目次
1. 車の静電気が発生する理由

なぜ車の乗り降りの際に静電気が起こりやすいのか、その原因を見てみよう。
そもそも、人間や車をはじめ、すべて物質はプラスとマイナスの電子を持っている。普段は釣り合いが取れている電子のバランスが、さまざまな要因で崩れることによって静電気が発生し、身体に蓄積されるのだ。
空気の乾燥
夏場のように湿度が高い場合は空気中に含まれる水分が物体に付着し、付着した水分が電気を通すことで、体内に溜まった静電気が自然に空中放電される。しかし、空気が乾燥する冬場は空気中の水分が少ないため、溜まった電子の放出が滞ってしまう。そのため、電気を通しやすい車のドアなどの金属に触れたときに、蓄積した静電気が放電し、バチッと感じるのである。
摩擦
もうひとつの原因が摩擦だ。運転するときや車に乗り降りするときの身体とシートの摩擦によって体内に電気が蓄積される。これも冬場のように服を多く重ね着している場合はより摩擦が生じやすく、車のシート以外にも服同士で摩擦が生まれ、静電気が起こりやすくなる。
摩擦帯電
2つのものがこすれあって静電気が生じる現象を摩擦帯電という。歩いたり、座ったり立ったりといった、人が日々生活している何気ない動作の中でも摩擦帯電が起こっている。その状態で車のドアなどの金属に触れることによって電子が放電して静電気を感じる。
2. 車の静電気が引き起こす弊害

冬場の車の乗り降りで発生しやすい静電気だが、その弊害もさまざまだ。痛みはもちろん、危険が伴う場合もある。
手で触れたときの痛み
車の乗り降りでバチッと痛みをともなうような静電気を帯電しているとき、人の身体にはおよそ3,000ボルトもの電圧が蓄積されているという。3,000ボルトとは家庭用コンセントの30倍もの威力だ。もちろん電気が流れるのは一瞬なので、静電気で大けがをすることはないが、3,000ボルト以上の電撃が流れると強い痛みを感じるようになるのである。
ガソリンスタンドでの引火
静電気は痛みを与える不快なものというだけではない。車への給油の際にも静電気への注意が必要だ。自動車用のガソリンは揮発性が高く、マイナス40度でも引火するほど火がつきやすい。そのため、気化したガソリンが漂っているところに静電気が起こることによって、火災につながってしまうのだ。現在は給油ノズルが改良され、対策がなされているが、給油前に静電気除去シートに触れるなどして注意しよう。
3. 車の静電気対策 | 乗車時

嫌な車の静電気の対策として乗車時に使える方法を紹介しよう。
金属を持ってドアハンドルに触れる
車のキーのような金属でドアなどの金属に触れることによって、身体に帯電している静電気を放電することができる。手でドアや車体に触れる前に、手に持った金属を触れさせることがポイントだ。
両手で地面に触れる
素手で地面に触れることによって身体に帯電した電気を放電する方法は、「アーシング」という健康法にもなっている。電子の量が多いところから少ないところへ自然と流れるアースの仕組みを使い、車に乗る前に2、3秒ほど地面に手を触れると静電気を逃がすことが可能だ。
ハンカチや手袋などを使う
ハンカチや手袋などで車に触れることによって静電気が発生するのを防ぐ。綿のハンカチや革製の手袋は帯電しにくい素材なので、素手で車のドアに触れるよりも静電気の痛みが伝わりにくい。
ハンドクリームを塗っておく
車を運転するときの静電気対策には肌の乾燥も大敵だ。肌が乾燥していることによって身体に蓄積している電気を放出しにくくなるため、あらかじめハンドクリームを塗って保湿しておくというのもひとつの方法である。
4. 車の静電気対策 | 降車時

車に乗るときの静電気対策を紹介したが、降車時にも気を付けるポイントがある。静電気が起きやすい人はこちらの方法も参考にしてほしい。
シートに座った状態で金属部分を触る
車のシートに座ったまま、車体などの金属部分に触れながら車を降りる方法だ。ポイントは足を地面につける前に金属部分に触れること。車内に座ったまま触ることで、身体に溜まった電気が逃げ、静電気が起きにくい。
静電気除去プレートを使う
車に直接取り付けて対策をする静電気除去プレートもある。運転席付近に取り付け、車から降りる際やドアを閉める前に指で触れるだけで静電気を逃がしてくれるパーツだ。
5. 車の静電気除去におすすめのグッズ

カー用品店や100均にも静電気を除去するためのグッズが多く販売されているので、車に乗るときの静電気対策としておすすめしたい。
キーホルダー
車のキーに付けられるキーホルダー型の静電気除去グッズは、忘れずに持ち歩くことができる。ドアノブや車体などの金属部分に触れる前に、キーホルダーを金属部分に触れさせたり、キーホルダー全体を握ったりすることによって静電気を除去するものだ。
ブレスレット
静電気防止ブレスレットは着用することによって身体に溜まった静電気を逃げやすくする。ただし、これだけでは完全に静電気をなくすことは難しいため、車に乗る際にはご紹介した静電気対策の方法と合わせて実施するとよいだろう。
結論
車の静電気対策についてご紹介した。乾燥しやすい冬場のドライブは静電気が起こりやすく、乗降時にバチッとくるのは些細なことだが避けたい痛みである。車への乗り降りの際に使える対策方法や静電気除去グッズなどを活用して、快適なドライブを楽しんでほしい。