目次
1. キルシュとは?

キルシュというお酒をご存じだろうか。サクランボを原料としたドイツの蒸留酒だ。
キルシュとはブランデーの一種
キルシュとはドイツ語で「サクランボ」のことだ。サクランボを種ごとつぶして発酵させ、その後蒸留させて作るお酒で、ブランデーの一種だ。
キルシュはサクランボの爽やかな香りが特徴で、ケーキ、焼き菓子、カスタードクリームなどに使われる。お菓子作り以外にも、カクテルの材料として使われることや、そのまま食後酒として飲まれることもある。
キルシュと相性の良いお菓子
キルシュはサクランボが原料になっていることもあって、ベリー系の材料を使ったお菓子によく合う。いちごのショートケーキにもよく使われ、シロップや生クリームにキルシュを加えて風味をアップさせる。
チョコレート、サクランボ、キルシュを組み合わせた「キルシュトルテ」は多くの人々に愛されている。
2. キルシュがない場合の代用品

キルシュが手元にないからといって、お菓子作りを断念することはない。キルシュの代用品として、さまざまな洋酒が利用でき、それぞれ独特の風味付けを楽しませてくれる。
ラム酒
キルシュの代用としてラム酒を使ってみよう。ラム酒の原料はサトウキビだ。「ホワイトラム」と「ダークラム」がある。ダークラムのほうは「ラムレーズン」に使われているので有名だ。
キルシュの代用として使うには、ダークラムがおすすめだ。ドライフルーツとの相性がバッチリで、ドライフルーツたっぷりのパウンドケーキにラム酒を加えると美味しく仕上がる。日が経つにつれて、しっとり感が増し、さらに香りが豊かになるのが特徴だ。
ただ、ダークラムは香り豊かだが、色がついてしまう。お菓子に使うフルーツの色合いを大切にしたい場合にはホワイトラムを使うといいだろう。
ブランデー
香り豊かなブランデーもキルシュの代用としておすすめだ。ブランデーは、もともとはぶどうを発酵させ、蒸留したお酒だ。しかし、今ではさまざまな果物から作られた蒸留酒の総称となっている。
ブランデーの原料はいろいろあるが、お菓子作りに使うブランデーは、やはりぶどうを原料としたブランデーがおすすめだ。シンプルな味わいがお菓子のおいしさを引き立ててくれる。ブランデーは、チョコレートやドライフルーツ、ナッツや生クリームとの相性がいい。
ウイスキー
ウイスキーの原料は「大麦」「ライ麦」「トウモロコシ」などの麦芽だ。ブランデーと同じ蒸留酒の仲間だ。ブランデーは果実を原料としているが、ウイスキーは穀物を原料としている。キルシュの代用として使う際は、ウイスキーの方がアルコールの感じが強く出てしまうので、お菓子に入れる分量に注意しなくてはならない。ウイスキーボンボンというお菓子があるように、チョコレートとの相性は抜群だ。アイスクリームやドライフルーツとも相性がいい。
カルバドス
カルバドスの原料はりんごだ。カルバドスを名乗ることができるのは、フランスのノルマンディー地方で作られたものだけだ。その他で作られたものは単に「アップルブランデー」と呼ばれている。材料のリンゴは厳選され、香りも味わいも濃厚でフルーティーだ。食後酒として楽しまれることも多い。ドライフルーツやナッツとの相性がよく、フランスの伝統的な焼き菓子「タルトタタン」になくてはならないお酒だといわれている。
グラッパ
グラッパは、ワイン用のぶどうの搾りかすで作った蒸留酒だ。グラッパは、もともとワインの代用品として庶民に親しまれてきたが、製造技術やぶどうの搾りかすの品質向上により、食後酒としてイタリア人に愛されている。
ほかの国でもぶどうの搾りかすから作ったワインはあるが、グラッパを名乗れるのはイタリア産だけだ。ドイツでは「トレスターブランド」、スペインでは「オルホ」と呼ばれている。グラッパは、クリームチーズやナッツとの相性がよく、イタリアの伝統菓子「カッターサ」などにも使われている。
結論
お菓子作りのアクセントとして使われることの多いキルシュ。サクランボの爽やかな風味と酸味が絶妙なスイーツに仕上げてくれる。キルシュがなくても、代用できるお酒はいろいろある。ラム酒、ブランデー、ウイスキー、カルバドス、グラッパなど、それぞれお菓子の材料との相性もいい。キルシュの代用というだけでなく、積極的に使ってみるのもいいだろう。