目次
1. 食器洗いで手荒れしてしまう理由

なぜ食器洗いで手荒れしてしまうのか原因を解説しよう。放置して悪化した場合のリスクとあわせて、詳しく紹介する。
皮膚のバリア機能が低下するため
食器洗いで手荒れをする主な原因はバリア機能の低下だ。皮膚の表面には、外部からの刺激を守るための角質の層(バリア機能)が備わっている。このバリア機能によって皮膚は潤いを保つことができ、乾燥や雑菌からも守られるわけだ。
しかし、食器洗いで水や洗剤を使用すると、水分が蒸発して皮脂も減少する。乾燥して肌を守るバリア機能が低下してしまい、さらにアレルゲンや刺激物質が皮膚に侵入して炎症を起こす。アトピー性皮膚炎や乾燥肌の方は、とくに手荒れしやすいので注意しよう。
悪化するとひび割れやあかぎれを招くことも
バリア機能が低下した状態で繰り返し食器洗いをすると、手荒れが悪化しやすい。バリア機能の再生が間に合わず、新しいダメージを与え続けることになるので悪循環だ。カサカサしてかゆみが現れるのが初期症状だが、悪化するとより深刻な状態になる。
切れ目のようなひび割れになり、さらに進行すると炎症や出血を伴うあかぎれになるので注意が必要だ。痛みを感じたり、水がしみたりすることで、食器洗いなどの家事に支障をきたす。その他には水疱ができたり、皮がむけたりするといった症状がでることもあるため、十分に対策をしてほしい。
2. 食器洗いによる手荒れを予防する方法

食器洗いによる手荒れは、日頃からの対策で予防できる。効果的な予防方法を5つ紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
食器洗いは手短に済ませる
食器洗いに時間をかけると水分や皮脂が失われやすくなるため、手早く済ませることが重要だ。フライパンや皿に付着した油汚れは、新聞紙やキッチンペーパーで拭き取っておく。頑固な汚れはつけ置きをしておくと落ちやすい。なお、手洗いでも同様のことがいえるので、洗いすぎには注意しよう。
お湯ではなく水やぬるま湯を使う
油汚れにはお湯が有効だが、同じように皮脂まで落としてしまうため手荒れになりやすい。食器洗いをする場合は、なるべく水を使うのがおすすめだ。冬など冷たい水を使用するのが難しいなら、ぬるま湯を使用するとよい。ちなみに、自然乾燥させると肌の水分まで蒸発してしまうので、食器洗いが終わったあとはすぐに拭くことが重要だ。
手に優しい洗剤を使う
敏感肌向けなど手に優しい洗剤を選ぶことで、肌への負担を軽減できる。水分の減少を抑制する成分を配合していたり、無添加だったりと、肌に優しい洗剤を選んでほしい。また、洗浄力が強い洗剤は手荒れの原因になるので、使用する必要がある際はゴム手袋を着用するなどの対策が必要になる。
ハンドクリームでケアをする
食器洗いをしたあとは、ハンドクリームでしっかりケアしよう。手荒れ予防にはグリセリンなどを配合した、保湿効果が高いタイプがおすすめだ。乾燥には尿素を配合したものが、ひび割れやあかぎれにはビタミンCやEを配合したものがよい。ただし、ひび割れやあかぎれに尿素配合のハンドクリームを使用すると、逆効果になる恐れがあるので注意する。
水仕事などでハンドクリームが落ちてしまう場合は、水に強いタイプのハンドクリームを活用するとよい。なお、ハンドクリームをつけすぎると油分が過剰になるので、量に注意する。チューブタイプなら1cmくらいが目安だ。ハンドクリームを塗ったあとは、コットンの手袋をつけておくと効率よく保湿できるだろう。
食器洗い用ゴム手袋を着用する
食器洗い用のゴム手袋を着用すれば、水や洗剤によるダメージを防げる。ゴム手袋は厚手よりも薄手のほうがよいだろう。細かい作業に向いており、カトラリーなど小さな食器も洗いやすい。
ただし、濡れた状態が長く続くと中で雑菌が繁殖するので、清潔に保つことが重要だ。使用後は裏返してから乾燥させて、汚れたり中に水が入ったりしたら交換したほうがよいだろう。
【ただしゴム手袋が原因で手荒れすることもある】
ゴム手袋の素材によっては手荒れの原因になる。たとえばキウイフルーツやバナナのアレルギーを持っている方は、天然ゴムで症状がでる恐れがあるので注意が必要だ。ゴム手袋をしても手荒れしてしまうなら、素材を変えてみてほしい。
3. 食器洗いによる手荒れはちょっとした工夫で軽減できる

食器洗いによる乾燥やあかぎれなどの手荒れは、日々の予防で軽減できる。放置して悪化する前に対策をすることが重要だ。効果的な方法を5つ紹介したので、毎日の食器洗いで実践しよう。
結論
食器洗いで手荒れしてしまう主な原因は、バリア機能の低下だ。水や洗剤によって皮膚の水分や皮脂が失われ、乾燥することで手が荒れる。悪化してひび割れやあかぎれにならないよう、日頃から予防することが大事だ。ハンドクリームを塗ったり、ゴム手袋を着用したりといった方法を紹介したので、ぜひ試してみてほしい。