1. 追い焚き風呂の掃除が必要な理由

追い焚きの機能は、熱いお湯を足して温める「足し湯型」と今まで使っていたお湯を再利用して温めなおす「循環型」がある。現在主流となっている循環型は、少しずつ配管に汚れが蓄積されていく。配管は目に見えないため、掃除がおろそかになってしまう。
追い焚き風呂の配管内の汚れとは
循環型の追い焚き機能は、一度使った湯船のお湯を再度温めなおして使う。そのため再利用したお湯の汚れが配管内を通ることになる。
再利用したお湯の中には、皮脂汚れが混じっている。さらに入浴剤、シャンプー剤、石けんカスも混じる。こうした汚れが配管内に徐々に蓄積され、湯船に戻ってしまうため掃除が必要になる。
再利用したお湯の中には、皮脂汚れが混じっている。さらに入浴剤、シャンプー剤、石けんカスも混じる。こうした汚れが配管内に徐々に蓄積され、湯船に戻ってしまうため掃除が必要になる。
怖いレジオネラ菌
循環式の温泉でレジオネラ菌による感染事故のニュースを聞いた方も多いだろう。追い焚き風呂の配管には、汚れをエサとする雑菌が繁殖しやすい。レジオネラ菌もその雑菌の一種だ。
レジオネラ菌は、36℃前後のぬるま湯でもっとも繁殖力が強まる。空気中に飛散したレジオネラ菌を吸い込むことで気管や肺に感染し、肺炎症状を起こして死亡することもある。とくに免疫力の弱いお年寄りや赤ちゃんには注意が必要で、追い焚き風呂の掃除は欠かせない。
レジオネラ菌は、36℃前後のぬるま湯でもっとも繁殖力が強まる。空気中に飛散したレジオネラ菌を吸い込むことで気管や肺に感染し、肺炎症状を起こして死亡することもある。とくに免疫力の弱いお年寄りや赤ちゃんには注意が必要で、追い焚き風呂の掃除は欠かせない。
2. 追い焚き配管の掃除方法

追い焚き配管の掃除をする前に、追い焚き風呂の種類を把握しておこう。追い焚きには循環方法によって「1つ穴」と「2つ穴」の2種類がある。
強制循環タイプ「1つ穴」
ポンプの圧力を利用して1つの穴で「吸い込み」と「吐き出し」を行う。ポンプで強制的に循環させることから「強制循環タイプ」といわれる。
ポンプの力で循環させるため、循環するお湯のスピードが速い。そのため汚れがたまりにくく、掃除もそれほど頻繁に行わなくても済む。
ポンプの力で循環させるため、循環するお湯のスピードが速い。そのため汚れがたまりにくく、掃除もそれほど頻繁に行わなくても済む。
自然循環タイプ「2つ穴」
少し古いお風呂には、このタイプが多い。上下に穴が開いている。水の温度の違いによる対流を利用した自然循環タイプだ。下の穴に冷たい水が吸い込まれ、温められたお湯が上の穴から吐き出されるという仕組みだ。
配管内にお湯が留まっている時間が長いという特徴がある。そのため1つ穴に比べると、汚れがたまりやすいので掃除はこまめに行うようにしよう。
配管内にお湯が留まっている時間が長いという特徴がある。そのため1つ穴に比べると、汚れがたまりやすいので掃除はこまめに行うようにしよう。
3. 1つ穴の追い焚きの掃除方法

用意するものは「過炭酸ナトリウム」だ。酸素系漂白剤として販売されている。200g~300g程度用意しておこう。
1つ穴の場合の掃除方法
- 循環口にあるフィルターを取り外してから、循環口の上5cmくらいまで水を張る。残り湯を使ってもいい。ただし入浴剤の入った残り湯は、掃除をするときに洗剤の効果を妨げてしまう可能性があるので避けよう。
- 過炭酸ナトリウムを循環口付近に投入する。過炭酸ナトリウムが配管の奥まで循環するように40℃くらいまで追い焚きをして、そのまま2~3時間放置する。このとき、お湯の温度が下がらないようにふたをしておくと効率よく汚れが取れるので掃除が楽になる。
- 追い焚きをしてから、お風呂のお湯を抜く。
- 再び水を循環口の上5㎝くらいまでためてから、追い炊きをし、配管内にたまっている過炭酸ナトリウムを洗い流す。追い焚きが終わったら、水を流して掃除は完了だ。
4. 2つ穴の追い焚きの掃除方法

用意するものは「過炭酸ナトリウム」と「雑巾・タオル」だ。過炭酸ナトリウムの量は50g程度を用意しておこう。2つ穴の場合は、1つ穴のように掃除をするときに水をためたり、追い焚きをする必要がない。
2つ穴の場合の掃除方法
- 掃除をする前に、 追い焚きのときに温かいお湯が吐き出される下の穴を雑巾やタオルなどでしっかりと塞ぐ。
- 上の穴に過炭酸ナトリウムを投入する。やかんなどで50℃~70℃のお湯を注ぐことで追い焚き状態を作る。
- そのまま30分~1時間放置しておく。
- 塞いでいた下の穴を開ける。
- ホース、あるいはシャワーを使って、上の穴から勢いよく水を流し込む。下からも同じように水を流し込んで配管内を洗浄して掃除は完了だ。
5. 追い焚きの掃除の頻度はどれくらい?

追い焚きするための配管は目に見えないため、汚れ具合が確認できない。そこで、掃除の頻度とタイミングを把握しておくといいだろう。
掃除の頻度
1つ穴の場合には水流が速いこともあり、汚れがたまりにくい構造になっている。目安としては2カ月に1度が理想的だ。
2つ穴の場合にはゆっくりとした水流なので、汚れがたまりやすい。目安としては1カ月に1度が理想的だ。
2つ穴の場合にはゆっくりとした水流なので、汚れがたまりやすい。目安としては1カ月に1度が理想的だ。
掃除をするタイミング
掃除の頻度はあくまでも目安だ。家族が多く、何度も追い焚きをする場合やドロ汚れが付きやすい子どもが多い家庭では、もう少し頻繁に掃除をするといいだろう。
追い焚きの頻度にかかわらず「浴槽が嫌なにおいがする」「湯垢が浮いている」「湯泥が出てくる」といった変化があれば掃除のタイミングだ。
追い焚きの頻度にかかわらず「浴槽が嫌なにおいがする」「湯垢が浮いている」「湯泥が出てくる」といった変化があれば掃除のタイミングだ。
結論
追い焚き風呂の配管は、目に見えないだけに掃除がおろそかになってしまう。配管の掃除をするときには「1つ穴」か「2つ穴」かを確認しよう。タイプによって掃除の仕方が変わってくる。掃除の目安はあるが、家族構成や追い焚きの頻度などによっても変わってくる。追い焚きしたときのお湯の変化やにおいなどに注意をして、掃除のサインを逃さないようにしよう。