目次
- 1. 体力をつける重要性とは?体力低下にともなうリスクを解説
- 2. 体力をつけるための基礎知識!運動・食事・睡眠どれも大切
- 3. 効果的に体力をつけるための6つのポイント
- 4. 体力がない40代50代、女性や子どもが手軽に体力をつける方法は?
- 5. 体力をつけたい方におすすめの筋トレメニュー3選
- 6. 体力をつけたい方のおすすめの有酸素運動メニュー3選
- 7. 体力をつけたい方におすすめの食事メニュー3選
- 8. 体力をつけるためのトレーニングはどれくらい続けるべき?
- 9. 体力をつけて疲れにくい身体を手に入れよう
- 男子:中学生以上の青年期(12〜19歳)の後半がピーク
- 女子:中学生以上の青年期(12〜19歳)の前半がピーク
- 1日の中で運動する時間を決めること
- 手軽にできる運動から始めること
- 習慣化するためにも継続させること
- 良質の睡眠を心がけること
- 栄養バランスが整った食事を摂ること
- いきなりハードトレーニングはしないこと
- つま先をやや外側に向け、足を肩幅程度に開いて立つ
- 背筋をしっかり伸ばし、腕は前に伸ばす
- 鼻から息を吸いながら、床と太ももが平行になるまで腰を落とす
- 口から息を吐きながら、元の位置まで戻る
- 15回×3セットを目標に繰り返す(インターバルは最長30秒)
- ヨガマットなどの上にうつ伏せになる
- 両肘から先の前腕とつま先だけで身体を持ち上げる
- 顔を前に向け、首からかかとまでを一直線にする
- その状態を30秒キープ×3セット繰り返す(インターバルは最長30秒)
- バーピージャンプ
- マウンテンクライマー
- プランク
- ランジ
- ツイストジャンプ
- スクワット
- ジャンピングジャック
- バイシクルクランチ
- マウンテンクライマー
- 膝つき腕立て伏せ
- バーピージャンプ
- 背筋を伸ばして胸を張り、顔をまっすぐ前に向ける
- 軽く顎を引き、肘を後ろに引くように振りながらやや速めに歩く
- 呼吸が乱れないよう、軽く会話ができるペースで30分3kmを目標に歩く
- 踏み台(階段)の前に立ち、背筋を伸ばして顔を前に向ける
- 肘を後ろに引くように振りながら、1段昇って降りる
- 10分×3セットを目標に繰り返す(インターバルは最長60秒)
- 入念にストレッチをして身体を水に慣らす
- プールに肩まで浸かり、真っすぐ立ったら顔を前に向ける
- 肘を曲げて腕を前後に振りながらやや大股で歩く
- 20分または3往復×3セットを目標に繰り返す
- ※1:令和2年度体力・運動能力調査報告書|スポーツ庁
https://www.mext.go.jp/sports/content/20210927-spt_kensport01-000018161_6.pdf
1. 体力をつける重要性とは?体力低下にともなうリスクを解説

人間は歳を重ねるにつれて体力が落ちてくる。とくに何もせずに健康体で暮らしていける方もいるが、やはり落ちた体力を取り戻す、または補うといった意識を持つことが大切だ。体力が落ちることで生じるリスクから、体力をつけることの重要性を考えてみよう。
体力には4つの要素がある
体力には「筋力」「瞬発力」「持久力」そして、それらをうまく使って身体をスムーズに動かすための「調整力」という4つの要素がある。さらに持久力は「筋持久力」と「心肺持久力(全身持久力)」に細分化できる。こうしたさまざまな要素をバランスよく鍛えることが大切だ。
体力が落ちてしまう原因
スポーツ庁「令和2年度 体力・運動能力調査報告書」(※1)では、体力および運動能力の総合評価の指標「新体力テスト」においてこのような結果となった。
ここから成人期(20〜64歳)、高齢期(65〜79歳)にかけては、男女とも加齢にともなって「直線的に」低下している。一般的に40〜50代はピーク時の50%程度、70代になると10%程度にまで低下するといわれている。
体力が落ちる理由はこのように「加齢」が大きいわけだが、それ以外にも運動不足や睡眠不足、ストレスや食生活の乱れ、喫煙や病気といったさまざまな要素が関わる。
【体力が落ちやすい人の傾向】
デスクワーク(テレワーク)で日常的に筋トレや軽い運動などをしていない方、そもそも運動をする習慣がない方、体を動かすこと自体が苦手な方などは体力が落ちやすいとされている。
不規則な生活リズムで慢性的に睡眠不足だったり、食生活が乱れていて十分な栄養素を摂取できていなかったりする方も、体力が落ちやすい。
体力の低下によって生じる3つのリスク
【抵抗力が弱まり感染症にかかりやすくなる】
体力が落ちてくると体の抵抗力も弱まってくる。風邪やインフルエンザなど、細菌やウイルスが原因の感染症にもかかりやすくなってしまうため注意が必要だ。逆をいえば、体力をつけること=抵抗力を保つことにもつながる。
【慢性的に疲れが抜けない状態が続きやすくなる】
体力が落ちていると、少し動いただけで疲労を感じやすくなる。それだけでなく、その疲れもなかなか抜けず、常に「なんとなく疲れた状態」「体が重い状態」などが続いてしまう。慢性疲労症候群だ。
【やる気や気力などが低下してしまうこともある】
慢性疲労症候群に陥ると「どうもやる気が起こらない」「以前は徒歩で行けた近所のスーパーだが、面倒なので車で行こう」など無気力状態になってしまうことがある。これでは体力が落ちるだけでなく、精神面でも老け込んでしまうおそれもある。
2. 体力をつけるための基礎知識!運動・食事・睡眠どれも大切

体力をつけるにあたって大切になるのが運動と食事、そして睡眠だ。具体的にこれらを掘り下げて解説しよう。
運動
【有酸素運動と無酸素運動】
運動は大きく「有酸素運動」と「無酸素運動」にわけられる。前者はウォーキングや縄跳び、水中歩行やジョギング、階段(踏み台)昇降など、後者は主に筋トレだ。
たとえば有酸素運動なら心肺持久力が鍛えられるし、筋トレなら筋力および筋持久力を鍛えられる。両者をバランスよく取り入れたメニューを組むことが大切になる。
食事
たとえば筋トレで筋力をアップさせるには「超回復」の時間が必要だ。超回復とは、傷ついた筋繊維に十分な栄養(食事)と休息(睡眠)を与えることで、筋肉が大きく成長するメカニズムを指す言葉である。筋トレと食事は密接につながっているというわけだ。
【意識して摂取したい栄養素】
「たんぱく質」「脂質」「糖質」「ビタミン」「ミネラル」の5大栄養素をバランスよく摂取することを意識したい。
とくに、たんぱく質は筋肉を作るもとになるため不足しないようなメニューを考えることが大切だ。もちろん、主食・主菜・副菜を3食しっかり摂ることも大事になる。
睡眠
筋肉の超回復に必要なことは栄養素だけではない。十分な休息、すなわち睡眠も大切になる。良質な睡眠は体力の低下を防ぐことにもつながるため、生活リズムを可能な限り整えて睡眠時間を確保できるようにしよう。
3. 効果的に体力をつけるための6つのポイント

体力をつけるためには運動・食事・睡眠が大切であるとお伝えした。続いては「効果的に」体力をつけるための6つのポイントをお伝えしよう。具体的には
である。それぞれ詳しく解説する。
ポイント1|1日の中で運動をする時間を決める
やる気満々なのは結構だが、続かなければ意味がない。まずは1日15分、夕食前といったように1日の中で運動する時間を決めて取り組もう。慣れてくれば時間を延ばしたり強度を上げたりしていけばよい。
ポイント2|手軽にできる運動から始める
運動をする習慣がほとんどなかった方は、ウォーキングまたは散歩など、ごく簡単かつ手軽に取り組める運動から始めることをおすすめする。
激しい運動をしようとしても体力が追いつかないし、挫折すればモチベーションも下がってしまう。ケガのリスクも生じるため、ごく簡単な運動から始めよう。
ポイント3|習慣化するためにも継続させる
即効性がないため体力をつけるには何よりも続けることが大切だ。習慣化に成功しさえすれば、日々のルーチンワークとなるため継続しやすい。そのためにも時間を決めたり、手軽にできる運動から始めたりすることがポイントとなる。
ポイント4|良質の睡眠を心がける
ただ睡眠時間を確保するだけでなく、質も追求しよう。枕やマットレスといった寝具が自分に合っているか、寝室の環境はどうかなどがポイントになる。
運動や食事と同様に、睡眠も体力をつけるための大切な要素であることを忘れないようにしたい。
ポイント5|栄養バランスが整った食事を摂る
肉や魚、大豆製品や卵、乳製品などには、筋肉を作るために必要なたんぱく質が多く含まれている。これらを意識して摂取しよう。また寝ている間に筋肉の修復などに使われるため、朝はたんぱく質が不足しがちだ。卵やヨーグルトなどで上手に補給しよう。
一方夜は、脂っこい食べ物や高カロリーなメニューは控えたほうがよい。これらを考慮しても栄養素が不足するという場合はサプリメントを活用したり、プロテインで補給したりする方法もある。
いきなりのハードトレーニングはNG
運動に慣れていない方がいきなりランニングをすると、膝や腰を痛めたり脱水症状を起こしたりするおそれがある。そこまで至らなくても、あまりにキツすぎて長続きしないといったことも想定される。基礎体力をつけてから徐々にハードにしていくほうが賢明だ。
4. 体力がない40代50代、女性や子どもが手軽に体力をつける方法は?

とりわけ体力の低下を身を以て実感する40〜50代の方や、女性あるいは子どもで体力に自信がないという方は、運動・食事・睡眠をいきなり整えるのが難しいこともあるだろう。
仕事や家事・育児に追われ決まった時間を確保できないという方もいるはずだ。そうした方は、たとえば次のようなことを心がけてみてはいかがだろうか?
階段を使うなどして日常的な運動量を増やす
運動に時間を割くのが難しくても、通勤・通学や買い物など日常生活の中で運動を取り入れることは可能だ。エスカレーターやエレベーターではなく階段を使う、1駅歩くといったことだけでも、運動量は増やせる。子どもなら、サッカーや水泳などの習い事もおすすめだ。
とにかく無理せず継続できる強度に設定する
10分でも15分でも運動の時間を確保できる方であれば、その時間内で無理なくこなせて継続しやすい強度の運動を取り入れよう。ウォーキング、縄跳び、踏み台昇降、ボルダリング、サイクリングなどなんでもよい。無理なくこなせる強度のものを見つけてほしい。
軽い筋トレを取り入れて筋持久力をアップさせる
たとえばウォーキングをするにあたっても、足や体幹の筋肉が不足しているとすぐに疲れてしまい、継続しにくくなるおそれがある。スクワットや腕立て伏せ、腹筋やプランク、ドローイングなど器具を使わず自宅で手軽にできる筋トレを取り入れて、筋持久力もつけておこう。
5. 体力をつけたい方におすすめの筋トレメニュー3選

筋トレを始めたいが、何をすればよいかわからないという方のために、おすすめメニューを紹介する。
スクワットとプランク
スクワットもプランクもその場でできる上、やり方も簡単で初心者にも取り組みやすい筋トレである。スクワットは大臀筋や大腿四頭筋、ハムストリングなど下半身の大きな筋肉を効率よく鍛えられる。一方プランクは腹筋など体幹を鍛えられる筋トレだ。
【スクワットのやり方】
【プランクのやり方】
サーキットトレーニング
いくつかの筋トレと有酸素運動を交互に繰り返すトレーニングのことをサーキットトレーニングという。脂肪燃焼、心肺持久力の向上、筋力や筋持久力の向上などが期待できる、短時間でも内容が濃いトレーニングだ。ある程度体力がついてきた方はぜひ取り入れてみよう。
【サーキットトレーニングのメニュー例】
HIITトレーニング
サーキットトレーニングと似ているが、より高強度の筋トレと有酸素運動をおこなうのがHIITトレーニングである。短時間で「追い込む」といったイメージだ。体力に自信が持てるようになった方はぜひ、HIITトレーニングにもチャレンジしてみてほしい。
【HIITトレーニングのメニュー例】
6. 体力をつけたい方のおすすめの有酸素運動メニュー3選

続いて、体力をつけたい方におすすめの有酸素運動のメニューをいくつか紹介する。
ウォーキング
外に出られる時間がある方、運動の習慣がなかった方などにおすすめなのがウォーキングである。ただし、ただ歩けばよいわけではない。正しいフォームやペースなどはきちんと身につけておこう。
【ウォーキングの正しいやり方】
踏み台昇降(階段昇降)
水泳(水中歩行)
7. 体力をつけたい方におすすめの食事メニュー3選

最後に食事だ。体力をつけたい方におすすめのメニューを紹介していこう。
たんぱく質の摂取におすすめのメニュー
筋肉の修復や、体の組織の再生に欠かせない栄養素である。不足すると疲れを感じやすくなる。筋肉作りはもちろん、免疫機能を低下させないためにもたんぱく質は重要だ。
肉や魚、たまごや大豆、乳製品などから摂取しよう。とくにビタミンB1も豊富に含まれる豚肉はおすすめだ。
鉄分の摂取におすすめのメニュー
鉄分が不足すると疲れやすくなるほか、貧血などの症状も起こしやすくなる。ひじきや青のり、ほうれんそうなどを積極的に摂取し鉄分不足を解消しよう。
なおサプリメントで補いたいという方も多いかもしれないが、鉄分の摂取過多には気をつけてほしい。便秘や胃腸障害、鉄沈着や亜鉛の吸収阻害といったリスクがあるためだ。
炭水化物の摂取におすすめのメニュー
体力をつけるためには、体を動かすエネルギー源、すなわち炭水化物が必要である。パンや麺類よりも、腹もちのよいご飯(お米)をしっかり食べて疲れにくい身体を目指そう。
もちろんバランスのとれた食事を意識することが大切だ。糖質を摂りすぎない、食欲がないときはスパイスを効かせる、旬の食べ物を摂るといった工夫も取り入れよう。
8. 体力をつけるためのトレーニングはどれくらい続けるべき?

体力をつけるためのトレーニングなどは即効性が期待できないとはわかっていても、先が見えなさすぎるのもまたモチベーションの低下につながってしまう。では具体的に、どれくらい継続すれば効果を実感できるようになるのだろうか?
最低でも3週間、筋トレなら3カ月は継続を
習慣化されるまでにかかる時間は3週間程度といわれている。まずは3週間継続することを目標にしよう。人にもよるが、その頃には多少なりとも変化を実感できる可能性がある。
筋トレは視覚的に効果がわかりやすいが、体力がついた、筋力や筋持久力がアップしたと実感できるようになるには3カ月かかるといわれている。根気よく継続することが大切だ。
9. 体力をつけて疲れにくい身体を手に入れよう

ひと口に「体力をつける」といっても、そのつけ方は人それぞれだ。だがお伝えしてきたように「運動」「食事」「睡眠」の3本柱が重要なことは忘れないようにしよう。
体力は放っておくとどんどん落ちてしまうが、意識とほんの少しの努力で一定レベルまで取り戻すことはできるといわれている。ぜひこれを機に、体力をつけるための筋トレや食事、睡眠を取り入れてみてはいかがだろうか?
結論
体力をつけるために必要なことは、特別なことではない。日々の生活の中でできることばかりなので、無理せず徐々に体力をつける意識で継続していこう。体力をつけるための運動と、栄養バランスが整った食事、質の良い睡眠を意識して疲れにくい体づくりを目指してほしい。
(参考文献)