1. 防水スプレーの基礎知識

市販品のスプレーには防水と撥水タイプがあるが、その違いについて解説していこう。さらに防水スプレーの効果的な使い方などもあわせて紹介する。
防水と撥水の違い
防水加工とは、生地の表面や裏面にゴムや合成樹脂をコーティングするなどして、水を通さないようにすることである。繊維の間もしっかりと塞ぐので、通気性が悪く蒸れやすい。ゴム製の合羽やレインコート、長靴、傘、防水ケースなどは生地そのものが水を通さないものでできている。
撥水加工は、シリコンやフッ素樹脂を素材の表面に付着させたもので、樹脂に触れた水は球状になって転がり、衣類への浸透を防ぐ。繊維同士の隙間を塞がないので、通気性がよく蒸れにくい。
市販の防水スプレーの多くは、シリコンやフッ素樹脂で作られた撥水剤が主要成分なので、正しくは撥水スプレーだ。ただし、一般的には防水スプレーとして認知されているので、本記事でも防水として扱うこととする。
撥水加工は、シリコンやフッ素樹脂を素材の表面に付着させたもので、樹脂に触れた水は球状になって転がり、衣類への浸透を防ぐ。繊維同士の隙間を塞がないので、通気性がよく蒸れにくい。
市販の防水スプレーの多くは、シリコンやフッ素樹脂で作られた撥水剤が主要成分なので、正しくは撥水スプレーだ。ただし、一般的には防水スプレーとして認知されているので、本記事でも防水として扱うこととする。
防水スプレーのシリコンとフッ素の特徴
シリコン
シリコンは繊維全体の表面を膜で覆うので撥水性が高いが、繊維の隙間の表面にも膜を張るので、通気性はあまりよくない。シリコン系のスプレーは、レインコート、傘、マリンスポーツのウェアなどに適している。
フッ素系
フッ素の成分は細かい繊維の表面に付着するが、隙間を塞がず通気性がよいため、衣類や皮革製品などに適している。一般的な防水(撥水)スプレーにはフッ素系が配合されていることが多い。さらに水と油をはじくため、飲食物や泥などの防汚効果もある。
シリコンは繊維全体の表面を膜で覆うので撥水性が高いが、繊維の隙間の表面にも膜を張るので、通気性はあまりよくない。シリコン系のスプレーは、レインコート、傘、マリンスポーツのウェアなどに適している。
フッ素系
フッ素の成分は細かい繊維の表面に付着するが、隙間を塞がず通気性がよいため、衣類や皮革製品などに適している。一般的な防水(撥水)スプレーにはフッ素系が配合されていることが多い。さらに水と油をはじくため、飲食物や泥などの防汚効果もある。
2. 防水スプレーの使い方と頻度

靴や服の汚れを落とす
汚れたままの状態で防水スプレーをかけると、撥水剤が付きにくくなり効果が長持ちしない。そのため、洗濯やお手入れ後のきれいな状態にしてからスプレーをかけるか、購入直後に行うのがおすすめだ。
シミや変色がおきないかテストする
目立たない場所にスプレーして、シミや変色がおきないかテストしよう。スプレーを吸い込むと気分が悪くなる場合もあるので、車内や閉め切った部屋の中は避けて、風通しのよい場所で行いたい。
対象物から離れてスプレーする
対象物から15㎝以上離れたところから、全体にまんべんなくスプレーする。手でさわってしっとりしている、湿っていると感じるぐらいがちょうどいい目安だ。また、2~3回に分けてスプレーするとムラになりにくい。
完全に乾くまで待つ
スプレー直後の撥水剤は繊維にしっかり定着していないので、すぐに着用・使用するのは避けたい。乾燥前の状態で濡れたりすると、撥水効果が薄れてしまうのだ。そのため、外出直前にスプレーするのは避けたほうがよいだろう。乾かす時間に関しては、各メーカー指定の時間を守ることをおすすめする。
防水スプレーの頻度
防水スプレーは使用して洗濯することで効果が減少するので、その都度スプレーしておきたい。また摩擦に弱いため、着用のたびに効果が落ちることを認識しておこう。靴や鞄などの皮革製品は1~2か月に1回の目安でスプレーすることをおすすめする。
3. 防水スプレーの機能を上げるおすすめの使い方

噴射時間
数秒程度の噴射では十分な撥水効果は期待できない。たとえばスラックスは70秒程度、コートは100秒程度、スキーウェアは120秒程度が目安となるが、各メーカーで異なる場合があるので確認しておいたほうがよいだろう。
雨・雪対策
衣類の外側と裾の内側に防水スプレーをすれば、多少の雨雪でも撥水効果は期待できる。さらに、スプレーをしてよく乾燥させた後に再度スプレーすると撥水効果は倍増する。
変色を避けるために、用途によって使い分ける
市販の防水スプレーは、衣類・布、皮革製品、金属などの素材別で溶剤が異なっているので注意が必要だ。たとえばアルコール系の溶剤が含まれる衣類・布用スプレーを革靴にかけると、染料や仕上げ剤と反応して変色してしまう。
そのため、使用する際は必ず専用の防水スプレーを選んでほしい。また、毛皮、人工皮革、絹、和服、ビニールやポリウレタンなどの加工品、白色のバッグ・靴などは、防水スプレー厳禁である。
そのため、使用する際は必ず専用の防水スプレーを選んでほしい。また、毛皮、人工皮革、絹、和服、ビニールやポリウレタンなどの加工品、白色のバッグ・靴などは、防水スプレー厳禁である。
100均の防水スプレーの効果は?
100円均一の防水スプレーは綿やナイロン製品などに使えるが、事前に目立たない場所にスプレーして、シミや変色がおきないかテストしてから使用しよう。一般的な防水スプレーと同じように本革、合成皮革、毛皮、絹などには使えないので注意が必要だ。
おすすめの防水スプレー
ある大手メーカーでは、スプレーして約1分で防水効果を発揮する商品を販売している。乾かす時間を短縮できるため、急いでいる時におすすめだ。また、シミになりやすいスウェード製品にも使える防水スプレーもある。
結論
市販の防水スプレーは、撥水と防汚効果を兼ね備えており、雨や汚れから衣類や靴、鞄などを守ってくれる。また、衣類用や皮革用、金属用など素材ごとに種類があるので、それぞれ揃えておくのもよいだろう。子どもの上履きや布製のバックにスプレーしておけば、汚れがつきにくくなる。さらに、日傘やアウトドア用品にも使用できるので、家庭に常備しておきたいものである。