目次
1. 石鹸カスとは?種類や落ちにくい理由、放置するリスクを解説

まずは石鹸カスの基礎知識を解説する。金属石鹸と酸性石鹸、二次石鹸などの種類と、落ちにくい理由を紹介しよう。
金属石鹸
代表的な石鹸カスは「金属石鹸」。浴室で見かけることが多く、白い粉末状が特徴だ。これは、石鹸が水道水のカルシウムやマグネシウムに反応し、脂肪酸カルシウム、脂肪酸マグネシウムなどに変化したものである。水に溶けないので、シャワーなどで洗い流しても落とせない。
酸性石鹸
灰または黒っぽく、ベタベタとした粘着系の汚れがあったとしたら、それは「酸性石鹸」と考えていいだろう。石鹸と皮脂汚れなどが結びついたものがその正体だ。汚れに対して石鹸の量が不足した場合に、お風呂場などに発生する。
二次石鹸と呼ばれる石鹸カスもある
金属石鹸や酸性石鹸のほかに、キッチンの排水口や排水管などによくできてしまう石鹸カスもあるので知っておこう。これは、食器を水で洗い流したときの油分と石鹸の成分が反応することで生じる「二次石鹸」だ。
石鹸カスが落ちにくい理由と放置するリスク
石鹸カスはこうした複数の成分が結びついてできているので、普段の簡単な掃除では思うように落ちてくれない。放置すれば、より強固で手ごわい汚れとなってさらに落としにくくなるだけでなく、雑菌が増殖しカビなどの温床になることもある。気づいたらキレイに掃除し、清潔に保っておくことが大切だ。
2. 石鹸カスを落とすのに効果的な洗剤は?

石鹸カスは種類によって有効な洗剤が違うので、上手に使い分けよう。基本の選び方とおすすめの洗剤を紹介する。
金属石鹸には酸性の、酸性石鹸にはアルカリ性のアイテムを使うのが鉄則
アルカリ性の汚れには酸性の、酸性の汚れにはアルカリ性のアイテムを使うのが鉄則だ。汚れを中和することで効率よく落とせる。金属石鹸はアルカリ性なので酸性の洗剤、酸性石鹸は酸性なのでアルカリ性の洗剤を選ぼう。
クエン酸(酢)
クエン酸は柑橘系の果物や梅干しなどに含まれる成分。口に入れても安全なのでキッチンでも使いやすい。酸性の性質があり、アルカリ性の金属石鹸に効果的だ。においというデメリットはあるが、酢でもクエン酸と同様の効果が期待できる。
重曹
人体に無害な成分で、クエン酸と同じくナチュラルクリーニングで活躍する。弱アルカリ性の性質があるため酸性の酸性石鹸を落とすことができ、さらに粒子が細かく研磨作用があるのが特徴だ。クエン酸と使い分けることで、効率よく石鹸カスを落とせるだろう。
クレンザー
クレンザーとは研磨剤成分を配合した洗剤の総称だ。強い研磨作用があり、石鹸カスを削って落とせる。クエン酸や重曹で落ちない頑固な石鹸カスにも有効だ。ちなみに、粒子が細かく優しく磨けるクリームタイプと、粒子が荒く研磨作用が強力な粉末タイプに分かれる。
石鹸カスの掃除に特化した洗剤はある?
石鹸カスを徹底的に除去したいなら、専用の洗剤がおすすめだ。スプレーや液体などいろいろなタイプがあるので、使いやすい商品を選ぼう。
3. 石鹸カスの落とし方|金属石鹸

まずはアルカリ性の金属石鹸を落とす方法を説明する。落とし方のコツと併せて紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
用意するもの
- 酸性洗剤(クエン酸スプレー)
- スポンジやブラシ
- ゴム手袋
洗剤を使いたくない場合は、スプレーボトルにクエン酸と水を1:1で混ぜ、石鹸カスに吹きつけてもいい。また、スポンジの代わりにメラミンスポンジを用意すると、石鹸カスを効率よく落とせる。
金属石鹸の落とし方
スプレー式のものは石鹸カスに直接吹きつけ、液状のものならキッチンペーパーに染み込ませてから石鹸カスに押しつける。しばらく放置していると中和された汚れが浮き上がってくるので、スポンジやブラシでこすり、流水で十分洗い流そう。
クエン酸は洗剤と比較して洗浄力が劣るため、長めに放置するのがポイントだ。ただし、ステンレスシンクや水栓金具など金属部分に残るとサビの原因になる。キッチンなどにクエン酸を使用する場合は、念入りに洗い流してほしい。
クエン酸は洗剤と比較して洗浄力が劣るため、長めに放置するのがポイントだ。ただし、ステンレスシンクや水栓金具など金属部分に残るとサビの原因になる。キッチンなどにクエン酸を使用する場合は、念入りに洗い流してほしい。
4. 石鹸カスの落とし方|酸性石鹸

次は酸性の酸性石鹸の落とし方を解説。用意するものと手順をチェックしよう。
用意するもの
- アルカリ性洗剤(重曹)
- スポンジやブラシ
- ゴム手袋
重曹は水に溶かしてスプレーボトルに入れるか、そのまま使おう。粉のまま使用すれば、重曹がもつ研磨作用により、頑固な石鹸カスを効率よく落とせる。
酸性石鹸の落とし方
アルカリ性洗剤を石鹸カスに直接なじませ、スポンジでこすって水を流せばおおかた落とせるだろう。重曹を洗剤代わりに使ってもいい。重曹を粉のまま石鹸カスになじませたら、スポンジやブラシでこすって洗い流すだけだ。
5. それでも取れない頑固な石鹸カスの落とし方

蓄積された頑固な石鹸カスは落としにくい。クレンザーや重曹の研磨作用を利用した落とし方を紹介する。
クレンザーや重曹で削る方法がある
時間が経って強固で手ごわくなった石鹸カス、とりわけ金属石鹸は、一度で落としきれないことも珍しくない。そんなときは、クレンザーなど研磨剤入りの洗剤で磨き、石鹸カスをキレイにしていこう。頑固な石鹸カスを削り取ることでキレイに落とせる。ただし、クレンザーは材質によっては使えないことがあるので、あらかじめ説明を確認してこう。
6. 石鹸カスの落とし方で注意すべき点とは

石鹸カスを落とすときの注意点をまとめた。トラブルを避けるために、あらかじめチェックしておこう。
酸性洗剤とアルカリ性洗剤(塩素系)は混ぜない
酸性洗剤と塩素系アルカリ性洗剤を一緒に使ってはいけない。有害なガスが発生する危険性が高いためだ。洗剤以外では、酢やレモンなども酸性なので注意。キッチンの石鹸カスを落とすときは、塩素系アルカリ性洗剤と混ざらないよう気をつける。
同じ場所で同時に使うことを控えるのはもちろん、窓をあけたり換気扇を回したりして、通気性のいい環境で石鹸カスを掃除するようにしたい。なお、塩素系でなくても、アルカリ性洗剤と酸性洗剤を混ぜると中和されて効果が弱くなるので、一緒に使わないようにしよう。
同じ場所で同時に使うことを控えるのはもちろん、窓をあけたり換気扇を回したりして、通気性のいい環境で石鹸カスを掃除するようにしたい。なお、塩素系でなくても、アルカリ性洗剤と酸性洗剤を混ぜると中和されて効果が弱くなるので、一緒に使わないようにしよう。
大理石に重曹やクエン酸を使ってはいけない
浴室や洗面台には大理石が使用されていることがある。重曹やクエン酸、酢を使って石鹸カスを掃除すると、表面の光沢が失われる可能性があるため注意。さらに強く擦るとキズがつくので、大理石の部分に使ってはいけない。
アルミや銅などの素材に重曹を使ってはいけない
アルミや銅に重曹を使うと黒く変色してしまう。重曹を使って石鹸カスを掃除するのは避けて、対応する洗剤を用意することが重要だ。
7. 石鹸カスを蓄積させないためのポイント

掃除の手間を軽減したいなら、日頃からの対策が必要になる。石鹸カスの蓄積を防ぐポイントは以下の通りだ。
毎日のこまめなお手入れが予防につながる
石鹸カスを完全に防ぐことは難しいが、溜まってしまうと落とすのが面倒なだけでなく衛生的にもよくない。石鹸カスが発生しにくくなるように、普段からひと手間を加えることが重要だ。石鹸と水道水が反応して石鹸カスになる前に落としておこう。
石鹸やシャンプーの泡は残らないようにしっかりと流す。浴室や洗面器、シンクなど石鹸カスが発生しやすい場所は、使い終わったらスポンジやブラシでこすり、十分洗い流しておこう。これだけでも石鹸カスを抑えられるはずだ。
石鹸やシャンプーの泡は残らないようにしっかりと流す。浴室や洗面器、シンクなど石鹸カスが発生しやすい場所は、使い終わったらスポンジやブラシでこすり、十分洗い流しておこう。これだけでも石鹸カスを抑えられるはずだ。
8. 石鹸カスの掃除におすすめの洗剤3選

石鹸カスの掃除に役立つおすすめの洗剤を3つに厳選した。それぞれの特徴を紹介するので、選ぶときの参考にしてほしい。
茂木和哉「水垢洗剤」
水垢や金属石鹸などアルカリ性の汚れに高い効果を発揮する。さらに研磨作用で頑固な水垢を削って落とすことが可能だ。浴槽や洗面所、キッチンなど水回りの掃除に活躍するだろう。
SCジョンソン「スクラビングバブル 石鹸カスに強い バスクリーナー」
石鹸カスを99.9%を除去するスプレータイプの洗剤だ。吹きかければ泡が浸透するので、あとは擦るだけで頑固な石鹸カスがすっきりと落ちる。香りは爽やかなシトラスだ。
KINCHO「お風呂用ティンクル すすぎ節水タイプW」
お酢の成分である「酢酸」で石鹸カスや水垢を除去する。さらに黒カビやピンクぬめりの原因になる菌を除菌できるので、カビ対策にもおすすめだ。泡切れがよくすすぎが早く終わるため、少ない水でキレイに流せる。
9. 石鹸カスは早めの掃除と蓄積させない心がけが肝心

石鹸カスは「金属石鹸」と「酸性石鹸」に分かれる。アルカリ性の金属石鹸には酸性の洗剤、酸性の酸性石鹸にはアルカリ性の洗剤が有効だ。クエン酸(酢)や重曹、クレンザーを上手に使い分ければ、石鹸カスはキレイに落とせる。
また、石鹸カスは蓄積させないことが重要なので、発見したらすぐに落とそう。石鹸やシャンプーをしっかりと流す、スポンジなどで軽く掃除をするといった方法で予防できる。掃除の手間を減らすための手入れを習慣にしよう。
また、石鹸カスは蓄積させないことが重要なので、発見したらすぐに落とそう。石鹸やシャンプーをしっかりと流す、スポンジなどで軽く掃除をするといった方法で予防できる。掃除の手間を減らすための手入れを習慣にしよう。
結論
石鹸カスをキレイに除去するには洗剤選びが重要だ。汚れを中和できる性質の洗剤を使い、それでも落ちないなら研磨作用があるクレンザーを使用する。酸性洗剤とアルカリ性洗剤を混ぜないなど、注意点と併せてチェックしておこう。石鹸カスの掃除におすすめの洗剤も紹介したので、水回りの掃除に役立ててほしい。