1. エアコンがカビだらけだと健康面にリスクはある?
エアコンがカビだらけになると健康被害が心配だ。エアコンに発生するカビの種類と、病気のリスクについて解説しよう。
エアコンに発生するカビの種類
カビの種類はさまざまだが、注意したいのはホコリを好む「アスペルギルス・フミガータス」や、湿気を好む「トリコスポロン」だ。とくにアスペルギルス・フミガータスはエアコンに発生しやすく感染力が高い。エアコンの内部や吹き出し口などに黒く変色しているときは、このカビが繁殖していると考えられる。放置すると危険なカビ菌がエアコンの風にのって部屋中に広がるので、早めの対処が必要だ。
健康面のリスクが生じる
エアコンから放出されたカビの胞子を大量に吸うと、感染症や呼吸器のアレルギーを引き起こす可能性がある(※1)。また、トリコスポロンが原因の「夏型過敏性肺炎」はエアコンの使い始めに発症しやすく、咳や発熱といった夏風邪に近い症状が出る(※2)。健康に悪影響を及ぼさないためにも、エアコンにカビが生えないようこまめな掃除を心がけよう。
2. エアコンにカビが発生する原因
エアコンにカビが発生する3つの原因を解説しよう。「温度」「湿度」「栄養源」に分けてそれぞれチェックする。
温度
カビが発生しやすい温度は「20~30度」とされている。これは人が過ごしやすい温度でもあり、室温も20~30度ほどになることが多い。雨が多い梅雨や9月~10月はカビの発生に適した温度と湿度になりやすいので、とくに注意が必要だ。
湿度
エアコンの内部に湿気がたまるとカビが繁殖する。冷房や除湿運転(ドライ)の後には内部に結露が発生するので、注意が必要だ。湿度が高く冷房を使用する夏場は十分な対策しよう。
汚れ
エアコンにたまるホコリや汚れはカビの栄養源だ。エアコン内部にゴミやホコリが入らないようにするフィルターは、とくに汚れやすい。キッチンの油汚れやタバコの煙を吸い込むとさらに汚れやすいので、小まめな掃除が必要だ。
3. エアコンのカビを自分で掃除する方法
エアコンのフィルターや送風口に発生したカビなら、自分でも掃除できる。フィルターと送風口の掃除方法を紹介しよう。
フィルターの掃除方法
フィルターの掃除には薄めた中性洗剤を使用する。カビに有効なカビキラーだが、故障の原因になるので使用できない。パネルは両側にあるくぼみに手をかけて開けるケースが多い。
- 前面パネルを開けてフィルターを引き出す
- 掃除機で表側からホコリを吸い取る
- 中性洗剤を溶かした裏側からぬるま湯で優しく洗う
- 水気を切ったら日陰で乾燥させる
- 完全に乾燥したのを確認したらエアコンに取り付ける
自動お掃除機能が付いた機種は掃除する必要はないが、カビが生えている場合は取り外して手入れをしよう。また、ダストボックスに汚れやホコリがたまるので、こちらを一緒にキレイにしてほしい。
送風口の掃除方法
エアコンの送風口はルーバーを開いてから掃除をする。ルーバーの開き方はメーカーや機種によって異なるので、説明書や公式ホームページで確認しておこう。お手入れ用の機能があるときは活用する。
基本的に水洗いはできないので柔らかい布で乾拭きをする。カビや汚れが気になるときは、水やぬるま湯を含ませた布をよく絞ってから使おう。故障の原因になるので目に見えない部分の掃除は避けてほしい。
基本的に水洗いはできないので柔らかい布で乾拭きをする。カビや汚れが気になるときは、水やぬるま湯を含ませた布をよく絞ってから使おう。故障の原因になるので目に見えない部分の掃除は避けてほしい。
4. エアコンのカビ掃除にスプレーが使える?
エアコンの内部にカビが発生すると掃除は難しい。吹きかけるだけで使えるエアコン洗浄用スプレーで、カビ掃除ができるのか解説しよう。
スプレーの使用は避ける
多くのメーカーではエアコン洗浄スプレーの使用を推奨していない。エアコンの内部を掃除するには専門的な知識が必要だ。エアコン洗浄スプレーを使うと、部品にかかったり内部に洗浄液が残ったりするリスクがある。エアコンの故障や発火などの事故が発生する危険があるので、使用は避けてほしい。
メーカーや業者に依頼する
業者やメーカーにエアコンクリーニングを依頼すれば、分解して隅々までキレイにしてくれる。エアコンスプレーでは届かない内部のカビまで、スッキリと除去できるだろう。カビによる健康被害の防止はもちろん、エアコンの運転効率がよくなり電気代の節約にもつながる。
5. エアコンのカビ防止のコツ
日頃から気を付けていればエアコンのカビは予防できる。簡単に実践できる3つの方法を紹介しよう。
小まめに掃除をする
汚れやすいフィルターを小まめに掃除すれば、カビの栄養源を減らせる。冷房や暖房をよく使用する季節なら、2週間に1回ほど掃除をするのが理想的だ。忙しくても1カ月に1回のお手入れを目安にしよう。自動で掃除する機能が付いた機種なら、掃除をしなくてもキレイに保ちやすい。
内部を乾燥させる
エアコンで冷房やドライ運転をした後に発生する湿気は、送風運転で乾燥させよう。「内部クリーン機能」は送風や暖房で乾燥させる機能なので、ぜひ活用してほしい。運転後に自動で開始する「自動」に設定しておけば効果的だ。内部クリーン機能がない機種なら、1~2時間ほど送風運転をしよう。
使い始めは換気をする
エアコンを久しぶりに使うときは嫌なにおいが発生しやすい。たまったホコリやカビが放出するので、使い始めは10分ほど窓を開けて運転しよう。また、換気をして湿度を下げることは部屋のカビ防止にも役立つ。暖房を使用するときに発生しやすい結露対策としてもおすすめだ。
結論
エアコンにカビが発生していると、部屋中に広がって吸い込んでしまう。感染症やアレルギーの原因になるので、早めの対処と予防が重要だ。カビのにおいがしたときは、まずフィルターや送風口を掃除しよう。エアコンの内部は自分だと掃除が難しいので、業者への依頼を検討してほしい。また、小まめに掃除をする、内部を乾燥させるなど、対策を実践することでカビを予防できる。
(参考)
※1:「白金いびき・内科クリニック」
http://ibiki.clinic/blog/?p=5575
※2:「荒尾市民病院」
https://www.hospital.arao.kumamoto.jp/health/health_talk/health_talk48.html
※1:「白金いびき・内科クリニック」
http://ibiki.clinic/blog/?p=5575
※2:「荒尾市民病院」
https://www.hospital.arao.kumamoto.jp/health/health_talk/health_talk48.html