1. エアコンクリーナーとは?
エアコンの内部を掃除したいときに考えられる方法は、プロの業者にクリーニングを頼むか、自分で掃除をするかのどちらかだろう。エアコンクリーナーは、自分でエアコンの内部にたまった汚れやカビをキレイにするために使用するアイテムだ。しかしこのエアコンクリーナーは、エアコンの構造や、洗浄するエアコンのパーツに適したものを使用しなければならない。
エアコンの構造
エアコンには大きく分けて、壁掛け型と天井埋め込み型の2種類がある。一般的なエアコンクリーナーは、壁掛け型に使えるものだ。さらに壁掛け型は、自動掃除機能が付いているものと、そうでないものにわけられる。自宅のエアコンの種類をチェックし、それぞれに対応しているエアコンクリーナーを選ぼう。
エアコンのパーツとは?
エアコン掃除の際に知っておきたいパーツは、主に次の4つだ。
- フィルター:空気中のホコリなどをキャッチする役割を持つ
- フィン:空気の温度を変える、熱交換器の役割を持つ
- ファン:風を起こす送風機の役割を持つ
- ドレンホース:エアコン内部の水分を排出する排水口の役割を持つ
ファンはフィンとよく似た名称だが、全く別の機能を持つパーツである。これらのパーツそれぞれに適したエアコンクリーナーを使うことが重要だ。
2. エアコンクリーナーの効果的な使い方
エアコンクリーナーの使い方の前に、重要な注意点を解説しておきたい。パーツの中でもフィンとファンは、掃除方法やクリーナーの使い方を誤ると、故障や事故につながる危険性がある。エアコン内部の基盤に誤ってクリーナーをかけてしまったり、水で濡らしてしまったりすると、場合によっては火災が発生することもあり得るのだ。さらに、エアコンクリーナーを使用したことで取り切れなかったホコリが詰まり、かえって状況を悪化させてしまうこともある。エアコンクリーナーを使用できないわけではないが、可能な限り、プロの専門業者に依頼することを推奨したい。使用する場合は細心の注意を払い、正しい使い方をすること、そしてリスクがあることを知っておく必要がある。
準備
エアコンの掃除はどのパーツであっても、必ずコンセントを抜いてから始める。コンセントが見つからない場合は、エアコンのみブレーカーを落としておこう。さらに、ビニール袋や養生テープを使い、ホコリ、洗浄液などが床に落ちても問題ないよう養生しておくとよい。
ファンクリーナーの使い方
ファンは、エアコンの奥の方にあるパーツ。洗浄液を届かせやすいノズル付きタイプのクリーナーがおすすめだ。
- ルーバーをはずして、ファンにスプレーをかける。まんべんなく行き渡るようかけるのがコツだ。
- ゴム手袋をして送風口から手を入れ、ファンをゆっくり5~6回程回転させる。こうすることで、ファン全体に薬剤がつく。
- 20~30分おいて汚れが浮いてくるのを待つ。その間、たまにファンを回転させるとよい。
- 汚れが浮いてきたら、いらない歯ブラシなどでこする。エアコンに傷をつけないよう、やさしく丁寧にこすり落としていく。
- 汚れを落とした後は、霧吹きに水を入れて洗い流す。クリーナーを落とす専用のリンスがセットになっている商品もあるため、その場合はリンスを使うとよい。
- 洗剤を流し終えたら、タオルで水分を拭き取り、しっかりと乾燥させる。乾燥は、カビを防ぐための重要なポイントだ。
- ある程度乾燥させた後、1時間程送風を行って完璧に乾かす。
フィンクリーナーの使い方
フィンは、フィルターの奥にあるパーツのことである。
- フィルターをはずし、フィンについたホコリを掃除機などで取ってから、エアコンクリーナーをつける。
- そのまま10~15分放置する。
- 洗剤がドレンに流れたら、送風でしっかりと乾燥させる。
フィルタークリーナーの使い方
フィルターは、エアコンから取り外して洗浄するが、いきなり外すとホコリが舞い散る可能性がある。フィルターを外す前に、掃除機で表側からホコリを取り除いておくとよいだろう。
- 外したフィルターは新聞紙などの上に置き、全体にクリーナーをかけていく。クリーナーは泡になるため、家の外やお風呂場などで掃除するのがおすすめだ。
- クリーナーの泡が消えたら、シャワーなどで洗い流していく。
- しっかりと洗い流した後、タオルで水気を拭き取る。
- 完全に乾いてからエアコンに戻す。
ドレンホースクリーナーの使い方
エアコン内の水分を排出するドレンホース。ドレンホースはエアコンから室外機の近くに向かって伸びているはずだ。外で作業することになるが、水が逆流し、室内に吹き出す可能性がある。もしものために、エアコンの送風口にタオルを当てておこう。
- ドレンホースクリーナーの口に、ドレンホースを差し込む。
- クリーナーのハンドルを引いて、一度ドレンホースから外す。
- ドレンホースから外した状態で、クリーナーのハンドルを押す。ドレンホースにつないだままクリーナーのハンドルを押すと、内部に逆流させてしまうことになる。必ずドレンホースからクリーナーを外し、ハンドルを押すようにしよう。
- 水が出るまで、2〜3を繰り返す。
3. エアコンクリーナーのおすすめ3選
エアコンクリーナーのおすすめ商品を3つ紹介する。
ケミコート「エアコンクリーナーシュ!シュ!」
エアコンクリーナーシュ!シュ!は、エアコン内部のアルミフィン専用クリーナー。超電水とケイ酸塩からできたクリーナだ。超電水の洗浄、除菌パワーとジェットノズルで、アルミフィンの細部や奥までしっかり洗浄。消臭、除菌、洗浄がこれ1本でできる商品となっている。
ショーワ「くうきれい エアコン送風ファン洗浄剤」
洗浄剤と中和防食効果のあるリンスがセットになった、くうきれいエアコン送風ファン洗浄剤。リンスを使えば、洗浄剤の泡を短時間で消し、汚れもキレイに落としてくれる。シリーズにエアコンアルミフィン用商品も販売されているため、どちらも掃除したいときは一緒に購入するのもよいだろう。
シーズファクトリー『エアコン用ドレンホースクリーナー』
エアコン用ドレンホースクリーナーは、ドレンホースの排出口に差し込み、レバーを引くだけでヘドロ詰まりを解消してくれる。適応ホースの内径は、14~21mm。ドレンホースは室外にあるため、エアコンからのホコリ以外にも、外部から虫などが侵入することもある。キレイにした後は、ネットやキャップをつけて保護しておくと安心だ。
4. エアコンクリーナーを使わない掃除方法
ここでは、エアコンクリーナーを使わない掃除方法を解説していく。
準備と道具
掃除を始める前に、エアコンのコンセントを抜いておく。見当たらなければ、エアコンのブレーカーだけを落としておこう。また、特別な道具やエアコンクリーナーは使わない。以下を参考に、必要なものを準備しよう。
- 掃除機
- いらない歯ブラシ(古い、やわらかいものが望ましい)
- タオル
- モップ(ハンディタイプが使いやすい)
- 雑巾やいらないタオル
- 新聞紙
- ゴム手袋
フロントパネル・ルーバーの掃除
エアコンの表面や上部にたまったホコリをハンディモップで取り除いておく。取れないときは、アルコールを染み込ませたキッチンペーパーで拭き取ってもよい。ルーバーが外せる場合は、吹き出し口も掃除ができる。キッチンペーパーにアルコールをひたし、ゆっくり丁寧に拭いていこう。外したフロントパネルとルーバーは、硬く絞った雑巾や掃除用のクロスで丁寧に水拭きする。汚れ落ちが悪いときは、ぬるま湯を使うとより効果的だ。
フィルターの掃除
フィルターは取り外してから掃除をするため、クリーナーを使用しても問題はないが、ここでは使わない方法を紹介していく。
フィルターを取り外し、新聞紙などの上に置いて表側から掃除機でホコリを取り除く。裏側から掃除機で吸うと、フィルターに無理矢理ホコリを通すことになるため避けるのが望ましい。掃除機でホコリを取った後、シャワーなどで水洗いしていこう。水洗いするときは、掃除機とは逆に裏側から当てると汚れ落ちがよい。まだホコリが残っている場合は、歯ブラシでやさしくこすり落としていく。最後にしっかりと乾燥させて完了だ。
フィルターを取り外し、新聞紙などの上に置いて表側から掃除機でホコリを取り除く。裏側から掃除機で吸うと、フィルターに無理矢理ホコリを通すことになるため避けるのが望ましい。掃除機でホコリを取った後、シャワーなどで水洗いしていこう。水洗いするときは、掃除機とは逆に裏側から当てると汚れ落ちがよい。まだホコリが残っている場合は、歯ブラシでやさしくこすり落としていく。最後にしっかりと乾燥させて完了だ。
エアコン内部とフィンの掃除
エアコン内部は、ハンディモップでやさしくホコリを落とす。フィンも同様だ。故障や事故を防ぐためにも、クリーナーや水は使わない。ハンディモップでホコリが取り切れない場合は、掃除機をかけるか、乾いた雑巾で丁寧に拭いていこう。
結論
エアコン内部の汚れやカビ、ホコリをキレイにできるエアコンクリーナー。自分で掃除ができるのは手軽で便利だが、フィンやファンなどの掃除にはリスクが伴うことを知っておこう。可能な限り、プロの専門業者に依頼するのを推奨する。エアコンクリーナーを使わず、フロントパネルやフィルターだけを掃除し、後はプロに任せるといった方法もよいだろう。