- 1. 服に付いた油性ペンのインク汚れが落ちにくい理由
- 2. 服に付いた油性ペンの落とし方1|濃縮タイプの洗剤を使う方法
- 3. 服に付いた油性ペンの落とし方2|消毒用エタノールや除光液を使う方法
- 4. 服に付いた油性ペンのインク汚れを落とすコツと注意点
- 5. 外出先で服に油性ペンが付いたときの応急処置
- 6. 服に付いた油性ペンの落とし方を覚えておこう
- 洗浄成分や界面活性剤の濃度が高い「濃縮洗剤」
- 汚れてもよいタオルまたはあて布
- 洗面器などの容器
- 油性ペン汚れの下(裏)にタオルまたはあて布を敷く
- 濃縮タイプの洗剤を油性ペン汚れに直接塗り込む
- 濡らしたりせず、そのままひと晩(12時間程度)放置する
- ほかの洗濯物と一緒に油性ペン汚れがついた服を洗濯する
- 汚れが落ちるまで or 目立たなくなるまで繰り返す
- 消毒用エタノールまたは除光液
- 汚れてもよいタオルまたはあて布
- 使い古しの歯ブラシ
- ウタマロ石けんなどの固形石鹸
- ビニールシート(あれば)
- 服のまわりを汚さないようにビニールシートなどを敷く
- 油性ペン汚れの下(裏)にタオルまたはあて布を敷く
- 油性ペン汚れに消毒用エタノールまたは除光液を少量垂らす
- 歯ブラシを使って軽くトントン叩き、タオルや布にインク汚れを移す
- 消毒用エタノール(除光液)を垂らして叩く作業を何度か繰り返す
- タオルやあて布に汚れが移らなくなったら固形石鹸で揉み洗いする
- いつものように洗濯する
1. 服に付いた油性ペンのインク汚れが落ちにくい理由
服に付いてしまった油性ペンのインク汚れを落とすのは難儀である。なぜ油性ペンのインクは落としにくいのだろうか?
そもそも落とすことを想定して作られていない
理由はシンプルだ。鉛筆などと違い、そもそも消すことを前提として作られていない。むしろ簡単に落ちて(消えて)しまうようでは困ってしまうことのほうが多い。もう少し掘り下げてみると、その成分が深く関係している。
【油性ペンのインクの成分】
油性ペンのインクには「溶剤」「着色剤」「定着剤」「樹脂」が配合されている。水性ペンと違い、油性ペンに使われている溶剤は揮発性が高く、水を弾く性質がある。上述したように簡単に落ちては(消えては)困るため、耐久性が高くなるように作られている。
【インクがすぐに染み込んで定着してしまう】
服など水分を吸収しやすい素材のものに油性ペンのインクが付いてしまうと、あっという間に染み込んでそのまま定着してしまう。
【インクの持つ撥水性がより落ちにくくさせている】
加えて、油性ペンのインクには水を弾く「撥水性」が備わっている。こうしたことから、服に付着した油性ペンのインク汚れは落ちにくいというわけだ。
2. 服に付いた油性ペンの落とし方1|濃縮タイプの洗剤を使う方法
確かに服に付いてしまった油性ペンのインク汚れを落とすのは困難だ。だが頑張れば落とせる(目立たない程度に薄くできる)可能性は残されている。諦めずに試してみてほしい。
服の油性ペンを落とすには「塗布放置洗浄」が効果的
洗浄成分や界面活性剤の濃度が高い、濃縮タイプの洗剤を使って浸け置きするという「塗布&放置」洗浄が効果的といわれている。使用するのは普段の洗濯にも普通に使える洗濯洗剤なので、色落ちといったリスクもほとんどない。
用意するもの
油性ペンのインク汚れの落とし方
液体洗剤を直接塗布し、あとは放置する。ゴシゴシこすったり水に濡らしたり、特別な洗剤を使用したりすることなく薄くできる(あわよくば消せる)といったやり方だ。
インクの付着量などによってはキレイに落ちないこともある
塗布放置洗浄は油性ペンのインク汚れを落とすのに大変効果的とされているが、とはいえインクの種類や付着量などによっては残ってしまうことがある。何度も繰り返す手もあるが、完全に元の通りにはならないかもしれない点だけはご承知おきいただきたい。
3. 服に付いた油性ペンの落とし方2|消毒用エタノールや除光液を使う方法
もうひとつ、服に付着した油性ペンのインク汚れを落とすにはアルコール(=消毒用エタノール)や除光液も効果的といわれている。これらには樹脂成分を落とす(溶かす)作用があるためだ。
用意するもの
こうしたものを用意しよう。ビニールシートは下に敷くためのものだが、なければビニール袋などで代用できる。また歯ブラシは、インク汚れを叩いてタオルやあて布に移す際に使用する。
油性ペンのインク汚れの落とし方
消毒用エタノールや除光液を使うので、インクの成分が溶け出していることが考えられる。固形石鹸を使う際はゴシゴシ揉むというよりも、軽くつまむようにして洗うと無駄に広がってしまうリスクを減らせるだろう。
4. 服に付いた油性ペンのインク汚れを落とすコツと注意点
服に付いてしまった油性ペンのインク汚れは上述したいずれかの方法で薄くできる(消せる)はずだ。だが効率よく落とすためのコツや、服へのダメージを抑えるためのポイントなどがあるので覚えておこう。
できる限り速やかに処置をする
服に限ったことではないが、油性ペンのインク汚れをキレイに落とすには「時間」も重要だ。付着したことが確認できたら、できる限り速やかに処置に取り掛かろう。
消毒用エタノールや除光液を使う際は目立たない箇所で試してから
時間勝負にはなるものの、色柄物の服に消毒用エタノールを使うと色落ちする場合がある。まずは目立たない場所に含ませ、白くてキレイな布またはティッシュでトントン叩いてみよう。そこで色が移らなければ100%大丈夫とは言い切れないが、色落ちしやすい服かどうかの判断はできるはずだ。
消毒用エタノールや除光液を使う際は汚れが広がらないように注意
消毒用エタノールや除光液を使用した場合、油性ペンのインク成分が溶け出す。つまり場合によってはインク汚れが広がってしまうことがある。ゴシゴシこすらないこと、消毒用エタノールや除光液を付けすぎないことなどに気をつけよう。
落ちない汚れはクリーニングに出す
油性ペン汚れがついた服の素材によっては、ご家庭で落とすのが難しい。シルクやウールなどのデリケートな素材、染まりやすいナイロンやウレタンなどは服にダメージを与えるおそれもある。少しでも不安なとき、迷う素材のとき、高価な服のときなどは最初からクリーニング店に相談しよう。
5. 外出先で服に油性ペンが付いたときの応急処置
すぐに洗濯できる環境であればよいが、困るのは外出先などで今すぐ洗濯したり消毒用エタノールを使って落としたりできないときだ。この場合はひとまず応急処置を施し、帰宅後すぐに上述したような方法で処置をしてほしい。
外出先でできる応急処置
消毒用エタノールまたは除光液があれば活用しよう。お店などであれば店員にことわって入り口の消毒用エタノールを借りるといった方法もある。用意できたらティッシュを油性ペンのインク汚れの下(裏)にあて、消毒用エタノールを垂らして別のティッシュでトントン叩く。この方法でできる限り汚れをティッシュに移しておこう。
6. 服に付いた油性ペンの落とし方を覚えておこう
服に油性ペンのインク汚れが付いてしまったときの落とし方を2パターン紹介したが、可能であれば濃縮タイプの洗剤を使用した「塗布放置洗浄」を優先しよう。服へのダメージが少なく、また放置するだけなので時間はかかるが手間はかからない。
ただし外出先では難しいため、消毒用エタノールまたはコンビニで除光液などを購入するなどして応急処置を施し、帰宅後速やかに洗濯しよう。この2パターンを覚えておけば、服に油性ペンのインク汚れが付着してしまったときも慌てずに済むはずだ。
結論
油性ペンのインクは定着しやすく耐久性が高い。ゆえに服に付くと落ちにくい。だが濃縮タイプの洗剤や消毒用エタノールなどで落とせる(目立たなくできる)可能性はある。色落ちや服へのダメージなどにも気をつけつつ、汚れ落としにチャレンジしてみよう。程度がひどいものは落とせないこともあるため、最初からクリーニング店に相談したほうがよいだろう。