目次
1. 筋肉量とは?筋肉の種類とは?

筋肉量とは、筋肉組織の重さのことである。筋肉組織というと、身体を動かしたり姿勢を保ったりする骨格筋を想像することが多いが、筋肉には心臓を動かすために「心筋」や、内臓壁や血管壁などを構成する「内臓筋」も存在する。一般的に「筋肉量」というとこれらの筋肉の全ての重さを指す。筋肉量は20代頃までは増加するが、その後は加齢とともに緩やかに減少する傾向がある。
筋肉にはどのような種類があるか?
・骨格筋:身体を動かすための筋肉。横紋筋/随意筋
・心筋:心臓を動かすための筋肉。横紋筋/不随意筋
・内臓筋:内臓壁や血管壁を構成する筋肉。平滑筋/不随意筋
・心筋:心臓を動かすための筋肉。横紋筋/不随意筋
・内臓筋:内臓壁や血管壁を構成する筋肉。平滑筋/不随意筋
2. 筋肉量の平均値|同年代の筋肉量はどれくらい?

2010年にまとめられた少し古いデータではあるが、『日本人筋肉量の加齢による特徴』(※1)を参考に筋肉量の性別・年齢別を紹介する。なお、筋肉量の目安値は体型によって異なるため、ここで紹介している平均値はあくまで参考程度として理解しておこう。また、こちらの筋肉量には水分量などが含まれている点には注意しよう。
【男性の筋肉量の平均値】
・18歳~24歳:52.5kg(171.3cm、64.2kg)
・25歳~34歳:52.6kg(170.7cm、68.0kg)
・35歳~44歳:53.6kg(170.9cm、70.4kg)
・45歳~54歳:52.7kg(169.6cm、68.9kg)
・55歳~64歳:50.6kg(167.0cm、67.1kg)
※()内の数値は身長と体重の平均値
・25歳~34歳:52.6kg(170.7cm、68.0kg)
・35歳~44歳:53.6kg(170.9cm、70.4kg)
・45歳~54歳:52.7kg(169.6cm、68.9kg)
・55歳~64歳:50.6kg(167.0cm、67.1kg)
※()内の数値は身長と体重の平均値
【女性の筋肉量の平均値】
・18歳~24歳:36.4kg(159.2cm、51.9kg)
・25歳~34歳:36.4kg(158.9cm、52.9kg)
・35歳~44歳:36.6kg(158.6cm、52.9kg)
・45歳~54歳:36.4kg(157.2cm、53.5kg)
・55歳~64歳:35.2kg(153.7cm、52.3kg)
※()内の数値は身長と体重の平均値
・25歳~34歳:36.4kg(158.9cm、52.9kg)
・35歳~44歳:36.6kg(158.6cm、52.9kg)
・45歳~54歳:36.4kg(157.2cm、53.5kg)
・55歳~64歳:35.2kg(153.7cm、52.3kg)
※()内の数値は身長と体重の平均値
3. 筋肉量を調べる2つの方法|測定方法と計算方法

筋肉量は、市販の体重体組成計などで測定するか、体重や体脂肪率を使い計算することで調べることが可能だ。ここでは筋肉量を調べるための方法について解説する。
1.体重体組成計で測定する
市販の体重体組成計の中には、筋肉量まで測定できる機種が多くある。これらを使用すれば簡単に現在の筋肉量を調べることが可能だ。なお、測定項目は筋肉量、骨格筋量、骨格筋率などがあるため、使用している体重体組成計で「何の数値を調べられるのか」を正しく把握することが重要になる。
2.体重と体脂肪率から計算する
筋肉量が調べられない場合でも、体重と体脂肪率がわかる場合は筋肉量を調べることが可能だ。ステップは「体脂肪量(kg)を求める」「除脂肪体重(kg)を求める」「筋肉量(kg)を求める」となっている。なお、一般的には「除脂肪体重のうち半分程度が筋肉量」といわれている。
【筋肉量の計算方法・手順】
・体重(kg)×体脂肪率(%)=体脂肪量(kg)
・体重(kg)-体脂肪量(kg)=除脂肪体重(kg)
・除脂肪体重(kg)×50%=筋肉量(kg)
※筋肉量(kg)÷体重(kg)=筋肉率(%)
・体重(kg)-体脂肪量(kg)=除脂肪体重(kg)
・除脂肪体重(kg)×50%=筋肉量(kg)
※筋肉量(kg)÷体重(kg)=筋肉率(%)
4. 筋肉率(骨格筋率)の判定基準|標準的な筋肉量

筋肉量の性別・年齢別の平均値は前述のとおりだが、標準的な筋肉量・筋肉率は体型によって異なる。そこで筋肉量の判定基準について確認しておこう。なお、筋肉量の判定基準はメーカーによって異なるため、ここではオムロンヘルスケアの「骨格筋率」を参考に判定基準を紹介する。(※2)
【男性の骨格筋率の判定基準】
・低い:5.0~32.8%
・標準:32.9~35.7%
・やや高い:35.8~37.3%
・高い:37.4~60.0%
・標準:32.9~35.7%
・やや高い:35.8~37.3%
・高い:37.4~60.0%
【女性の骨格筋率の判定基準】
・低い:5.0~25.8%
・標準:25.9~27.9%
・やや高い:28.0~29.0%
・高い:29.1~60.0%
・標準:25.9~27.9%
・やや高い:28.0~29.0%
・高い:29.1~60.0%
5. 筋肉量・筋肉率に関するよくある質問

最後に、筋肉量に関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.筋肉量は基礎代謝量にも関係するの?
基礎代謝量に影響する要因はいくつかあるが、その一つが「筋肉量」である。筋肉質な人と脂肪質の人を比べると、一般的には筋肉質の人のほうが基礎代謝量は多い。また、研究報告の中には「筋肉量が1kg増えると基礎代謝量が50kcal程度増える」としているものもある。そのため、ダイエットなどに取り組む際は、筋力トレーニングに取り組み基礎代謝量を増やすことが重要になる。
Q2.筋肉量が減ってしまう原因には何がある?
筋肉量は加齢とともに減るほか、運動不足や間違ったダイエットでも減ることがある。運動不足が続いているなら、積極的に身体を動かしたり、筋力トレーニングなどに取り組んだりするのがおすすめだ。また、食事は「1日3食」と「栄養バランス」などを心がけるのがポイントになる。筋肉量が少なくなると、将来的に「サルコペニア(身体的フレイル)」のリスクも高まるので注意しよう。
Q3.筋肉量を増やすにはどうしたら良いか?
効率よく筋肉量を増やすためには大きな筋肉を鍛えるのがおすすめだ。筋肉には大きさがあり、大臀筋(お尻)、大腿四頭筋(太ももの前側)、ハムストリング(太ももの裏側)などは大きいことで知られている。これらの部位はスクワットやランジなどの自重トレーニングで鍛えることも可能だ。
結論
筋肉には骨格筋・心筋・内臓筋があり、これらの重さのことを「筋肉量」という。このうち骨格筋はトレーニングで鍛えることができ、大きくすることも可能となっている。筋肉量が少ないと痩せにくいなどのデメリットもあるため、適度に筋力トレーニングなどに取り組むと良いだろう。
(参考文献)
- ※1:日本老年医学会雑誌「日本人筋肉量の加齢による特徴」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/47/1/47_1_52/_pdf/-char/ja - ※2:オムロンヘルスケア「体重体組成計でわかること」
https://www.healthcare.omron.co.jp/product/hbf/guide/02.html