追い焚き配管の掃除方法 | 風呂釜洗浄のやり方や頻度を解説

風呂の追い焚き配管は想像以上に汚れている。目に見えない追い焚き配管は、定期的に掃除する必要がある。追い焚き配管が汚れる原因や、掃除する頻度について紹介しよう。

追い焚き配管内は、入浴剤やバスソルト、皮脂、レジオネラ属菌などが原因で汚れる。雑菌は皮脂汚れなどの汚れを栄養にして発生するが、身体を洗ってから浴槽につかっても、汚れが付くのを防ぐのは難しい。汚れが蓄積した状態を放置すると、肺炎や高熱などを引き起こす原因となり、レジオネラ属菌という菌が発生する可能性もある。厚生労働省のホームページでも、追い焚き機能付きの風呂釜は、レジオネラ属菌などの発生を防ぐために定期的に洗浄してほしいと注意喚起している。（※1）

給湯器メーカーによって異なるが、追い焚き機能を使う場合は入浴剤の使用は控えたほうがいい。風呂釜の取扱説明書には、「風呂釜を傷めない入浴剤の使用可」と記載しているものもある。配管内の汚れを抑えたい場合は入浴剤の使用を控えたほうが無難だ。

追い焚き機能のある風呂釜は、2～3ヵ月に1回のペースで掃除しよう。汚れがひどいときは1ヵ月に1回行う。ただし、薄茶色の湯垢が浮いていたり、湯が白く濁っていたりする場合は、すぐに配管内の洗浄をしてほしい。ほかにも、黒い汚れや悪臭・小バエなどが寄ってきた場合にもすぐに掃除したほうがいいだろう。定期的に掃除しているのに、垢やゴミが浮かんでくるという場合は、業者に依頼するのも手である。市販の洗浄剤よりも、業者の道具や薬品のほうが強力的なものを使うため、確実に汚れを取り除いてくれる。

風呂の追い焚き配管には2種類あり、1つ穴タイプか2つ穴タイプに分かれる。それぞれ、どのような特徴があるのか把握して、追い焚き配管の掃除に役立ててほしい。

1つ穴タイプの追い焚き機能のある風呂は、強制循環式と呼ばれており、比較的汚れがたまりにくいといわれている。見た目は1つであるが、配管内で2つに分かれており、水を吸い込む配管とお湯を吐き出す配管の役割を担っている。給湯器に内蔵したポンプが冷めたお湯を取り込み、同じ穴から温かいお湯が出てくる仕組みだ。お湯を循環させているので、お湯の温度にバラつきがないのも特徴である。一方、汚れはたまりにくいが、配管が長いので雑菌が繁殖しやすいデメリットがある。

2つ穴タイプの追い焚き機能のある風呂は、上下に穴が2つ付いていて、自然循環型式と呼ばれている。冷めたお湯を下の穴から吸い込み、上の穴から温かいお湯を浴槽に戻す仕組みだ。2つ穴タイプは温度差を利用し、浴槽の中のお湯を循環させて沸かしているため、浴槽の上側が熱くなりやすく、湯垢がたまりやすい。風呂を沸かして、湯垢が浮いている場合には、早めに追い焚き配管の掃除をしよう。

追い焚き配管のタイプ別に掃除方法を紹介しよう。1つ穴と2つ穴では、掃除方法が異なるので、自宅の風呂釜を掃除するときの参考にしてほしい。

まずは、1つ穴の掃除のやり方について紹介しよう。

給水口の穴の5cmくらい上まで水を張ったら、洗浄剤を投入する。洗剤によっては残り湯の使用が可能な場合もあるので、使用する洗浄剤の注意書きを確認しておこう。洗浄剤を投入後、40～50℃のお湯で追い焚きをして2～3時間放置する。放置したら、再度追い焚きをして排水。排水したら、給水口の約5cmまで水をためて、排水管の中をすすぐ。追い焚きが終わったら、排水して完了だ。フィルターなどに髪の毛や汚れが付いていることがあるので、スポンジで風呂釜やフィルターを掃除しておこう。

次に、2つ穴の掃除のやり方について紹介する。

穴にフィルターがあるタイプのものであれば、事前にフィルターは外してから始めよう。下の穴にタオルを詰めて、穴をしっかりとふさぐのがポイントだ。上の穴に洗浄剤をこぼさないように入れる。やかんなどを使用して、40～50℃のお湯を上の穴からギリギリのところまで注ぎ入れよう。

2時間ほど放置することで、配管内の汚れが浮き上がるだろう。ゴム手袋を着用して、下の穴に詰めているタオルを外す。シャワーの水圧を強くして、上下の穴に勢いよく水を流して、しっかりとすすごう。フィルターがあれば、洗浄してからつけて完了だ。

風呂釜の追い焚き配管掃除を業者に依頼した場合は、1～2万円前後で行ってくれるだろう。毎月であれば金銭的に負担になるかもしれないが、半年に一度くらいは業者に依頼してもいいかもしれない。追い焚き配管掃除の作業時間は90分～150分程度なので、掃除当日でも入浴できるだろう。自分で追い焚き配管掃除をする場合は、500円～1000円前後で済むが、放置する時間によってはお風呂が使えないこともあり得る。

追い焚き機能のある配管内の掃除は、目視できないため後回しにしがちだ。しかし、風呂は毎日使うものなので、少しずつ汚れが蓄積されている。2～3ヵ月を目安に市販の洗浄剤を使用して、追い焚き配管内を掃除しよう。掃除をしても汚れが気になる場合は、業者に依頼するのもおすすめである。

（参考文献）

※1出典：厚生労働省「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルについて」