目次
1. 寝る前に筋トレをするメリット

寝る前の筋トレにはメリットもデメリットもある。正しく理解したうえで判断することが大切だ。まずは寝る前に筋トレをするとどういったメリットがあるのか見ていこう。
成長ホルモンが筋肉の成長を促してくれる
睡眠中は成長ホルモンが分泌される。皮膚や髪、内臓などのダメージ回復に関わるホルモンであり、筋肉の修復にも寄与する。筋トレ後の血糖値が下がった状態で寝ることで、睡眠中の成長ホルモンの分泌量が増え、筋肉の成長が促されるといわれている。
筋肉の「超回復」にとって効率がよい
筋肉を大きくするためには、しっかりと「休息」を取ることが大切だ。ダメージを受けた筋繊維は、十分な栄養と休息を取ることでダメージを受ける前よりも大きく発達する。これを筋肉の超回復というが、寝る前に筋トレをおこなうことで睡眠という休息時間を自然に取り入れることになる。その結果、超回復の効率がよくなると考えられている。
ほどよい疲労感で寝付きがよくなる
うっすらと汗をかくくらいの「ほどよい疲労感」が残った状態で眠ると、寝付きがよくなり安眠できるといわれている。寝る前に筋トレをすることでそのほどよい疲労感が得られれば、睡眠の質の向上につながる可能性がある。
2. 寝る前に筋トレをするデメリット

一方、お伝えしたように寝る前の筋トレにはデメリットもある。どちらかといえば、このデメリットのほうを正しく理解しておくことが大切だろう。
十分な栄養を補給しにくい
筋トレ後の30分は、身体が筋肉を回復させるために注力する時間である。この時間にたんぱく質を摂取することが望ましいとされている。だが寝る前に筋トレをしてしまうと、そこからたんぱく質を摂取することが難しい。仮にたんぱく質を摂取した場合でも、睡眠中に消化活動をする内臓に大きな負担をかけてしまうことになるかもしれない。
寝付きが悪くなる、睡眠の質が低下するおそれがある
筋トレをすることで交感神経が優位に立つ。血管が収縮し、身体が覚醒していわゆる興奮状態に陥る。身体をリラックスさせる働きを持つ副交感神経よりも、覚醒させる交感神経が優位に立つことで寝付きにくくなったり、睡眠の質が低下したりするおそれがある。
激しい筋肉痛に見舞われるおそれがある
睡眠時間が十分に確保できない場合、休息が足りず筋肉にも疲労が残ったままとなれば筋肉痛を起こしてしまうおそれがある。高負荷の筋トレをした場合などはとくに注意が必要だ。
3. 寝る前に筋トレをすると「効果的」といわれる理由

寝る前の筋トレにはメリットもデメリットも存在する。一見するとデメリットやリスクのほうが大きいような気もするが、そもそも「寝る前の筋トレが効果的」という根拠はどこにあるのだろうか?
成長ホルモンの働きが関係している
すでに述べたように、筋肉の発達には「成長ホルモン」が欠かせない。筋肉や骨などを強くし脂肪を分解する作用があるホルモンで、血糖値が低い状態のときや睡眠中に多く分泌されるといわれている。筋トレをすると血糖値が下がるので、その状態で寝れば成長ホルモンの分泌量が増えて働きが高まり、筋肉の成長が促される。これが「寝る前の筋トレが効果的」という大きな根拠であろう。
4. 寝る前の筋トレのデメリットを回避するためには?

デメリットのほうが大きいように思える寝る前の筋トレだが、どうしてもその時間帯しか筋トレができないという方も中にはいるだろう。そんな方は、筋トレのやり方を工夫してほしい。
低負荷の筋トレを、疲れきらない程度でおこなう
具体的なメニューは後述するが、どうしても寝る前にしか筋トレの時間を作れないという方は、デメリットを少しでも回避するため、低負荷のメニューを軽め(うっすら汗をかく程度)におこなう程度に留めるとよいだろう。高負荷の筋トレをヘトヘトになるまでおこなってしまうと、疲労が十分に回復できなかったり、睡眠の質を低下させたりするおそれがあるので避けたほうがよい。
5. 筋トレは「寝る前」と「朝」どちらが効果的?

逆に朝に筋トレをした場合、どういった効果またはデメリットやリスクがあるのだろうか?「寝る前か、寝起きであれば時間が作れる」という方は、ぜひ知っておいたほうがよいだろう。
寝起きの筋トレのメリット
朝の寝起きに筋トレした場合、身体を目覚めさせたり、1日の代謝を上げたりするには効果的かもしれない。習慣化しやすいので継続性も優れているといえるだろう。
寝起きの筋トレのデメリット
寝起きは副交感神経が優位になっている。その状態で筋肉に負荷をかけても負担になってしまうおそれがあり、筋肉を鍛えるという目的に対して効果的であるとはいいがたい。また寝起きの筋トレは血管に負担がかかるため注意も必要である。
朝よりは寝る前がおすすめ
以上のことから「寝る前か寝起きしか時間が取れない」という方は、朝よりも寝る前に筋トレをするのがおすすめだ。
6. 寝る前の筋トレにおすすめのメニュー3選

寝る前に行う筋トレのおすすめメニューを3つ紹介しよう。いずれもご家庭で気軽に取り組めるメニューだ。床の汚れや階下への騒音が気になる場合は、トレーニングマットを敷くなどしよう。
プッシュアップ(膝つき)
プッシュアップとはいわゆる腕立て伏せのことだ。大胸筋や上腕三頭筋を鍛える効果があるほか、腹筋や体幹などにも刺激を与えられる。膝をつけると一般的なプッシュアップよりも負荷を小さくできるので、寝る前におこなうにはちょうどよい。10~20回程度×3セットあたりを目安にしよう。
プランク
腹筋とお尻の筋肉の引き締めに効果的で、体幹トレーニングのメニューとしてもよく知られているのがプランクだ。こちらも負荷が少ない筋トレなので、寝る前におこなうにはちょうどよい。うつ伏せになった状態から両肘を90度にして床につけ、肩幅に開いたつま先を立てて身体を支える。頭からかかとまで一直線にした状態を30秒ほどキープしよう。3セット程度がおすすめだ。
バックエクステンション
背中や太もも、お尻の筋肉を鍛えるのに効果的なのがバックエクステンションである。うつ伏せに寝転んだら両手を耳の後ろに回して固定し、お腹を床につけたままゆっくりと上半身を持ち上げる。限界のところで数秒キープしたらゆっくり元に戻る。10回×3セットほどがよいだろう。
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7. 寝る前に筋トレを意義あるものにするためのポイント

寝る前の筋トレを少しでも意義のあるものにするため、以下のようなポイントは押さえておこう。
筋トレ前後のストレッチは必須
ケガ防止のため、必ず筋トレ前後にはストレッチを取り入れよう。とくに筋トレ後のストレッチは、興奮状態を少しでも和らげる意味でも大切だ。ゆっくりと呼吸をして筋肉をほぐしたり伸ばしたりしよう。
入浴は筋トレを終えてから
筋トレ後は、可能であれば湯船に38〜40℃程度のお湯を溜めてゆっくり(といっても15分程度)浸かってほしい。身体を温めることで疲労回復を促したり、浮力でほどよく筋肉の緊張が解けたりするといったことが期待できる。
「寝る直前」は控える
あとは部屋着に着替えて寝るだけ、といった状態で筋トレをすることは控えよう。筋トレ直後の交感神経が優位な状態のままベッドに入っても眠りが浅く、筋肉の発達に重要な成長ホルモンの効果を十分に受けられなくなってしまう。
8. 寝る前に筋トレをする日の「食事」も重要

筋トレ後、お腹が空いて食事をしたくなるという方も多いかもしれない。だがお伝えしたように寝る前の食事は内臓に負担がかかるし太る原因になるおそれもある。睡眠の質が低下するといったリスクもあるため、寝る前に筋トレをしてからの食事はおすすめしない。
筋トレ後に何か食べたくなることが想定される場合、実際に寝る1時間ほど前までに筋トレを終わらせ、消化のよいバナナやおかゆ、たんぱく質を摂るためのプロテインなどを口にする程度に留めておくようにしよう。
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9. 寝る前の筋トレは低負荷のメニューを

可能であれば夕食前までに筋トレを済ませるのがおすすめだが、どうしても寝る前しか時間が作れないという方は、メリット・デメリットを正しく理解したうえで判断しよう。やる際は低負荷のメニューを選び、デメリットやリスクを少しでも回避して有意義なものにしてほしい。
結論
寝る前の筋トレには、成長ホルモンの働きによる筋肉の発達や、超回復の効率化による筋肉の成長などが期待できると考えられている。ただしデメリットも多いのでメニュー選びは慎重におこないたいところだ。もちろん日中や夕方などに時間が作れる方は、そうした時間帯に筋トレすることをおすすめする。