目次
- シンクや大きめの容器に水を準備する。温度が高いと縮みの原因になるので、熱いお湯は使用しないこと。必ず40度以下の水温にしよう。
- 水の量はカシミヤ製品の重量の50倍以上が目安。一般的なセーターとして重さが200gだとすると、10L以上の水が必要となる。
- 中性洗剤を入れる。ウール用、またはおしゃれ着用洗剤がおすすめ。
- 洗剤をよく溶かし、カシミヤ製品を入れる。10~20分程浸け置きをしてから軽く押し洗いをする。強いもみ洗いや押し洗いは、繊維が収縮したり毛羽立ちがしやすくなったりするのでしないこと。汚れが目立つ箇所は、指でやさしくつまみ洗いをしよう。
- 洗濯時と同じ水量、温度の水で2~3回すすぎ洗いを繰り返ししっかり泡をきる。
1. カシミヤとは?

暖かく高級、お手入れも大切なイメージのカシミヤ。一体どんな素材で作られているのか、どんな特徴があるのか、知っているだろうか。さいしょにカシミヤとはなにかを解説する。
カシミヤ山羊のやわらかい産毛
カシミヤとは、主に中国やイラン、モンゴルなどの中でも気候がひときわ厳しい高地に生息するカシミヤ山羊から採取した毛のこと。カシミヤ山羊は全身を覆っている粗毛の下に、とても細くて柔らかい産毛が生えており、この産毛が「カシミヤ」と呼ばれる。
カシミヤとウールの違い
カシミヤはウールよりも柔らかく、肌触りがよい。また、ウールより軽く、ヌメリ感や美しい光沢がある。
ウールと比較してカシミヤは繊維が細く、1本の糸を仕上げるのに、より多くの繊維を束ねることになる。そのため、繊維間に空気を多く含むことができ、優れた保湿力と保温力がある。ただし、ウールに比べて細く繊細な糸のため、カシミヤ製品は日々のお手入れが必要である。カシミヤは繊細だが、お手入れをしっかりすれば長く愛用できる素材だ。
2. カシミヤのお手入れ方法

カシミヤ製品は繊細な生地のため、日々のお手入れが欠かせない。お手入れをすることで長くキレイな状態を保てる。ここでは自宅でできる、カシミヤ製品のブラシを使ったお手入れから洗濯方法までご紹介する。
着用後はブラシをかける
着用後は、ブラシをかけて繊維の流れを整えてあげよう。ブラッシングの方法は、はじめに繊維の流れに逆らってブラシをかけ、奥に詰まった埃を掻き出す。その後に、繊維の流れに沿って埃を払い落とす。ブラッシングをして埃を払うと、繊維の流れが整うことで、生地の光沢が復活するのだ。また、毛玉もできにくくなる。
お手入れブラシのおすすめは、天然毛のブラシだ。天然毛のブラシは毛が柔らかいので、生地を傷めることなくブラッシングできる。その中でも馬毛の洋服ブラシはキメが細かく毛質がしなやかなので、柔らかく繊細な素材のカシミヤのお手入れにはぴったりである。
毛玉ができたら取り除く
カシミヤを数回着用すると、ゆるんだ繊維が摩擦により絡み合い、毛玉ができてしまう。
毛玉は、市販の毛玉取りコームや布用シェーバーで取り除ける。カシミヤを長持ちさせるには、3週間に一度、定期的に毛玉取りをすることをおすすめする。
汚れが気になる場合は洗濯する
カシミヤ製品は、汚れが気になったらクリーニングに出さなればいけないと考える人が多いが、実は洗濯表示に「おけ」の表示があるものは、家で水洗いができる。洗濯機で洗えるものもあるが、できれば1枚ずつ手洗いすることをおすすめする。
・お湯に漬け置きして水洗いする
はじめにお湯に漬け置きして水洗いをする方法を解説する。
・洗濯機で脱水する
脱水は洗濯機の脱水機能を利用する。洗濯ネットに入れて、30秒~1分程度脱水する。手で強く絞るより、遠心力を利用した脱水機能を使用した方が繊維を傷付かないのだ。脱水後は、形を整え、ネットのうえなどに平らに置いて自然乾燥させよう。直射日光の当たらない日陰で乾かすのがポイントだ。乾燥機は縮みの原因となるので使わないようにしよう。
・洗濯表示を確認してアイロンがけする
洗濯表示を確認して、アイロン可の場合は、アイロンをかけよう。アイロンをかけると、よりキレイに仕上がる。設定温度は基本、中温。アイロンを軽く浮かせ、スチームを出しながら、軽く撫でるようにかけるのがポイントだ。直接アイロンを押し付けたり、高温設定でアイロンをかけたりすると、縮みの原因となるのでやめよう。
3. お手入れ後のカシミヤの保管方法

さいごにカシミヤ製品のお手入れ後の保管方法を紹介する。カシミヤ着用シーズンの終わりがきたら、洗濯やブラッシングでお手入れをしてから、湿度の低い場所に衣類用防虫剤と一緒に保管する。天然素材であるカシミヤは、カビや虫の被害が意外と多く発生するので注意して保管しよう。また、市販されている防虫剤の多くは、揮発した成分が下に行く性質なので、上の方に収納しておくのが効果的である。お手入れはもちろん、保管方法もカシミヤ製品を長く愛用するためには気を付けなければならない。
結論
カシミヤ製品を長く愛用するには、日々のお手入れが大切だ。今回紹介した方法を参考にお手入れをすれば、カシミヤの艶や肌触りを維持できる。ぜひ、お手入れを欠かさず、暖かいカシミヤ製品で寒い冬を乗り越えよう。