1. 豚肉の生焼けが危険な4つの理由
◾️ 食中毒のリスク
豚肉には少なからず菌が含まれており、加熱不足のまま食べるとカンピロバクター食中毒やエルシニア食中毒などを引き起こす可能性があります。特にカンピロバクター食中毒は、腸炎症状が落ち着いた約3週間後にギランバレー症候群につながることがあり、最悪の場合は死亡するリスクもあります。(※1)
◾️ E型肝炎のリスク
生焼けの豚肉を食べるとE型肝炎ウイルスに感染する恐れがあります。黄疸を伴う悪心や腹痛、肝機能の低下などが現れ、妊婦や高齢者は重症化しやすく、死亡するケースもあります。E型肝炎ウイルスは十分な加熱で死滅するため、中までしっかり火を通しましょう。(※2)
◾️ 寄生虫のリスク
生焼けの豚肉を食べると、豚の筋肉に寄生するサルコシスティス属の胞子虫に感染し、下痢や腹痛などの症状が出ることがあります。豚肉は中までしっかり加熱して寄生虫を死滅させることが大切です。(※3)
◾️ トキソプラズマ症のリスク
生の豚肉を食べることで、トキソプラズマという寄生虫によるトキソプラズマ症を発症することがあります。通常は無症状でも、妊娠中に感染すると胎児に神経障害や運動障害を引き起こすことがあり、最悪の場合は死産や流産につながるおそれもあります。妊娠初期ほど重症化のリスクが高いため、妊娠中は特に注意しましょう。(※1)なお、感染確率自体は妊娠後期のほうが高くなるとされているため、妊娠期間を通して十分な注意が必要です。
2. 生焼けの豚肉を食べてしまったら
生焼けの豚肉を食べると食中毒になる恐れがあり、食べてから数時間〜数日後に腹痛や吐き気などの症状が出ることがあります。7日以内に症状が出なければ、あまり心配する必要はないでしょう。(※4)
◾️ 症状が出たときの対処法
体調に異変を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。初期症状が軽くても急に悪化することがあります。特に子どもは免疫力が低く重症化しやすいため、大人がしっかりと加熱状態を確認してください。下痢や嘔吐が起きた場合は、脱水症状を防ぐために水分補給をし、身体を横向きにして休みましょう。自己判断で下痢止めを服用するのは危険です。下痢止めを飲むと原因菌が体内に留まり、症状が長引くケースがあります。必ず医療機関を受診してください。
3. 少量なら大丈夫?
「少しくらいなら問題ない」という考えは大変危険です。腸管出血性大腸菌やカンピロバクターなどの細菌は少量でも感染し、腹痛や下痢などの症状が現れることがあります。特に子どもや妊婦、高齢者など抵抗力が弱い方は重症化しやすいため注意が必要です。(※5)また、生肉に触れた手やまな板を通じて、細菌が付着した野菜を生で食べても食中毒になるケースがあります。肉を切ったあとのまな板は、必ず洗ってから使いましょう。
4. 生焼けの判断方法と防ぐコツ
◾️ 肉汁の色で判断する
ハンバーグなら中央に、ローストポークなら一番分厚い部分に竹串を刺して、出てきた肉汁の色を確認しましょう。透明なら火が通っている証拠ですが、赤い場合はまだ生焼けです。
◾️ 中心温度を確認する
豚肉を安全に食べるには、75℃以上で1分以上、または63℃以上で30分以上加熱する必要があります。温度計で中心温度が65℃以上であれば生焼けの心配はありません。
◾️ 断面の色だけで判断しない
ローストポークのように、火が通っていても断面がピンク色や赤色になるケースがあります。これはミオグロビンというタンパク質の色によるものなので、色だけで生焼けかどうかを判断しないようにしましょう。
◾️ 生焼けを防ぐ調理のコツ
ハンバーグは厚くなりすぎないよう成形し、中心にくぼみを作って均等に熱が通るようにしましょう。弱火〜中火でふたをしながら焼くと火の通りがよくなります。とんかつは170℃の油で少量ずつ揚げてください。一度に多く入れると油温が下がって火が通りにくくなるためです。揚げあがったあと数分置いて余熱で中まで火を通しましょう。
結論
豚肉の生焼けは、食中毒や寄生虫など複数のリスクがあり、決して軽視できません。肉汁の色や中心温度を確認しながらしっかり加熱することが大切です。万が一症状が出た場合は自己判断せず、速やかに医療機関を受診しましょう。
(参考文献)
※1 島根県庁 島根県:豚の生食は危険です!!(トップ / くらし / 消費・食生活 / 地方機関 / 出雲 / お知らせ情報)
https://www.pref.shimane.lg.jp/life/syoku/kikan/izumo_hoken/shokuhineisei_information/butakiken.html
※2 厚生労働省 E型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/08/h0819-2a.html
※3 内閣府食品安全委員会事務局 寄生虫による食中毒にご注意ください | 食品安全委員会 - 食の安全、を科学する
https://www.fsc.go.jp/sonota/kiseichu_foodpoisoning2.html
※4 東京都保健医療局「生焼けの豚肉、鶏肉を食べてしまった場合は、どうしたらよいでしょうか?【食品安全FAQ】」
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/anzen/food_faq/chudoku/chudoku09
※5 政府広報オンライン「食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント」
https://www.gov-online.go.jp/article/20110602/entry-8196.html
(参考文献)
※1 島根県庁 島根県:豚の生食は危険です!!(トップ / くらし / 消費・食生活 / 地方機関 / 出雲 / お知らせ情報)
https://www.pref.shimane.lg.jp/life/syoku/kikan/izumo_hoken/shokuhineisei_information/butakiken.html
※2 厚生労働省 E型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/08/h0819-2a.html
※3 内閣府食品安全委員会事務局 寄生虫による食中毒にご注意ください | 食品安全委員会 - 食の安全、を科学する
https://www.fsc.go.jp/sonota/kiseichu_foodpoisoning2.html
※4 東京都保健医療局「生焼けの豚肉、鶏肉を食べてしまった場合は、どうしたらよいでしょうか?【食品安全FAQ】」
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/anzen/food_faq/chudoku/chudoku09
※5 政府広報オンライン「食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント」
https://www.gov-online.go.jp/article/20110602/entry-8196.html
