがある。これがもらいサビだ。
重曹で落とせるサビは基本的に「もらいサビ」である
上述のようにサビにもいろいろな種類があるが、このうち重曹を使って落とせる可能性があるのは「もらいサビ」だ。なお青サビも落とせる場合があるが、素材を傷つけやすいため本稿では省かせていただく。ではなぜ重曹でもらいサビを落とせるのか、そのメカニズムを解説しよう。
【重曹でサビが落ちるメカニズム】
ナチュラルクリーニングに欠かせないアイテムのひとつ「重曹」は、自然由来のアルカリ性物質である。環境や人体に優しく、薬に含まれていたり食品に含まれていたりするものもある。水に溶けにくく、結晶はザラザラしているといった特徴がある。このザラザラが、サビ落としに効果を発揮する。すなわち「天然由来の研磨剤」のような働きをするということだ。
ただし市販のサビ取り剤のようにサビを根本から落とす力はなく、その効果も強力ではない。したがって、逆をいえば「もらいサビ程度しか落とせない」ということになる。
2. 重曹でサビ落としをする際の注意点

重曹を使ったサビ落としのやり方を解説する前に、注意点から説明しておく。ここを押さえておかないと素材を傷めたり変色させたりするおそれがあるため気をつけよう。
ゴシゴシと強くこするのはNG
重曹には研磨作用があるため、いくらサビ落としのためとはいえゴシゴシと強くこすってしまうことは控えよう。金属そのものが傷ついてしまうおそれがあるためだ。傷がつけばそこに水分や汚れが入り込み、さらにひどいサビへと発展するかもしれない。重曹を使ってサビ落としをする際はくれぐれも、強くこすらないように注意しよう。
アルミ素材に使用するのはNG
アルミと重曹は相性が悪い。うっかりアルミ素材に重曹を使うと黒ずんでしまうおそれがある上、その黒ずみはもとに戻すことができない。重曹でサビ取りをする際は素材の確認も忘れないようにしよう。
水が使えない場所・モノへの使用もNG
詳しい手順は後述するが、重曹を使用したあとは水で洗い流す(または水拭きする)必要がある。重曹の成分が残ってしまうと白い跡になるためだ。したがってアルミ素材以外でも、水が使えない場所・モノなどへの重曹の使用は控えたほうがよいだろう。
3. 重曹でサビ落としをするなら「重曹ペースト」が効果的

ごく軽いもらいサビ程度なら重曹を使って落とせる。そのやり方を紹介していこう。重曹は「粉末のママ」「水に溶かして」「ペーストにして」という3つの使い方があるが、このうちサビ落としに効果的なのが重曹ペーストである。
重曹ペーストの作り方
重曹と容器、スプーンと水を用意する。容器に重曹と水を【1:2】または【1:3】の割合で混ぜ、スプーンなどでペースト状になるまで合わせるだけでOKだ。
重曹ペーストでサビ落としをする手順
強くこすりすぎると金属を傷つけるため、円を描くように優しくこすっていこう。ラップはなくてもOKだが、ペーストとはいえ角度が急な場所では垂れてしまうことがある。そんなときはラップで覆って留まらせよう。また重曹の成分が残ると白い跡になってしまう。すすぎは入念におこなうことも心がけよう。
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商品名:重曹の激落ちくん 粉末タイプ 1kg
4. 重曹でサビ落としをしたあとは防サビを

重曹でサビ落としができたら、次はキレイな状態をキープすることが大切だ。防サビのコツをお伝えするので、ぜひこちらもあわせて実践してほしい。
ステンレスの上に金属製品を置きっぱなしにしない
ご家庭でよく見られるもらいサビといえば、キッチンのシンクなどのステンレス素材である。冒頭で説明したように、ステンレスのもらいサビは包丁や空き缶などの金属製品を置きっぱなしにすることで起こる。重曹でサビ落としをしたあとのステンレスの上には、金属製品を置きっぱなしにしないように心がけよう。
サビ止め剤で再発を予防する
重曹でサビ落としをしたあとは、研磨作用によって細かい傷がついていることがある。この傷に水分などが入り込むと新たなサビが発生する恐れがあるため、防サビ剤で予防するのがおすすめだ。防サビ剤には油系、水溶性、気化性がある。
【油系のサビ止め剤】
隙間にしっかり浸透しやすいのが特徴だ。スプレータイプと液体タイプの2種類あるが、スプレータイプの方が扱いやすい。
【水溶性のサビ止め剤】
常温か熱を加えて使うタイプ。短期のサビ止めにおすすめだ。
【気化性のサビ止め剤】
粉末や固形状になっているものが多い。水溶性と同様に常温か熱を加えて使う。このように、防サビ剤は金属によって合うタイプが異なる。サビ取りしたいものに合わせて選ぶとよいだろう。
5. 重曹で落とせなかった頑固なサビの落とし方

残念ながら、重曹はすべてのサビに対して効果があるわけではない。当然ながら重曹では落とせない頑固なサビもある。そんなときは次のいずれかの方法を試してみるとよいだろう。
ワイヤーブラシ
ワイヤーブラシにはステンレス・真鍮・ナイロンの3種類がある。頑固なサビを落とすためであれば、これらを1本ずつ揃えよう。
【ワイヤーブラシでサビを落とす方法】
サビはブラシを前後に動かしてゴシゴシ磨く。ただしステンレスブラシは金属を傷つけるおそれがあるため、強くこすりすぎないように十分注意しよう。
クエン酸
クエン酸も頑固なサビ取りに有効だ。サビ取りへの活用方法は大きく分けて「つけおき」と「パック」の2種類がある。どちらを行うにも、まずはクエン酸水を作ることが大切だ。クエン酸水を作る方法は以下の通り。
【クエン酸水に「つけ置き」をしてサビを落とす方法】
クエン酸水を作る際、金属の容器は変色するおそれがあるため、プラスチックか陶器などの容器を使おう。
【クエン酸水で「パック」をしてサビを落とす方法】
自転車や水道の蛇口など、つけ置きできないものであればパックで落とすとよい。
おすすめ商品
商品名:クエン酸の激落ちくん 粉末タイプ 400g
市販のサビ取り剤
もっとも手っ取り早いのが市販のサビ取り剤だ。いろいろな種類があるが、ここでは「つけ置きタイプ」のサビ取り剤の使い方を紹介する。
【市販のサビ取り剤でサビを落とす方法】
商品やサビの程度にもよるが、20分ほどつけ置きすると徐々に効果が出てくることが多い。長時間つけ置きしていると金属が傷むおそれがあるため、状態をみながら調整しよう。
結論
重曹で落とせるサビは限られているが、ごく軽いもらいサビ程度であれば、わざわざ市販のサビ取り剤などを使わなくても落とせることが多い。薬品を使いたくないというご家庭にもおすすめなのでぜひ覚えておこう。重曹でサビ落としをしたあとは、サビ止め剤などで再発を予防することも忘れないようにしよう。