目次
- 1. 「カルキ」とは何か
- 2. カルキ汚れは有害?固着する原因は?
- 3. 加湿器のカルキ汚れを掃除する方法
- 4. 蛇口などの水まわりに固着したカルキ汚れを落とす方法
- 5. カルキ汚れの掃除にクエン酸を使う際の注意点
- 6. 加湿器のカルキ汚れを防ぐにはこまめなお手入れが一番
- クエン酸
- 柔らかいスポンジやブラシ
- 拭き取り用のタオル
- 大きめのバケツ(なければシンクや浴槽など)
- カルキ汚れが付着している加湿器パーツ(水洗い可能なもの)を外す
- バケツなどに、40℃程度のぬるま湯1Lにつき大さじ1.5〜2杯のクエン酸を溶かす
- カルキ汚れが付着しているタンクやトレー、加湿フィルターなどを浸す
- 30分から2時間程度、浸け置きする
- 柔らかいスポンジやブラシで擦り洗いする
- 流水でよくすすぎ、完全に乾いたのを確認してから元へ戻す
1. 「カルキ」とは何か

そもそもカルキとはどういった物質なのか、基本的なところから簡単に解説しよう。ざっくりと「カルキ=塩素」としても誤りではないが、もう少し掘り下げてお伝えする。
カルキとは「次亜塩素酸カルシウム」のこと
水道水の消毒に使われる塩素には「次亜塩素酸カルシウム」「次亜塩素酸ナトリウム」「液化塩素」といった種類がある。カルキとはこのうち次亜塩素酸カルシウムを指すのが一般的である。
カルキ汚れとは?水垢とは違う?
カルキ汚れとは一般的に水道水中のミネラル成分、具体的には次亜塩素酸カルシウムに含まれるカルシウムが固まったものを指す。蛇口まわりなどに見られる白っぽい粉状の汚れはカルキ汚れである。ひどくなると、うろこのようにこびりつくこともある。
なお上述のように、水道水の消毒に使われる塩素には次亜塩素酸ナトリウムもある。このナトリウムもミネラル成分であり、固まると同じように白っぽくなる。
また「水垢」は水道水が蒸発したあとに残るミネラル成分なので、厳密にいえばカルキ汚れは水垢汚れの一種となる。本稿においては便宜上、カルキ汚れと水垢汚れをほぼ同義として扱わせていただく。
2. カルキ汚れは有害?固着する原因は?

加湿器や水まわりなどに白い粉っぽい汚れが固着していたら、それがカルキ汚れである。「汚れ」というと人体に有害に思えるが、実際のところどうなのだろうか?
カルキは人体に無害とされている
カルキそのものは人体に無害とされている。だが放置すると頑固にこびりつき除去するのが困難になるし、無害とはいえ不衛生・不潔といった印象がある。ミネラル成分をエサに雑菌が繁殖することも考えられるため、手放しで放置できるようなものではないだろう。
放置はよくないため掃除をすることが大切
「カルキ汚れ=直ちに加湿器が故障する」といったものではないかもしれないが、定期的に除去しておくことが望ましい。
たとえばカルキ汚れを放置したまま加湿器を使い続けた場合、徐々に堆積し除去するのが大変になる。固着するカルキ汚れが増えるほど加湿器の送風音が大きくなったり、加湿機能が低下したりすることも想定される。
上述のように、カルキ汚れをエサに雑菌が繁殖することも考えられる。不衛生な環境はカビの発生にもつながる。そうした加湿器から噴射される蒸気を長期間にわたって吸い込めば、健康面でのリスクが生じても不思議ではない。
水分が蒸発しミネラル成分のみが残るため固着してしまう
加湿方式にもよるが、たとえばスチーム式(加熱式)の加湿器の場合、水を加熱して蒸発させ空気中に放出する。このとき水分は蒸発するものの、カルシウムやナトリウムといったミネラル成分は気化せずに残ってしまう。空気に触れることで固まり、徐々に蓄積されて頑固なカルキ汚れとなる。
3. 加湿器のカルキ汚れを掃除する方法

カルキ汚れは頑固であるが、よほどでない限りクエン酸を使って落とせる。
用意するもの
用意するものはこれだけでよい。バケツとしたが、外した加湿器のパーツが入ればOKなのでお使いの加湿器のサイズにあわせて各パーツが入るものを用意しよう。
加湿器のカルキ汚れをクエン酸で掃除する方法
この手順で掃除をすれば、よほど頑固にこびりついたカルキ汚れでない限りは落とせる。加湿器のパーツが水洗いできるものかどうかは、必ず事前に確認しておくことだ。
【酢でも代用可能だがおすすめしない】
クエン酸がなければ同じ酸性のアイテム「酢」でも代用可能だ。だが、においが強烈なことに加えあくまで食品なので、掃除に使用するのはあまりおすすめできない。クエン酸は100均やネット通販、ドラッグストアなどで入手できるので、できればクエン酸を用意しておこう。
【頑固なカルキ汚れは一度では落ちないことも多い】
頑固にこびりついたカルキ汚れは、クエン酸を使って掃除しても一度で除去できないことが多い。この場合は一気に落とそうとせず、月に2回など定期的に掃除をして少しずつ落としていく、というつもりで取りかかろう。
4. 蛇口などの水まわりに固着したカルキ汚れを落とす方法

せっかくなので、加湿器以外の場所に固着したカルキ汚れの掃除方法も紹介しておく。
お風呂の鏡やシャワーヘッドなどのカルキ汚れの掃除方法
お風呂の鏡にうろこのようにカルキ(水垢)汚れが付着しているというご家庭も多いのではないだろうか?そうした場所もクエン酸を使って掃除できる。
スプレーボトルを用意し、水200mlにつき小さじ1〜2杯のクエン酸を溶かしたら、カルキ(水垢)汚れに吹きかけよう。キッチンペーパーで覆ってさらにスプレーし、食品用ラップでパックをして2時間ほど放置する。
時間がきたら剥がしてスポンジなどで擦り洗いし、流水でよくすすいで乾かせば完了だ。新たなカルキ(水垢)汚れを招かないよう、乾いたタオルなどできちんと拭き取っておこう。
キッチンのシンクや蛇口などのカルキ汚れの掃除方法
やり方はお風呂の鏡やシャワーヘッドなどと同じだ。クエン酸水をスプレーし、キッチンペーパーやラップでパックをする。2時間程度待ってからスポンジで擦り洗いをしてすすごう。
電気ケトルやポットのカルキ汚れの掃除方法
水を満水位置まで入れてクエン酸を大さじ2〜3杯ほど加えたら沸騰させる。1〜2時間放置したらいったん中身を捨て、再度満水位置まで水を入れたらそのまま沸騰させる(クエン酸は加えない)。沸騰したら中身を捨ててよくすすぎ、きちんと乾かしたら完了。
ポットの場合も同じやり方でOKだ。一度で落ちないときは同じ手順を繰り返すか、何日かに分けて少しずつ落としていこう。また念のため事前に取扱説明書を確認し、クエン酸を使った掃除がNGだったときは控えて別の(説明書に書かれている)方法で掃除をしよう。
5. カルキ汚れの掃除にクエン酸を使う際の注意点

クエン酸を使って加湿器などのカルキ汚れを掃除する際は、次の点に注意しよう。クエン酸そのものはナチュラルクリーニングの必須アイテムでもあるように、人体や環境に優しい物質だ。だが使い方を誤ると危険なこともある。
絶対にアルカリ性洗剤(塩素系漂白剤)と混ぜないこと
クエン酸とアルカリ性洗剤(塩素系漂白剤等)が混ざると、人体に有害なガスが発生して大変危険だ。アルカリ性洗剤(塩素系漂白剤等)のパッケージにはわかりやすく「まぜるな危険」と書かれているはずなので、その注意書きを見たら思い出そう。
ちなみにクエン酸のほか、酢やアルコールなどと混ざった場合なども同様で危険だ。「酸性」のものとは絶対に混ぜないように気をつけてほしい。
鉄製品は錆びることがあるため注意すること
クエン酸と鉄製品は相性が悪い。錆びるおそれがあるため、加湿器にそうしたパーツが使われているときはクエン酸を使わない、もしくは絶対に触れないように注意するなどしてほしい。そのほか大理石などにも使えないので、事前にパッケージの注意書きをよく読んでおこう。
掃除の最後に十分な水で洗い流すこと
たとえば加湿器のカルキ汚れを除去したあと、加湿フィルターなどのパーツにクエン酸が残っていると、新たな汚れやにおいの原因となる場合がある。水道水でしっかりすすぐことも忘れないようにしよう。
6. 加湿器のカルキ汚れを防ぐにはこまめなお手入れが一番

水道水を使う以上、カルキ汚れをまったく寄せ付けないといったことは難しい。だが少しでも蓄積する量を減らすことは可能だ。
加湿器を定期的に掃除する
シンプルだがもっとも効果的なのが、加湿器を定期的に掃除することである。お伝えしたような「浸け置き」は毎回やるには大変だが、タンクやトレイ、加湿フィルターなどを週1回程度水洗いし、水分をきちんと拭き取っておくなどしよう。加えて月1回程度クエン酸水に浸け置きすれば、よりカルキ汚れを軽減できるはずだ。
トレイなどに残った水滴を拭き取る
少々手間だが、使うたびにトレイなどに残った水をきちんと捨てて水分も拭き取り、乾かしておくといった方法も有効である。
結論
加湿器に固着するカルキ汚れは、水道水のミネラル分が固まったものだ。放置すると加湿機能の低下などにつながることもあるため、こまめに掃除をして取り除いておこう。カルキ汚れは人体にも環境にも優しいクエン酸で掃除できるので、ぜひ試してみてほしい。