目次
- 1. 一人暮らしの電気代の平均は?
- 2. 一人暮らしの際に知っておきたい電気代の計算方法
- 3. 一人暮らしで電気代が高い原因
- 4. 一人暮らしの電気代を節約する方法
- 5. 自分に合った電力会社の選び方
- 基本料金
- 電力量料金
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
1. 一人暮らしの電気代の平均は?

電気代は、家族が多いよりも少ないほうが当然安くなる。では、一人暮らしの電気代の平均はどれくらいなのだろう。
一人暮らしの電気代の目安
総務省による「家計調査 家計収支編 単身世帯 」(※1)を見てみると、2022年4~6月の単身世帯の電気代は、1カ月当たり6,333円だ。夏や冬には冷暖房費がかかるので、月によって変動がある。年間の電気代では、約8万円が平均的な一人暮らしの電気代の目安といえる。
夏より冬のほうが高くなる
夏の暑い季節にクーラーを使って、電気代が上がったと嘆いている人もいるだろう。しかし、実際には冬のほうが暖房にかかる電気代は高くなる。冬のほうが夏よりも室温と外気の温度差が大きくなるためだ。冬は日照時間が短くなるため、照明器具を使う時間も長くなる。
地域によって差が出る
電気代は地域によって差が出る。発電所からの距離が近ければ、送電線の距離も短くなり、それだけ電気代も安くなる。気候風土にも影響される。温かい地域と寒い地域では、暖房器具を使う頻度や温度設定も大きく変わってくるため、電気代にも差が出てくる。
2. 一人暮らしの際に知っておきたい電気代の計算方法

電気代をできるだけ安くしたいなら、電気代の決め方や計算方法を知ることも大切だ。
電気代の決め方
電気代の請求書を見ると、次の3つの項目があることが分かる。
この3つの項目が合算されて電気代として請求される。
基本料金、料金プランで決められた料金。電気使用量にかかわらず一定額を支払う。
電力量料金は、使用した電気量に対する料金。
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、電力会社が再生可能エネルギーを購入するための費用だが、電気を利用する側が負担する。
消費電力をもとにした計算方法
電気代のほとんどを占めるのが家電製品だ。家電製品の使用でかかる電気代を知っておくと、節電のモチベーションも維持できる。家電の電気代は、消費電力によって求められる。
「1時間当たりの消費電力(kWh)×稼働時間(h)×電力量単価(円/kWh)=電気代」となる。
電力量単価を27円として、定格消費電力量が70Wのテレビを2時間使用すると
0.07kWh×2時間×27円=3.78円となる。
1カ月に換算すると、3.78円×30日=113.4円がテレビにかかる電気代になる。
電気消費量の多い家電
電化製品のなかで電気消費量の多い家電は以下の通りだ。
1位 冷蔵庫 14.2%
2位 照明器具 13.4%
3位 テレビ 8.9%
4位 エアコン 7.4%
5位 電気温水器 5.4%
6位 エコキュート 3.8%
3. 一人暮らしで電気代が高い原因

一人暮らしの平均的な電気代よりも、何だかずいぶん高いような気がする。そのようなときには、いくつかの原因が考えられる。
消費電力が高い古い家電を使用している?
一人暮らしの電気代が平均よりも高くなる原因として、古い家電を使用している可能性がある。エアコン、冷蔵庫など消費電力の大きな電化製品は、各メーカーとも省エネ技術が進歩している。10年以上エアコンや冷蔵庫を使い続けていることが原因で、電気代が高くなっているかもしれない。
漏電している
漏電していることで電気代が高くなっている可能性もある。一人暮らしなら、使う電気もそれほど変わらないはずだ。とくに心当たりがないのに、急に電気代が高くなった場合には、漏電を疑ってみよう。漏電は火災の原因になることもあるので、一度電気会社に尋ねたほうがいいだろう。
契約アンペア数が大きすぎる
電気を使用するときには、契約アンペアを決める必要がある。契約アンペアとは、同時に使える電気量のことで、容量が少ないとブレーカーが遮断されてしまう。では、契約アンペアは大きければ大きいほどいいかといえば、大きくなればそれだけ基本料金が高くなって、電気代も上がる。一人暮らしにとって、必要以上のアンペアを契約していないかチェックしてみよう。
電力会社やプランが適切でない
それほど電気を使っていないのに、電気代が平均よりも高い場合は、電力会社自体、あるいは契約プランを見直したほうがいいかもしれない。ただし、賃貸物件では、電力会社と家主との契約になっていることがほとんどだ。入居者が勝手に電力会社を替えられない。電力会社が自由に選べるなら、自分のライフスタイルに合ったプランを選ぶと電気代が安くなる可能性が高くなる。
4. 一人暮らしの電気代を節約する方法

一人暮らしでは、自分の意識を変えることで電気代の節約が比較的簡単にできる。節約する方法を紹介しよう。
エアコンの使い方を工夫する
エアコンは、設定温度を極端に上げたり下げたりしないこと。サーキュレーターを使うことで効率よく部屋を冷やしたり温めたりできる。節電には自動運転がおすすめだ。フィルターのこまめな掃除も忘れずにしよう。
冷蔵庫の使い方を工夫する
消費電力No.1の冷蔵庫は、節電効果があらわれやすい。まず、扉は開けたらすぐに閉めること。庫内にものを詰め込み過ぎないこと。そして料理を冷蔵庫に入れるときには、必ず冷めてから入れることだ。
洗濯機の使い方を工夫する
洗濯機は電気代とともに水道代も節約できる。洗濯物は、できるだけまとめ洗いをする洗濯物によって洗濯コースを使い分けることも大切だ。時短コースなどを使って、節電・節水しよう。
テレビの使い方を工夫する
テレビは寝るときや仕事に出かけるとき、リモコンのスイッチではなく、主電源を切っておく。待機電力を節約できる。ただし、予約録画をしているときには、この方法は使えない。
トイレの使い方を工夫する
トイレの便座に暖房を使っている場合、便座の温度は季節によってこまめに設定することで節電できる。使用後はトイレのふたを閉める習慣を付けよう。保温性が高まって節電になる。
照明の使い方を工夫する
照明は、使わないときには消す習慣を身に付けることで、かなりの節電になる。初期費用はかかるが、LED照明に替えることで、年間にするとかなりの節電になる。寿命もLED照明のほうがはるかに長い。
炊飯器の使い方を工夫する
一人暮らしなら、1回、1回炊飯器を使ってご飯を炊くよりも、一度に数食分を炊くほうが節電になる。1食分をラップにくるんで冷凍しておき、必要なときにレンジで解凍するほうが、美味しさも長持ちする。
5. 自分に合った電力会社の選び方

一人暮らしでは節電も大切だが、自分に合った電力会社を選んだほうが簡単に電気代を下げられるかもしれない。電力会社の選び方を紹介しよう。
プランで選ぶ
各電力会社からは、さまざまな料金プランが提案されている。まず、自分のライフスタイルに合わせて選ぶことだ。
1年の使用量にほとんど変動がない場合には、定額プラン。季節によって大きく変わる場合には、使用時間によって料金が変わるプランがおすすめだ。
割引で選ぶ
電気やガスをまとめて契約すると割引されるセット割りもある。セット割でどれくらいやすくなるのか、各社を比較検討してみよう。
縛りや違約金で選ぶ
じっくり検討して選んだ電気会社やプランでも、実際に使ってみたらイメージと違っていたこともあるだろう。そのようなとき、違約金や縛りのあるプランは避けたいものだ。前もって確認しておこう。
結論
一人暮らしの平均電気代は、年間7万5,996円。この平均を大きく上回るようなら、節電を検討したほうがいいだろう。電気代が高い原因として古い家電の使用、漏電、契約アンペアがある。上手に節電するためには、消費電力の高い家電の使い方を工夫することだ。電力会社やプランを検討することで、意外と簡単に電気代を節約できるかもしれない。
(参考文献)
※1出典:総務省 家計調査 家計収支編 単身世帯?