目次
1. 灯油の絶対やってはいけない捨て方

灯油は正しく処分しないと、火災や事故などのトラブルにつながるおそれがある。「特別管理産業廃棄物」にも指定されており、一般的な家庭ごみのように安易に捨てるわけにはいかない。(※1)まずは灯油の間違った捨て方から解説しよう。
トイレなどに流す
下水管の中で灯油が爆発するおそれがあるため、トイレなどから下水に灯油を流してはいけない。万が一爆発させた場合は修理費がかかるため、損害賠償を請求されてしまう。また、河川に流すのも当然よくない。生態系に悪影響を与えてしまうためだ。罪に問われ、高額な灯油の除去費用を請求される。
土の中に埋める
灯油を土に埋めて処分するという情報を目にすることがあるかもしれないが、間違いである。生態系や土壌汚染につながるため、灯油は土に埋めてはいけない。
凝固剤を使う
凝固剤は、通常温めた油に入れて使用する。常温の灯油は、凝固剤では固まらない。また、灯油は加熱すると燃えやすいため、温めると火事につながる。
燃やして処分する
灯油は40度以上が引火点であり、燃えやすい。紙に灯油を含ませて火をつけると、揮発した蒸気に火がつくおそれがある。火事につながるため非常に危険だ。灯油の側で火を使うのも避けよう。
2. 少量の灯油の捨て方

上記で解説した間違った捨て方は、絶対に避けてほしい。ここからは、残った灯油の量に応じた正しい捨て方を解説する。まずは少量の灯油の捨て方から見ていこう。
可燃ごみとして出す
残った灯油がごく少量であれば、タオルのような布や新聞紙に染み込ませ、可燃ごみとして出せる自治体もある。自治体によって異なるため、お住まいの地域のルールに従おう。
暖房器具に入れて消費する
暖房器具に入れて使い切るのもおすすめだ。給油のサインが出ても、自動的に消えるまで運転を続ける。一度消えた後も、運転できなくなるまで数回オンにしよう。暖かくなれば暖房は不要かもしれないが、部屋干しした洗濯物の乾燥に役立てるなど、有効活用するとよい。
3. 大量の灯油の捨て方

思いのほか早く暖かくなり、灯油が大量に残ってしまうケースもあるだろう。ここでは、大量の灯油の捨て方を解説する。
ガソリンスタンドに持って行く
ガソリンスタンドに持ち込むと処分してもらえる。ただし、店舗によっては引き取りを行っていないこともあるため、事前に確認してから持ち込むとよい。
販売店で回収してもらう
灯油はホームセンターでも販売されている。購入した店舗に灯油の回収を依頼するとよい。ガソリンスタンドと同様、事前に電話で確認を取っておくと確実だ。
不用品回収業者に依頼する
大量の灯油はかなりの重さになる。運ぶのが難しい、回収してくれるガソリンスタンドや店舗が近場にない場合は、不用品回収業者へ依頼する方法がおすすめだ。自宅まで回収に来てくれるため、手軽な捨て方となっている。灯油以外にも処分したいものがあれば、併せて回収してもらえる点も魅力だ。
欲しい人に譲る
自宅では不要になった灯油も、まだ必要としている人はいるかもしれない。欲しい人がいれば、譲ってしまおう。捨てる手間がなく、もらう側も無料で灯油が手に入るため双方にメリットがある。
4. 灯油の捨て方に関する疑問を解消

灯油を処分する際、以下のような疑問を持つことがあるかもしれない。捨て方に関する疑問も解消しておこう。
処分中に灯油をこぼした場合は?
灯油を処分している最中にこぼしてしまった場合、引火する危険があるほか、床ににおいが残ってしまう。こぼした場所に応じて対処する必要がある。絨毯にこぼした灯油は、新聞紙や乾いた布を被せて上から叩き、風通しのよい場所で乾かそう。玄関であれば小麦粉に吸わせてほうきで掃く、中性洗剤で洗い流す、除光液で拭き取るなどの方法がある。フローリングは絨毯と同様の方法で掃除しよう。最後にワックスを塗り直すとよい。
古い灯油を使ってもいい?
昨シーズンに余った灯油など、古くなったものは劣化しているため使えない。昨シーズンのものでなくても、灯油を透明な入れ物に移し、水と比較して少しでも色が付いているようであれば使えないサインと考えよう。
結論
寒い冬の間に灯油を使いきれず、余らせてしまうことは少なくない。しかし、灯油は長期間保存すると劣化するため、次のシーズンには使えなくなってしまう。間違った捨て方では事故や火事につながるおそれもあるため注意が必要だ。正しい捨て方で適切に処分しよう。
(参考文献)
※1出典:環境省「環境省_特別管理廃棄物規制の概要」