目次
- スポンジに台所用の中性洗剤を数滴ほど垂らす
- ペンキが付いた部分に押し当てる
- 軽く叩きながら繊維に入り込んだペンキをかき出す
- ペンキが薄くなったら水洗いをして、洗濯機に入れてまわす
- ペンキが付着した部分に布を当てる
- 除光液を別の布に染み込ませる
- 裏側から除光液を含ませた布でペンキが付着した部分を叩く
- 手順1の布に色が移ったら水やぬるま湯で洗い流し、洗濯機に入れてまわす
- 蛇口の流水でペンキが付着した部分を洗い流す
- 洗面器や洗面ボウルにぬるま湯をはって30分ほど浸す
- 揉み洗いして残ったペンキを落としたら洗濯機に入れてまわす
- 布に洗濯用の洗剤を染み込ませる
- ペンキが付いた部分の下に手順1とは別の布を敷く
- 洗剤を染み込ませた布をペンキが付いた部分に押し付ける
- ぬるま湯に入れて軽くつまみ洗いする
- ペンキが付いた部分の下に新しい布を敷いて、洗濯洗剤を付けた歯ブラシで優しく擦る
- 洗濯機に入れてまわす
- ペンキが付いた部分にスティックのりをたっぷり塗る
- 完全に乾くのを待つ
- 乾いて固くなった部分を擦ってのりを落とす
1. ペンキの種類

ペンキの種類は主に水性と油性に分かれる。それぞれ効果的な落とし方が異なるため、基本的な知識をチェックしておこう。
油性ペンキ
シンナーなどの有機溶剤を含むのが油性ペンキの特徴だ。密着性に優れており、耐久性の高い塗膜を作ることができる。乾燥が早く素材を選ばずに塗装ができるのがメリットだが、落とすのが難しいので注意しよう。
水性ペンキ
水を溶媒とするタイプのペンキで、有機溶剤が含まれていない。耐久性が低いが、においがあまりしないので扱いやすく、安全で環境に優しいのが特徴だ。乾燥しても、正しい落とし方を実践すれば落とせる可能性が高い。
2. 服に付いたペンキの落とし方

服に付着したペンキの落とし方を、水性と油性に分けて紹介しよう。乾く前と乾いた後でも違うため、正しい方法をそれぞれ確認しておきたい。なお、衣服によっては不向きな落とし方もあるので、あらかじめ洗濯表示(※1)を確認しておくことが大事だ。
油性ペンキの落とし方
乾く前の場合
中性洗剤以外では、クレンジングオイルを使用する落とし方もある。ペンキが付いた部分に付けて手早くもみ、最後に洗い流せばOKだ。
乾いて時間がたった場合
除光液の代わりにペイント薄め液を使用してもよい。ただし、生地を傷める可能性があるので、落とし方を実践する前に目立たない場所でチェックしておこう。
水性ペンキの落とし方
乾く前の場合
つけ置きするときに洗濯用洗剤を入れておくとより効果的だ。ペンキの周りが固まっているときは、裏側から叩くように洗うとよい。
乾いて時間がたった場合
つまみ洗いでは指先で汚れた部分をつまんで擦る。熱に強い素材の衣服なら、お湯にひたしてから台所用洗剤を付けたスポンジで優しく叩く落とし方でもOKだ。
3. 服以外に付いたペンキの落とし方

付着したものによって適したペンキの落とし方は異なる。6つの落とし方を紹介するので、ぜひチェックしてほしい。
手に付いたペンキの落とし方
手に付いたのが水性のペンキなら、水やぬるま湯で洗い流すだけで十分だ。乾いていない油性ペンキの場合は、石鹸や台所用の中性洗剤を使用して洗う。
油性ペンキが乾いてしまったときは、布に染み込ませたペイント薄め液や除光液で優しく拭き取ってほしい。ただし、ペイント薄め液は刺激が強いため、肌が弱い方は使用を避けたほうがよいだろう。
コンクリート・木に付いたペンキの落とし方
乾く前のペンキなら、素早く拭き取ればある程度は落とせる。乾いてしまったときはペイント薄め液を活用しよう。一方でペイント薄め液を使用すると、コンクリートの下地が傷んだり木材にシミが残ったりする可能性があるので注意。コンクリートの場合、ヤスリで削ったあとモルタルを塗るという落とし方もある。
鉄に付いたペンキの落とし方
鉄に付いたペンキは、カーワックス(研磨剤なし)を使った落とし方がおすすめだ。それでも落ちない場合はシンナーを使用する。シンナーで拭いたあとカーワックス(研磨剤なし)を使って磨こう。
なお、ステンレスの場合は、シンナーを使用するとツヤが失われる可能性がある。ツヤを戻すために、仕上げとして研磨剤入りのワックスやコンパウンドで磨いてほしい。
プラスチック・ガラスに付いたペンキの落とし方
ツルツルしたプラスチックやガラスに付いたペンキは、すぐに拭き取ればキレイに落ちる。乾いてしまったなら、ペイント薄め液で溶かしてから拭き取ろう。
一方でプラスチックにペイント薄め液を使用すると、溶けてしまうことがある。プラスチックを消毒用アルコールに浸してから、ヘラでそげ落とす落とし方が有効だ。
壁・床に付いたペンキの落とし方
壁・床に付いたペンキには、シール剥がしスプレーを吹きかけるとよい。「リモネン」が含まれる商品を選ぶのが落とし方のポイントだ。
吹きかけてから一定時間放置して、柔らかくなったペンキをティッシュで拭き取る。それでも落ちない場合は、根気よく同じ作業を繰り返してほしい。
車に付いたペンキの落とし方
付いたペンキが少しなら、シリコンオフやコンパウンドを活用しよう。コンパウンドはまず荒削り用、その後に仕上げ用を使ってほしい。それでも落ちないペンキには、車用の除光液やラッカーシンナーを使った落とし方がおすすめだ。
ただし、車用の除光液やラッカーシンナーは強力なので、変色したり塗装が剥げたりする可能性がある。養生テープで周りを保護してから使用してほしい。車の塗装を傷めるリスクを避けたいなら、修理業者に依頼することも検討しよう。
4. スティックのりを使ったペンキの落とし方

身近にあるスティックのりでも、服に付いたペンキを落とすことが可能だ。ペンキに効果がある理由と落とし方を解説する。
スティックのりでペンキが落ちる理由
スティックのりに含まれる「ポリビニルアルコール(PVA)」には、油性成分を分解する働きがある。そのため油性のペンキに塗れば落としやすくなるわけだ。乾いた水性ペンキにも効果的なので、ぜひ試してみてほしい。
スティックのりの使い方
完全に乾いていないと効果がないので注意する。すぐに乾燥させたいなら、ドライヤーを使ってもよいだろう。のりを落とすとき強く擦りすぎると生地が傷むので、力を入れすぎないことが大事だ。
結論
ペンキの種類や状態によって適した落とし方は異なる。乾いていない水性のペンキなら、すぐに洗い流してぬるま湯に浸せばキレイに落ちるだろう。乾いた油性のペンキはとくに落としにくいので、適切な方法を実践することが大事だ。手や木、車などにペンキが付いたときの落とし方も紹介したので、ぜひ参考にしてほしい。スティックのりを使った裏技も、あわせて覚えておくとよいだろう。
(参考文献)
※1:消費者庁「洗濯表示(平成 28年12月1日以降)」