1. 洗濯機の水量は洗濯物の重さで決定する

ほとんどの家庭では、全自動洗濯機を使っているのではないだろうか。全自動洗濯機は、スイッチひとつで自動で給水してくれるが、どのようにして水量を決めているのだろう。
洗濯物の重さによって水量調節
全自動洗濯機は洗濯槽のセンサーが内蔵されている。洗濯物の重さと体積を測定し、給水すべき適切な水量を決めている。水量が少なくては布の動きが悪くなって汚れが落ちにくい。逆に水量が多過ぎても布と布の摩擦が少なくなり洗浄力が弱まってしまう。
水分を多く含んだ衣類は注意
洗濯物を手洗いしてそのまま洗濯機に入れたり、濡れた衣類を入れたりする場合は、注意が必要だ。濡れた衣類は重くなっている。全自動洗濯機は重さで水量を測るため、適切な水量以上の水を供給してしまう。できるだけ、手洗いしたものは水分を絞るようにして、適切な水量計算ができるようにしておこう。
2. 洗濯機の水量が少ないと感じる理由

全自動にしていて、水量が少ないと感じることはないだろうか。水量は洗濯機の種類でも違ってくる。
節水型の洗濯機が主流
洗濯機メーカーでは、各社ともに節水・節電といった省エネ技術を進化させている。そのため、ひと昔前の洗濯機よりも、水量が少なく感じられるかもしれない。
実際に、洗濯物1kgに対して水10L、1:10が適量の浴比とされているが、実際には平均1:8.9となっており、節水型であることがわかる。
実際に、洗濯物1kgに対して水10L、1:10が適量の浴比とされているが、実際には平均1:8.9となっており、節水型であることがわかる。
ドラム式は水量が少ない
洗濯機にはドラム式とタテ型がある。タテ型は、水をかくはんすることで汚れを落とすため、水の量は多めだ。ドラム式は、洗濯物を上から落としてたたき洗いで汚れを落とすため、水の量は少なめになる。今までタテ型の洗濯機を使っていた方は、ドラム式に変えて水量の少なさにびっくりするかもしれない。
節水で汚れが落ちないことも
全自動洗濯機には、洗濯物の量に合わせて手動調整できる機能がある。節水のことばかり考えていると、かえって無駄になってしまうこともある。なぜなら汚れが落ちないばかりか、取れた汚れが再び衣類に付着する「汚れ戻り」が起きてしまうからだ。
洗濯をしても、黒ずみや黄ばみがキレイに落とせないという場合は、水の量が少ないのかもしれない。
洗濯をしても、黒ずみや黄ばみがキレイに落とせないという場合は、水の量が少ないのかもしれない。
3. 洗濯機の適切な水量の目安はどれくらい?

自分で水量を調節する場合、どのくらいの水量を目安にすればいいのだろう。
適切な水量は1:10
洗濯機で衣類の汚れが最も落ちやすい比率が1:10といわれている。洗濯物1kgに対して水10Lだ。それ以上でもそれ以下でも洗濯物の汚れは落ちにくいとされている。
では、どうやって洗濯物の重さを量ればいいのか。最もオーソドックスな測り方は、洗濯物の入った洗濯かごを持って、体重計に乗ることだ。体重を差し引けば洗濯物の総重量がわかる。
では、どうやって洗濯物の重さを量ればいいのか。最もオーソドックスな測り方は、洗濯物の入った洗濯かごを持って、体重計に乗ることだ。体重を差し引けば洗濯物の総重量がわかる。
目安としての水量
洗濯をするときにいちいち重さをはかるのはめんどうで、非現実的だ。洗濯機の水量が適切かどうかを判断するひとつの目安として、洗濯物が十分に水に浸かっているかだ。洗濯物が隠れるくらいの水量であれば、汚れ落ちに影響がないと考えていいだろう。
4. 洗濯機の水量を決めるときの注意点

洗濯機の適切水量は1:10だが、それ以外にも汚れ落ちに関する注意点がある。
洗濯物は入れすぎてはいけない
洗濯機には定格容量というものがある。4人家族なら約6kgの定格容量の洗濯機が目安となる。しかし、洗濯機の定格容量いっぱいに洗濯物を入れるのはNGだ。いくら水量を増やしても、洗濯機の動きが悪くなってしまう。各メーカーが推奨しているのは定格容量に対して6~7割程度の洗濯物の量となっている。
雨が続いたりすると洗濯物の量がいつもより増えてしまうことがある。一度で済ませれば、水道料や電気代も節約できると考えてしまうが、入れすぎると汚れが落ちなくなってしまう可能性もあるから注意しよう。
雨が続いたりすると洗濯物の量がいつもより増えてしまうことがある。一度で済ませれば、水道料や電気代も節約できると考えてしまうが、入れすぎると汚れが落ちなくなってしまう可能性もあるから注意しよう。
洗剤の量も適切に
今使っている洗剤の適正量をご存じだろうか。洗剤の量は、洗濯に使う水量によって変わってくる。洗剤を投入するとき「多めに入れれば、汚れ落ちもよくなるのでは」と誰でも頭をよぎることがあるだろう。しかし洗剤を規定よりも多く入れることは、逆効果になってしまうことがある。
水量に比べて洗剤を多く投入することで、泡切れが悪くなり、洗剤残りが起こる。洗剤が残っていると汚れやにおいの原因になってしまう。さらに、洗濯槽の裏側に余分な洗剤がこびりつき、カビの原因にもなってしまう。
水量に比べて洗剤を多く投入することで、泡切れが悪くなり、洗剤残りが起こる。洗剤が残っていると汚れやにおいの原因になってしまう。さらに、洗濯槽の裏側に余分な洗剤がこびりつき、カビの原因にもなってしまう。
結論
洗濯機の水量は、洗濯物の重さとの関係で決められている。洗濯物の汚れが効率的に落ちやすい水量は、洗濯物1kgに対して水10Lだ。手動調整する場合には、この比率を目安にするといいだろう。また、洗濯物をキレイに洗い上げるためには、水の量だけでなく洗剤の量も適切に守ろう。