1. 賃貸退去時に掃除は必要?
◾️掃除は義務ではないがマナーとして行うべき
賃貸物件では、退去後にハウスクリーニング業者が清掃するのが一般的です。
しかし、退去時に軽く掃除をしておくことはマナーとされています。
掃除をしておけば、契約時に預けた敷金が多めに戻ってくる可能性もあります。
◾️大家さんや管理会社の指示を確認
賃貸借契約書に「掃除不要」と記載されている場合や、大家さんからその旨を伝えられた場合は、指示に従いましょう。
ただし、汚れがひどい場合は敷金が差し引かれる可能性があるため注意が必要です。
2. 賃貸退去時の掃除範囲と注意点
◾️原状回復と経年劣化を区別することが重要
退去時の掃除では「原状回復」と「経年劣化」の違いを理解することが大切です。
原状回復とは、借主の故意や過失、または通常の使用を超える使い方によって発生した損耗を修復することと定義されています。(※1)
具体的に、原状回復と経年劣化の例をご紹介します。
・原状回復が必要なケース
例:壁の落書き、タバコのヤニ、掃除不足で発生したカビや水垢、引っ越し時の傷など。これらは入居者が費用を負担する場合があります。
・経年劣化とみなされるケース
例:ピンや画びょうの跡、日焼けによる壁紙の変色、家具による床の凹みなど。通常の使用による劣化は借主の負担にはなりません。
3. 場所別:退去時の掃除ポイント
◾️キッチン
コンロ周り:重曹やアルカリ性洗剤で油汚れを落とす。
蛇口・シンク:クエン酸で水垢を除去。
◾️トイレ
便座・便器:酸性洗剤を使って黒ずみを掃除。
床や壁:尿の飛び散りを重点的に拭き取る。
◾️お風呂
カビ:カビ取り剤を使い、ティッシュで覆って放置した後、ブラシなどでこすり落とす。
換気扇:取り外せるカバーは洗剤で掃除。
◾️洗面所
洗面ボウル:スポンジで水垢を除去。
キャビネット:化粧品の汚れを拭き取る。
◾️居室・寝室
壁:住居用洗剤で掃除、カビは漂白剤で除去。
床:溝の汚れは爪楊枝や掃除機で除去。
◾️窓・ベランダ
窓ガラス:新聞紙や窓拭き用洗剤で掃除。
レール:汚れを水拭きして拭き取る。
ベランダ:中性洗剤でゴミを掃除。
4. 退去時に気を付けたいその他のポイント
◾️高額な退去費用を請求されたら?
喫煙による壁紙の変色やにおいなど、本来入居者が負担する必要のない費用を請求された場合は、消費者センターや国民生活センターに相談できます。
◾️ライフラインの解約は退去後に!
退去立ち合いの際に電気が使えないことがないよう、ライフラインの解約日は立ち合い後に設定するのがベストです。
結論
賃貸退去時の掃除は、常識的な範囲で丁寧に行うことが大切です。
掃除を怠ると、敷金の返金が減額されることもあります。さらに、退去時の費用に納得できない場合は専門機関に相談しましょう。
きれいに掃除して、気持ちよく次の住まいへ移りましょう。
<参考文献>
※1 住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
掃除を怠ると、敷金の返金が減額されることもあります。さらに、退去時の費用に納得できない場合は専門機関に相談しましょう。
きれいに掃除して、気持ちよく次の住まいへ移りましょう。
<参考文献>
※1 住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html