目次
- 背縫いが背中の真ん中を通るように衿先を合わせる
- 左側が上に重なるように右側を下にする
- 腰ひもを一度後ろまで回し、交差して前へ持ってきたら結ぶ
- お腹まわりと背中にシワが残らないように浴衣を伸ばす
- 帯の端40〜50cmを手に取り縦に折る
- 手元に当てて長い方の帯を1回腰に回いて締める
- もう一度回し自然に伸ばした手の位置で残りの帯の長さを確認、手前に折る
- 身体の前で縦に折ったほうと交差させ、折っていない側を上に出す
- 折った側を斜めに上げて輪を作って通す
- 右手は帯の上を持ち、左手は下にして右回りで結び目を後ろに移動する
- 背縫いが背中の真ん中を通るように衿を持つ
- 衿を持ち上げたとき、裾をくるぶしの高さまでまっすぐ引き上げる
- 下側にくるほうを床から約10cm、上側は約6cm持ち上げて引き寄せる
- 腰ひもを腰に当てて後ろで一度交差させる
- 身八つ口に手を入れておはしょりの形を整える
- のどのくぼみで衿を合わせてフックか腰ひもを通して留める
- 背中のシワを両サイドへ流す
- おはしょりを押さえつつ伊達締めをする
- 伊達締めは後ろで交差させて前で2回交差する
- 長く余ったひもは縛ったところに挟み込んで帯板を入れる
1. 浴衣は右前?左前?どっち?

花火大会などで久しぶりに浴衣を着る際、毎年のように「衿(えり)はどちらが上だったか?」で悩むという方も多いのではないだろうか?
男女とも「右前=左が上」が正解
浴衣や着物の衿合わせは「右前」が正解である。ただし「右の衿が上」という意味ではない。ややこしいポイントだ。浴衣は男女問わず「右前」が正解だが、その右前とは「左の衿が上に来る」ことなので間違えないようにしよう。
「右前」「左が上」とはどのような状態か
右前というと右の衿が上にくるようなイメージだが、実際には逆である。このとき「前」という言葉の捉え方が重要になってくるので覚えておこう。「右前=右の衿が自分に近い=左の衿よりも手前にきている」という状態だ。男女でも同じだが、浴衣と着物でも同じである。
2. 「浴衣は右前で着る」を忘れない覚え方

「今度こそ絶対に覚えた」と思っていても、いつの間にか忘れてしまうのが人間である。そんなときに思い出すきっかけを知っておくとよいだろう。
相手から見たときの衿元が「y」に見える
浴衣や着物を着たとき、相手から見て衿元がアルファベットの小文字の「y」に見えているのが正解だ。これだけでも一生忘れないという方もいるのではないだろうか?
男性は洋服と同じ、女性は逆
もうひとつ、男性は洋服を切る場合と同じ、女性はその逆と覚える方法もある。シャツのボタンを留めるときにどちらが上になるかをイメージするとわかりやすいだろう。
右手を衿元に入れやすいほう
昔の人は懐に物を入れていた。ここから、利き手(右手)を入れやすいように左の衿が上にくるようになった、とする覚え方もある。
「右前」ではなく「左が上」と覚えてしまう
そもそも着物や浴衣は「左が上」と覚えてしまうのもよいだろう。ただしこの場合「右前」の意味をすっかり忘れてしまうと、いざ誰かに言われたときに混乱するおそれもあるため注意が必要だ。
鮮やかな柄が上になる
必ずしも、とはいえないケースもあるが、一般的な衿元に柄のある浴衣や着物の場合、上にくる柄のほうが下にくる柄よりも鮮やかであることが多い。柄で判断する方法もあると覚えておこう。
3. 浴衣を「左前」「右が上」で着ない理由とは?

なぜ浴衣や着物は「右前」「左が上」と決まっているのだろうか?「左前」「右が上」では着ない理由も、せっかくなので付け足しておきたい。
死装束や早死するなどと云われている
着物を「左前」「右が上」で着るのは、唯一、亡くなった方に着付ける「経帷子(きょうかたびら)」あるいは「死装束(しにしょうぞく)」と呼ばれる着物である。ここから、生きている方が左前で着ると早死する、など縁起が悪いものとして捉えられているのである。
4. 浴衣の正しい着方と帯の締め方

浴衣の正しい着方についても解説しておく。
必要なもの
帯、腰ひも、和装下着や肌着、女性用に帯板が必要だ。男性の肌着はVネックのTシャツやタンクトップでもよい。Uネックは首元から見えることを想定して避けた方が無難だ。また女性は腰ひもを2本用意するとよい。
男性の浴衣の着方
女性の浴衣の着方
結論
浴衣も着物も男女問わず「右前」「左の衿が上」である。毎年忘れてしまうという方も、ぜひ本稿を参考に忘れない覚え方でインプットしておこう。ワンタッチ帯なども登場しているが、どうせなら自分で着付けできたほうがよい。帯の締め方も種類がたくさんあるので、試しながら覚えてみるのもよいだろう。