1. 換気扇のフィルター掃除が必要な理由

換気扇周りを掃除することはあっても、フィルターは放置してしまっているというご家庭もあるのではないだろうか。換気扇フィルターも掃除が必要な部分だが、放置するとどうなるかを解説していこう。
換気扇やフィルターがベタベタになる理由
換気扇は、料理の際に出るにおいや煙を吸う。この煙が、実はただの湯気ではなく、水と油が混ざって蒸気化した「油煙(ゆえん)」なのである。さらに、油は空気中のホコリを吸着するため、黒い頑固なベタベタ汚れとなって、換気扇のフィルターに蓄積されていくのだ。
換気機能が落ちる!
換気扇の掃除をせずに放置すると、フィルターが詰まり、換気機能が落ちてしまう。換気扇を回しても効きが悪くなるため、嫌なにおいや湿気によるカビの発生原因となる。
電気代が余計にかかる!
換気扇の機能が落ちて効きが悪くなると、より強い設定で換気扇を使用することになり、電気代が余計にかかる可能性がある。
換気扇の故障につながる!
油汚れが換気扇の奥に入り込んでしまうと、内部の金属が腐食して故障する可能性がある。火災の原因にもなり、非常に危険だ。
2. 換気扇フィルターの外し方

ご家庭の換気扇が「プロペラファン」か「レンジフード」かによって、フィルターの外し方が異なる。ここでは、換気扇フィルターの外し方を解説していく。ただし、基本的には取扱説明書に従うようにしよう。
プロペラファンとレンジフードの違い
キッチンの換気扇というと、一般的にはプロペラファンを指している。外壁と面した壁にはめ込むように設置し、回転するプロペラ型のファンで空気を屋外へと排出する仕組みだ。
レンジフードはシロッコファンとも呼ばれ、コンロの上部にあるファンをフードで覆っている。そこへ油煙を集め、ダクトを通して屋外へと排出する仕組みだ。外壁に面していない場所にも設置ができるため、戸建てや集合住宅を問わず、現在の主流となっている。レンジフードは、さらに「深型」「整流板付」「浅型」の3種類にわけられ、フィルターの外し方もそれぞれに違う。
レンジフードはシロッコファンとも呼ばれ、コンロの上部にあるファンをフードで覆っている。そこへ油煙を集め、ダクトを通して屋外へと排出する仕組みだ。外壁に面していない場所にも設置ができるため、戸建てや集合住宅を問わず、現在の主流となっている。レンジフードは、さらに「深型」「整流板付」「浅型」の3種類にわけられ、フィルターの外し方もそれぞれに違う。
深型の換気扇フィルターの外し方
深型は、換気扇の前面にフィルターがあるタイプ。深型の換気扇フィルターは、取っ手がついていることが多い。この取っ手を持ち、上にずらして外すことができる。
整流板付の換気扇フィルターの外し方
整流板付の換気扇は、本体の下部を整流板と呼ばれる板で覆っているタイプ。フィルターを外す前に、整流板を外す必要がある。整流板は、レンジフードの両端にあるストッパー、またはネジをゆるめて外す。フィルターは、深型と同様に、取っ手を上へ持ち上げて外すことができる。
浅型の換気扇フィルターの外し方
浅型の換気扇は、本体の下にフィルターがついているタイプ。浅型の換気扇フィルターは、ネジでとめられていることが多い。ネジをゆるめると、取り外せる。
プロペラタイプの換気扇フィルターの外し方
プロペラタイプの換気扇フィルターはカバーと呼ばれることもある。このタイプの換気扇は、必ずしもフィルターがついているわけではない。フィルターがついている場合は、はめ込み式になっていることが多く、手前に引っ張ると外れる。
3. 換気扇フィルターの掃除方法

換気扇フィルターの油汚れを落とすには、アルカリ性洗剤が効果的だ。しかし、換気扇の手入れには中性洗剤が推奨されていることも多い。その理由と、それぞれの洗剤での掃除方法を解説していく。
アルカリ性と中性の違い
洗剤を選ぶときは、アルカリ性や中性、酸性といった性質について知っておくとよい。汚れを落とすには、反対の性質で中和することが重要なためである。油汚れは酸性であり、アルカリ性の洗剤や重曹などを使うのが効果的だ。中性洗剤は手肌にはやさしいぶん、頑固な汚れに対する洗浄力ではやや劣る。
なぜ換気扇掃除に中性洗剤が推奨されるのか
アルカリ性の方が酸性の油汚れに効果を発揮するにもかかわらず、中性洗剤が推奨されるのには理由がある。アルカリ性の洗剤や重曹などは、換気扇の金属を変質させることがあるのだ。ご家庭の換気扇の取扱説明書を確認してから洗剤を選ぶようにしよう。
アルカリ性洗剤を使った換気扇フィルター掃除
1.換気扇からフィルターを取り外す
2.ゴミ袋などの容器に40〜50度のお湯をはり、アルカリ性洗剤を入れる
3.フィルターを40〜60分ほどつけおきをする
4.古い歯ブラシやスポンジなどで汚れをこすり落とす
5.洗い流して乾燥させ、もとに戻す
2.ゴミ袋などの容器に40〜50度のお湯をはり、アルカリ性洗剤を入れる
3.フィルターを40〜60分ほどつけおきをする
4.古い歯ブラシやスポンジなどで汚れをこすり落とす
5.洗い流して乾燥させ、もとに戻す
重曹を使った換気扇フィルター掃除
1.換気扇からフィルターを取り外す
2.重曹の粉末をフィルターにふりかける(水などで濡らさない)
3.3時間ほどおく
4.古い歯ブラシなどで汚れをこすり落とす
5.ぬるま湯で洗い流して乾燥させ、もとに戻す
2.重曹の粉末をフィルターにふりかける(水などで濡らさない)
3.3時間ほどおく
4.古い歯ブラシなどで汚れをこすり落とす
5.ぬるま湯で洗い流して乾燥させ、もとに戻す
中性洗剤を使った換気扇フィルター掃除
1.換気扇からフィルターを取り外す
2.ゴミ袋などの容器に、中性洗剤を入れた40度ほどのお湯をはる
3.フィルターを2〜3時間つけおきする
4.汚れが残っている場合はスポンジや歯ブラシでこすり落とす
5.洗剤を洗い流して乾燥させ、もとに戻す
2.ゴミ袋などの容器に、中性洗剤を入れた40度ほどのお湯をはる
3.フィルターを2〜3時間つけおきする
4.汚れが残っている場合はスポンジや歯ブラシでこすり落とす
5.洗剤を洗い流して乾燥させ、もとに戻す
4. 換気扇のフィルター掃除を楽にするコツ

換気扇のフィルター掃除を楽にするコツは、普段から汚れを防ぐこと。フィルターカバーを活用しよう。商品名がフィルターとなっていることもあるが、換気扇のパーツと混同しないよう、ここではフィルターカバーで統一する。
フィルターカバーで掃除が楽になる?
フィルターカバーは、油汚れを吸着する。換気扇のフィルターに直接汚れがつくのを防いでくれるのだ。フィルターカバーは、汚れたら交換するだけでよい。こまめに取り替えておけば、換気扇が汚れにくくなり、掃除が楽になる。いまは100均でも手軽に購入できるため、ぜひ取り入れておきたいアイテムだ。
フィルターカバーの種類
一口にフィルターカバーといっても、一般的な不織布や、ガラス繊維など、さまざまな商品が販売されている。磁石やテープで貼るだけのものや、取り外したフィルターを覆うようにかぶせるものなど、取り付け方法も1つだけではない。種類を選ぶときは深型や浅型、サイズなど、ご家庭の換気扇に対応している商品かどうかをチェックしておこう。
フィルターカバーを交換するタイミング
一般的な不織布の換気扇フィルターカバーの交換は、1〜2ヶ月程度が目安とされている。ガラス繊維のフィルターカバーであれば、3ヶ月程度を目安にしよう。ただしいずれも目安のため、見た目にも油汚れが目立つようになったタイミングで交換するのが望ましい。
結論
換気扇のフィルターは、料理の際に出る油煙やホコリで汚れが蓄積していく。放置していると換気機能が落ち、効きが悪くなったり、故障や火災などの原因にもつながる。定期的に掃除をしておきたい。また、普段からフィルターカバーをつけておくと、汚れを防いでくれるため、掃除が楽になる。ぜひ取り入れてみよう。