1. パソコンを間違った捨て方をするとどうなる?
パソコンの捨て方を間違えるとトラブルにつながる。どのようなリスクがあるのか、あらかじめ確認しておこう。
条例に違反する
パソコンは資源を有効活用する「資源有効利用促進法(※1)」の対象だ。メーカーによる回収とリサイクルが義務付けられている。正しい捨て方を守らないと不法投棄となるため、法令違反だ。5年以下の懲役や1,000万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられることがある。
個人情報が漏洩する
パソコンのストレージには多くの情報が記録されている。データを消去せずそのまま捨てると、個人情報が漏洩する可能性があるので注意。一般的な削除やアンインストールでは完全に削除できないため、あとから復元が可能だ。捨て方とあわせて、正しいデータの消去方法を確認しておこう。
2. パソコンの正しい捨て方
パソコンの正しい捨て方をまとめた。6つの方法を確認して、自分にあった捨て方を見つけてほしい。
自治体の回収ボックスを活用する
パソコンは「小型家電リサイクル法」の対象品目だ。そのため多くの自治体ではパソコンの回収を行っている。回収方法や場所は「小型家電リサイクル・回収ポータルサイト(※2)」で確認しよう。
回収ボックスなら無料で回収してもらえるが、パソコンのサイズによっては入らないことがある。ノートパソコンやディスプレイなどの処分が主になるだろう。投入口の大きさを事前にチェックしておくと安心だ。
家電量販店に下取りしてもらう
新しいパソコンを購入する場合は、古いパソコンを下取りにだそう。サービスを実施している店舗は多く、新しく状態がいいパソコンなら買い取りや値引きが期待できる。
値段がつかない古いパソコンでも、無料で処分してもらえるケースがあるので問い合わせてみるといい。パソコンを購入しなくても回収してくれる家電量販店もあるため、あわせて確認しておこう。
パソコンメーカーに回収してもらう
所有しているパソコンのメーカーに回収してもらう捨て方だ。「PCリサイクルマーク」がついたパソコンなら、無料で引き取ってもらえる。公式サイトや電話で申し込むと伝票が届くので、梱包して発送するだけでOKだ。
詳しい方法はメーカーの公式サイトや問い合わせで確認しよう。なお、PCリサイクルマークがついていなくても引き取りは可能だが、料金が必要だ。
リユース企業を利用する
「リネットジャパン」や「ライズマーク」など、リユース企業の宅配回収を活用する。パソコンメーカーの回収と違い、自作のパソコンでも無料で回収してもらえる捨て方だ。業者によっては、PCリサイクルマークがついていない古いパソコンの無料回収にも対応している。
フリマやオークションに出品する
まだ使用できるパソコンなら、フリマやオークションに出品してもいい。自分で値段を決めることができ、思わぬ高額買取が期待できる可能性がある。
ただし、個人の間での取り引きになるため、トラブルが発生することがある。データを完全に消去する、事前に基礎知識や流れを確認しておくといった対策が必要だ。
3. パソコンを処分する際のデータ消去方法
捨て方の基礎知識として、データの移行と消去方法を解説する。個人情報の漏洩を防ぐため、正しい捨て方で処分する前に必ず実践しよう。
データを移行する方法
データを移行する主な方法は3つだ。1つ目はUSBメモリや外付けHDDなどの、外付けストレージを使用する方法。ファイルを選択して移すため作業が面倒で、ソフトウェアやネットワーク設定は移行できない。
2つ目はWindowsやMacの転送ツールを使用する方法で、公式サイトから使い方を確認できる。ただし、Windows版は、バージョンによって互換性がないケースがあるので気をつけよう。
3つ目は専用のソフトウェアを使用する方法だ。有料のソフトウェアは、簡単にデータを移行できる多機能なものが多い。個人設定やソフトウェアなど、ほとんどのデータをまるごと移行できるのがメリットだ。
データを消去する方法
パソコンが正常に起動する場合
パソコンが正常に起動するなら専用のソフトウェアを活用する。データ消去用のツールが入っていない場合は、フリーや有料のものをダウンロードしよう。その他にはデータ消去サービスを利用する方法もある。
パソコンが正常に起動しない場合
パソコンが起動しない場合はハードディスクを物理的に壊そう。パソコンを分解してから、工具などを使用して確実に破壊する。分解や破壊が難しいなら、壊れたパソコンに対応したデータ消去サービスを活用してほしい。
結論
パソコンは資源有効利用促進法の対象なので、ゴミとしては処分できない。回収ボックスを活用する、パソコンメーカーに回収してもらうなど、正しい捨て方を確認しておこう。そのまま捨てると情報漏洩のリスクがあるため、必ずデータを消去する。削除やアンインストールではデータが残るので、ソフトウェアを使用したり物理的に壊したりといった方法で消去してほしい。
(参考文献)
※1:経済産業省 「資源有効利用促進法」
※2:環境省「小型家電リサイクル・回収ポータルサイト」