揚げ物油の再利用は何回まで？保存方法や保管可能期間を解説

揚げ物で使用した油は何回まで再利用できるのだろうか。酸化して傷んだ油の判断基準ととともに解説していこう。

野菜を素揚げしただけの油と唐揚げや魚を揚げた油では、再利用できる回数が異なるが、基本的に2～4回までは油の再利用が可能だ。揚げ物など使用済みの油は、最初に使用したときから2～3週間のうちに使い切るのが望ましいとされている。しかし、油の汚れ具合や保存状態、室温などによっては保存できる期間が変わるため、要注意だ。

揚げ物などで複数回使用し傷んだ油は、粘り気や色の濃さが目立ってきたり、変なにおいがしたりする。また、煙が立ちやすく泡が消えにくいなど、いくつかの変化が現れる。このような変化は主に加熱による酸化が原因だ。酸化している油を使い続けていると、料理の風味が落ちたり、食中毒を起こしたりする危険性もある。酸化していると判断したら使用をやめて廃棄しよう。

揚げ物油を再利用するには、どのように保存したらよいのだろうか。以下では、保存に適した容器や場所、揚げ物油の濾し方を紹介していこう。

揚げ物油の保存には、油の酸化を防げる専用の容器がおすすめだ。ビンなどでも代用可能だが、必ず耐熱性のある容器を使用しよう。耐熱性がないビンを使用すると、油の温度に耐えきれずに割れてしまう可能性がある。さらに、水や虫が入らないようにしっかりと密閉できることも重要だ。容器が透明なら、光を遮断できるようにアルミホイルなどを巻いて対処しよう。

揚げ物油を再利用するためには、パン粉や揚げカスなどを取り除き、キレイな状態にしてから保存する必要がある。大きめの天かすは網などですくえるが、小さな天かすは油濾し紙を使用してキレイにしよう。油濾し紙は、コーヒーフィルターやティッシュペーパーなどでも代用可能だ。油は冷めすぎると粘り気が出てくるため、油が熱いうちに濾して、冷ましてから保存容器に入れよう。

揚げ物油を再利用するには、冷蔵庫やコンロ・シンク下の収納部分などの冷暗所で保存しよう。油を保存する際は、ふたをしたときの水蒸気によって、油に水分が入らないよう、しっかりと冷ました状態で保存することが大切だ。

揚げ物油は2～4回再利用できることがわかった。しかし、何回か再利用して酸化が進んだら揚げ物油を捨てるタイミングがやってくる。再利用できなくなった揚げ物油はどのようにして捨てたらよいのだろうか。以下では、揚げ物油の正しい捨て方の手順や捨てる際の注意点を見ていこう。

まずは、牛乳パックを半分ほどの大きさにカットして、外側にビニール袋を重ねる。次に新聞紙など油を吸収できるものを牛乳パックの中に詰め、使用済みの揚げ物油を流し入れ少量の水をかけよう。ビニール袋を上部でしばったら、そのまま燃えるゴミとして捨てられる。または、市販の凝固剤を使用して固めた油を新聞紙などに包んで、燃えるゴミとして捨てる方法もおすすめだ。

揚げ物油を捨てる場合は、シンクなどに直接流す行為は避けよう。シンクに流すと、配管が詰まったり汚水処理に負担をかけたりするためだ。また、油を含ませた新聞紙を直射日光の当たる場所に置いておくと、自然に発火する恐れがあるので注意が必要だ。このような自然発火を防ぐため、少量の水をかけて空気が触れないように密閉した状態で捨てよう。各自治体のホームページに捨て方が紹介されていることもあるので一度確認してみるといいだろう。

1度使用した揚げ物油は、適切な方法で保存がされている場合に限り何度か再利用することができる。粘りや変なにおいを発した油を廃棄する場合は、自治体で決まっている捨て方に従い、正しい処理をして安全に捨てることが大切だ。この記事を参考に、正しい油の再利用方法を知って、おいしい揚げ物を楽しんでほしい。