1. 洗濯で色落ちしてしまう原因

まずは基礎知識として色落ちする原因について説明する。色落ちしやすい素材と併せて紹介するので、対策に役立ててほしい。
水や摩擦
色落ちは染料が水に溶け出すことで発生する。とくに濃い色の衣服は溶け出しやすく、色落ちしやすい。薄い色の衣服に色移りする可能性があるので注意が必要だ。また、摩擦も原因の一つであり、脱水中や乾燥機使用時にこすれることで色落ちするケースも多い。
脱水後の放置
洗濯が終わったあと濡れたまま放置すると洗濯機の中の湿度があがり、染料が溶け出だす可能性があるので注意が必要だ。他の洗濯物にも色移りするので、すぐに取り出す習慣をつけよう。
色落ちしやすい素材は?
絹や麻、コットンなど天然素材は色落ちしやすい。逆にレーヨンやポリエステル、アクリルなどの化学繊維は色落ちの心配が少ないので、洗濯するときの参考にしよう。また、素材に関係なく、革や合皮の装飾や刺繍がついた衣服は色落ちのリスクが高くなる。
新しい衣類に注意
新しい衣服は染料が溶け出しやすいので、洗濯方法に気をつけよう。染料には「堅牢度(けんろうど)」と呼ばれる、色落ちのしにくさを表す数値がある。インディゴ染めのデニムは堅牢度が低く、とくに色落ちしやすいので、初めて洗うときは気をつけよう。
2. 色落ちした洗濯物を戻す方法は?

衣服が色落ちしたときに気になるのが戻す方法についてだ。戻す方法や色落ちの確認方法について、詳しく解説する。
色落ちは戻せない
色落ちは染料が落ちることによって発生するので元には戻せない。色あせたりまだらになったりする可能性があるため、色落ちしやすい衣類を洗濯するときは注意しよう。
ただし、新しい染料を使って染める「染め直し」を業者に依頼すれば、近い状態に復活する可能性がある。同じ色の染料が見つからないと同じように戻すのは難しいが、お気に入りの衣類であれば検討してみてもよいだろう。
ただし、新しい染料を使って染める「染め直し」を業者に依頼すれば、近い状態に復活する可能性がある。同じ色の染料が見つからないと同じように戻すのは難しいが、お気に入りの衣類であれば検討してみてもよいだろう。
色落ちしやすい衣類を確認
色落ちしやすい衣服がわかれば対策がしやすい。まずは洗濯表示に記載されている「付記用語」を確認しよう。「移染の可能性がある」「色が落ちる恐れがある」など、色落ちに関する記載があるなら、内容に従って洗濯をする。
また、洗剤を使って「色落ちテスト」をするのもおすすめだ。水に溶かした洗剤をキッチンペーパーや綿棒にしみこませたら、衣服の目立たない部分につけて数分ほど置いておこう。色が移ったなら色落ちしやすい衣類だ。
また、洗剤を使って「色落ちテスト」をするのもおすすめだ。水に溶かした洗剤をキッチンペーパーや綿棒にしみこませたら、衣服の目立たない部分につけて数分ほど置いておこう。色が移ったなら色落ちしやすい衣類だ。
3. 色落ちを防止する洗濯方法

元に戻すことが難しい色落ちは十分な対策をしておきたい。色落ちを防止する洗濯方法について、洗い方や干し方を紹介しよう。
色落ちを防ぐ洗濯方法
衣服を裏返してから洗濯ネットに入れて洗濯する。この方法なら摩擦を軽減できるため、色落ちを防止することが可能だ。温かいお湯を使うと染料が溶け出しやすくなるので、残り湯の使用は避けて冷たい水で洗濯するとよいだろう。
「弱水流モード」や「手洗いモード」など優しく洗えるコースを選び、オシャレ着用の洗濯洗剤を使用するのがポイントだ。また、大事な衣服は手洗いで優しく洗濯すれば色落ちを防げるだろう。
ほかにも、同じ色の衣服だけで洗濯する、色が濃い衣類と薄い衣類を分けるなど、色移り対策をしっかりとしよう。他の洗濯物と一緒に洗いたいときは、溶け出した染料を吸い取る「色移り防止シート」が便利だ。
「弱水流モード」や「手洗いモード」など優しく洗えるコースを選び、オシャレ着用の洗濯洗剤を使用するのがポイントだ。また、大事な衣服は手洗いで優しく洗濯すれば色落ちを防げるだろう。
ほかにも、同じ色の衣服だけで洗濯する、色が濃い衣類と薄い衣類を分けるなど、色移り対策をしっかりとしよう。他の洗濯物と一緒に洗いたいときは、溶け出した染料を吸い取る「色移り防止シート」が便利だ。
干し方も大事
洗濯したあとの衣服は色落ちしやすい状態なので、すぐに取り出して乾燥させる。また、直射日光を当てると色があせたり日焼けしたりするので、干し方には注意が必要だ。
特に夏は日差しが強いので洗濯物への影響が大きい。日光が当たらない場所で陰干しをするか、裏側を表にしてから乾燥させよう。
特に夏は日差しが強いので洗濯物への影響が大きい。日光が当たらない場所で陰干しをするか、裏側を表にしてから乾燥させよう。
最初に色落ちさせる
デニムなど溶けやすい染料を使った衣服だと、色落ちは避けられない。新しい衣類はある程度の染料を落としておき、他の衣類への色移りを避けよう。最初の1~3回は他の衣類とは別に分けて洗濯するのがおすすめだ。
また、色落ちや縮みを抑えたいなら手洗いをしよう。オシャレ着用の中性洗剤と水を使えば色落ちしにくい。その後、洗濯水に10分ほど浸して、水で3回ほどすすいだら洗濯機で1分ほど脱水しよう。
また、色落ちや縮みを抑えたいなら手洗いをしよう。オシャレ着用の中性洗剤と水を使えば色落ちしにくい。その後、洗濯水に10分ほど浸して、水で3回ほどすすいだら洗濯機で1分ほど脱水しよう。
4. 色落ちして色移りした洗濯物の落とし方

色落ちした染料が他の衣服に色移りすると、通常の洗濯で落とすのは難しい。色移りをキレイに落とす方法について紹介しよう。
用意する道具
色落ちで発生した色移りは、早めに対処すればスッキリと落とすことができる。まずは必要な道具を用意しておこう。
- 50度くらいのお湯
- 洗濯液を入れる容器
- 弱アルカリ性の洗濯洗剤(規定量の2~3倍)
- 酸素系漂白剤
- ゴム手袋
酸素系漂白剤の分量は商品の裏で確認して、弱アルカリ性の洗剤は規定の2~3倍を使おう。お湯を使えば効率よく色移りを落とせるが、衣類によっては使えるお湯の温度に上限があるので、洗濯表示で確認しておくと安心だ。
色移りの落とし方
色落ちで発生した色移りには、弱アルカリ性の洗濯洗剤と酸素系漂白剤を使ったつけ置き洗いが有効だ。詳しい手順を紹介するので、色移りで困っている方はぜひ試してほしい。
- お湯に色移りした衣服を浸す
- 弱アルカリ性洗剤と酸素系漂白剤を入れる
- ときどき混ぜながら30分~1時間ほどつけ置きする
- 色移りが落ちたのを確認したらキレイな水ですすぐ
- 洗濯機に入れてまわす
お湯の温度が高すぎると繊維が傷むので適度に冷ましてから使用する。つけ置きしても色移りが直らないときは、同じ作業を繰り返そう。
結論
洗濯の色落ちは対策することで防げる。衣類同士の摩擦や脱水後の放置で色落ちするので、洗濯の方法には注意が必要だ。裏返して洗濯ネットに入れたら優しく洗えるコースを選ぼう。デニムなど色落ちしやすい衣服なら、最初に単体で洗濯しておくのがおすすめだ。また、色移りが発生した場合は酸素系漂白剤を使ったつけ置きが有効だ。付着した頑固な染料も、高い洗浄力でスッキリと落ちるだろう。