誰かに教えたくなる！冬至の“ゆず湯”にまつわる意外と知らない【豆知識】

冬至にゆず湯を使う風習には、さまざまな由来があります。
古くから、日本では湯に浸かることで厄を払うと信じられており、「湯治（とうじ）」と「冬至（とうじ）」の語呂合わせも理由のひとつと言われています。
また、「ゆず」という言葉が融通を連想させ、物事がスムーズに進むよう願いを込めて用いられるようになったとも言われています。
さらに、ゆずは実が成るまで時間がかかる果実であるため、努力が実を結ぶ象徴として冬至に取り入れられるようになりました。

ゆずは爽やかな香りを持つ香酸柑橘類で、その香りには、気分を落ち着かせる作用があるとされています。
ゆずの香りは入浴剤やアロマとしても用いられており、湯に浮かべることでリラックスした時間を過ごせます。

◾️風邪予防や美容に役立つとされる理由
ゆずの皮には果汁より多くのビタミンCが含まれ、高知県立大学の報告では果汁の約4倍とされています（※1）。
また、皮に含まれるヘスペリジンという成分は血流を促すとされ、体を温めることにつながると言われています（※2）。
こうした性質から、冬至にゆず湯で体を温める習慣が受け継がれてきました。

ゆず湯は工夫次第で手軽に楽しめます。

◾️片付けを楽にしたい場合
ネットやガーゼにゆずを包んで湯に入れると、実が散らばらず後処理が簡単になります。

◾️香りをより楽しみたい場合
ゆずをそのまま浮かべる方法もあります。手で軽く揉むと香りが広がります。

◾️ゆずが少ないときの工夫
量が限られているなら、カットして入れると香りが出やすくなります。ゆず料理に使った後の皮を利用する方法もあり、無駄なく楽しめます。

◾️皮だけを利用する方法
身を使い切った後の皮だけを湯に入れることもでき、最後までゆずを活かせます。

冬至と言えばゆず湯が一般的ですが、ゆず湯ほど広く知られてはいませんが、食材としての活用もあります。
ゆずは普段から調味料として香り付けに使われることが多く、冬至だから特別な料理として使われることは少ないようです。
ただし、ゆず味噌やマーマレードなど加工して楽しめる用途は幅広く、食材としても活躍します。

冬至のゆず湯には、厄を払う意味から体を温める働きまで、さまざまな願いが込められています。
ゆずの香りに包まれながら過ごす時間は、季節を感じるきっかけにもなります。
今年の冬至は、ゆず湯の香りに包まれながら、その歴史や意味に思いを巡らせ、穏やかな季節の節目を楽しんでみてはいかがでしょうか。
（参考文献）
※1 柚子湯の効能「高知県立大学」
https://www.u-kochi.ac.jp/~health/hitikotomemo/story_yuzu.html 　

※2 ウェザーニュース なぜ、日本人はゆず湯に入るのか？
https://weathernews.jp/s/topics/201812/190175/