1. しいたけの歴史
◾️世界各地で親しまれてきた健康食材
日本では古事記にすでに「椎の木に生えた茸を食べていた」との記述があり、中国では約600年前の明の時代に医者が薬効を語った記録が残っています。欧米では「命の霊薬」と呼ばれ、不老長寿の力があると信じられてきました。
◾️高級品だった原木栽培の時代
1000年以上前には原木を使った栽培が行われていたとされ、当時は国内で食べられるよりも、中国への輸出品として扱われることが多かったようです。椎や楢、樫、栗などの広葉樹を使う原木栽培では、春と秋の年2回収穫します。ただし、天候によって収穫量が左右されるため、当時は高級品として扱われ、松茸よりも高価だったという記録もあります。
◾️江戸時代から始まった人工栽培
人工栽培は江戸時代に始まり、昭和初期には大量生産へと発展しました。原木を使った栽培方法も改良され、現在では、おがくずを固めた「菌床」を利用したハウス栽培が行われています。生しいたけはこの施設栽培が主流となり、徹底した環境管理によって一年中おいしく食べられるようになっています。
2. しいたけの学名「エドデス」の由来
◾️「しいたけ」という名前の由来
その名前については、かつて椎の枯木で栽培されていたことに由来するという説が有力です。もう一つは、年間を通して収穫できることから「四季茸」と呼ばれるようになり、やがて「しいたけ」に変化したという説です。
◾️学名「エドデス」の2つの説
「エドデス」の由来には諸説あり、一般には「食用となる」という意味のギリシャ語に由来するとされています。一方、1875年にイギリスの調査隊が東京(旧・江戸)でしいたけを発見して本国へ持ち帰ったことから、「江戸」にちなんで名付けられたという説もあります。
3. しいたけを使った江戸時代のレシピ
しいたけは、グルタミン酸やグアニル酸といった旨味成分が豊富で、干すことでグアニル酸がさらに増加します。また、乾燥によってエルゴステロールという成分がビタミンDに変化し、カルシウムの吸収を助けてくれます。こうした効果が科学的に解明されたのは最近のことですが、江戸時代の人々は経験的にその健康効果を感じ取っていたのかもしれません。
◾️しいたけの旨煮
正月のおせち料理に欠かせないこの料理は、しいたけの傘を陣笠に見立て、かつて「陣笠しいたけ」と呼ばれていました。一晩かけて戻した干ししいたけを、砂糖・醤油・水で汁気がなくなるまで煮含めて作ります。
◾️しいたけ素麺
しいたけや昆布の出汁で素麺を食べる夏の料理です。温かくして「にゅうめん」として楽しまれることもあります。
結論
日本を代表するきのこであるしいたけは、1000年以上前から栽培され、江戸時代に庶民へと広まっていきました。学名の「エドデス」にまつわる意外な由来も興味深いポイントです。こうした歴史に思いを馳せながら、しいたけ料理を味わってみてはいかがでしょうか。
