1. 「台風は右側が強い」というのは本当なのか
台風は中心に向かって渦を巻くように風が吹き、台風の進行方向に向かって右側では、台風自身の風と台風を移動させる周囲の風が同じ方向に吹くため、左側より風が強くなります。そのため、右側の半円は「危険半円」と呼ばれます。左側の半円は、右側に比べて風速がいくぶん小さくなることから「可航半円」と呼ばれます。左側では、台風自身の風と台風を移動させる周囲の風が逆向きになるため、右側に比べて風速が小さくなるのです。ただし、左側の風が決して弱いわけではないので油断は禁物です。
◾️右側の風が強くなる理由
台風は反時計回りの強い風を伴う巨大な渦であり、その渦が上空の風に流されることで移動します。右側では、台風自身の風と台風を移動させる周囲の風が同じ方向に吹くため、2つの風が合わさって勢いが増します。一方の左側は風の向きが一致しないため、互いに打ち消し合い、右側ほど強くならないのです。
◾️右側は雨も強くなりやすい
台風は反時計回りの風によって、海からの暖かく湿った空気を取り込みます。この空気の影響で発達した積乱雲により、右側では雨も強くなる傾向があります。台風周辺では暖かく湿った空気が流れ込むことで発達した雨雲が形成され、大雨になることがあります。ただし、台風の強さや大きさは最大風速や強風域の半径をもとに決まるもので、雨量とは直接関係がありません。規模の小さい台風でも大量の雨を伴うことがあるため、強さや大きさにかかわらず雨の降り方には注意が必要です。
2. 台風の右側が危険だとわかる過去の事例
2019年9月の令和元年房総半島台風(台風第15号)では、関東地方南部や伊豆諸島を中心に記録的な暴風となり、千葉県を中心に大きな被害が発生しました。千葉県では最大瞬間風速57.5m/sを観測するなど、記録的な暴風となり、広い範囲で大規模な停電が発生しました。一方、左側は停電がない、あるいは短時間で済んだエリアが多く見られました。気象庁のホームページ(※1)でも、室戸台風や伊勢湾台風などの右側と左側の風速分布が示されています。いずれも右側のほうが風が強く危険であることが分かります。
3. 台風への備え
接近前にできる備えと、用意しておきたい非常用品をまとめました。
◾️家の外・家の中の備え
側溝や排水口を掃除して水はけをよくし、ゴミ箱や鉢植えなど飛ばされそうなものは家の中にしまうか固定しましょう。窓や雨戸をしっかり閉め、必要に応じて窓ガラスの飛散防止対策を行いましょう。窓ガラスの飛散防止フィルムを貼るのも有効です。浸水の恐れがある場合は、家具や家電を高い場所に移動させておきましょう。ハザードマップで危険箇所を把握し、避難経路や避難場所を家族で話し合っておくことも忘れずに。
◾️用意しておきたい非常用品
自宅には飲料水は1人1日3リットルを目安に、最低3日分、できれば1週間分を備蓄しましょう。食料はアルファ米や缶詰、ビスケットなどを1週間分ほど用意してください。非常用持ち出し袋には、避難時に必要な飲料水や食料を、持ち運べる量で準備しておきましょう。そのほか、懐中電灯、携帯ラジオ、モバイルバッテリー、マスクやヘルメット、軍手、救急用品、ウェットティッシュや洗面用具、衣類や下着、現金なども備えておきましょう。
結論
台風の右側は左側よりも風や雨が強くなる傾向があります。自分の住んでいる地域が進行方向のどちら側にあたるかを意識し、日頃からの備えと早めの避難を心がけましょう。台風接近時の対応については、家族でも事前に話し合っておくことが大切です。
(参考文献)
※1 気象庁「台風に伴う風の特性」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/2-1.html
(参考文献)
※1 気象庁「台風に伴う風の特性」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/2-1.html
