目次
- 1. 革靴にできる傷とは?
- 2. 革靴の傷を自分で補修する方法
- 3. 革靴の傷を自分で補修するときにやりがちな失敗
- 4. 革靴に傷ができるのを予防する方法
- 5. 革靴の傷をプロに修理してもらう選択肢もある
- 紙やすりと靴クリーナー、補修クリーム(アドカラーなど)を用意する
- 紙やすりを使って傷の周りを削り、凹凸をなくす
- 凹凸がなくなったら、靴クリーナーで汚れや削りカスを拭き取る
- 削った部分に、慎重に補修クリームを塗っていく
- 完全に乾いたら靴クリームで磨いて仕上げる
- えぐれた部分にアドベースを埋め込み、完全に乾かす
- 乾いたら、紙やすりで周囲との段差を削りなめらかにする
- 靴クリーナーで汚れや削りカスを拭き取る
- 削った部分を補修クリームでカバーする
- 完全に乾いたら靴クリームで磨いて仕上げる
1. 革靴にできる傷とは?

革靴の傷の種類によって修理方法が異なる。どういった傷が多く見られるのかを解説していこう。
すり傷
「すり傷」は革靴にできる傷でもっとも多いといってもよい。革靴同士が擦れたり、歩いているときに縁石や壁などに擦ってしまうといったことで生じる。気づかないうちにできている傷の代表だ。
えぐれ傷
つま先をぶつけてしまったときなどは、すり傷よりも深い「えぐれ傷」ができる。革の表面もめくれている状態だ。
コバ(靴底の側面)の傷
靴底の側面部分である「コバ」も、傷がつきやすい場所だ。意外と目立つので、放っておかずに補修してあげよう。
2. 革靴の傷を自分で補修する方法

革靴の傷を補修する際「紙やすり」と、絵の具のように色付けできる「補修クリーム」が活躍する。傷の種類ごとに直し方を紹介する。
すり傷の直し方
小さな擦り傷であれば普通の靴クリームを塗り、ブラッシングするだけでもかなり目立たなくできる。それでは対応できない傷は上記の手順で補修しよう。
【すり傷を直すときのポイント】
補修クリームは、単品で合う色がなければ数色混ぜて使えるタイプを選び、できるだけ革靴の色に近づけることが大切だ。色味が異なると修理の跡が目立つため、慎重に選ぼう。靴の色よりやや薄めの色を使うと乾いたときに目立ちにくい。また紙やすりで削るときは、目の粗いタイプで大雑把に削ってから細かいタイプでなめらかに整えるとよい。
えぐれ傷の直し方
えぐれのような深い傷は、パテとして「アドベース」という白色の補修クリームを使って埋める方法がおすすめだ。そのほかに用意するものはすり傷の補修のときと同じでよい。
【えぐれ傷を直すときのポイント】
アドベースはえぐれ部分にピンポイントで埋め込むように使うのがポイントだ。はみ出た分は拭き取り、できるだけ周囲に広げないようにするとキレイに仕上がる。アドカラーで色付けする前にホコリや削りカスをしっかり除去しておかないと、密着度が低下するので注意しよう。
コバの傷の直し方
コバと同系色の靴クリームで補修できる。クリームを少量とって布などで塗布し、磨いてあげれば目立たなくなるだろう。
小さな傷には油性マジックや補修ペンを使うとよい
じっくり補修する時間がないときの時短テクが「革靴と同系色の油性マジックを傷に塗る」という方法だ。応急処置としては十分なので、お急ぎの方は試してみてほしい。また同じ用途で革製品用の「補修ペン」というアイテムも販売されている。こちらも応急処置にピッタリだ。
3. 革靴の傷を自分で補修するときにやりがちな失敗

慣れていない方などは、革靴の傷を自分で補修する際に失敗してしまうことがある。回避するためのポイントとあわせて解説しよう。
補修した部分が目立ってしまう
一般的な傷の補修材は樹脂が主原料である。革靴と質感が異なるため、逆に境界線が目立ってしまうといった失敗はよくあることだ。回避するためには、正常な部分と修復する部分をいかになめらかにするかが大切になる。補修材の量や盛り方、ぼかし方など細かい技術が求められるため、慎重に作業に当たろう。
紙やすりで削りすぎてしまう
革の内側は毛羽立ちやすい。「紙やすりだけでできる限り傷を消したい」と削りすぎてしまうと毛羽立ってしまい、修復不能な状態に陥ってしまうこともある。これを防ぐには、傷は多少残ってよいと考え、削りすぎないようにすることが何より大切だ。少し残った傷を、補修材などでキレイに埋めていくという意識でよい。
4. 革靴に傷ができるのを予防する方法

革靴の傷を完全に防ぐには「履かない」といった非現実的な選択肢しかない。だが表面を保護することによって傷を軽減することは可能だ。
ワックスを塗布する
ワックスはツヤ出しのみならず、革を保護する効果もある。少しでも傷を予防(軽減)したいのであれば、お手入れの最後にワックスを塗布して保護しよう。深い傷ができるリスクを減らせるはずだ。
防水スプレー吹きかけておく
防水スプレーでも革を保護できる。雨や汚れによるシミを防ぎ、革靴を長持ちさせる効果もあるので、お手入れしたあとはできるだけ防水スプレーを吹きかけておくようにしよう。
5. 革靴の傷をプロに修理してもらう選択肢もある

本稿では革靴の傷を自分で補修する方法をメインにお伝えしてきた。たしかに革靴の軽度なすり傷などであれば、紙やすりや補修材などを使って自分で補修できる可能性がある。だが深いすり傷やえぐれ傷は細かい作業や技術が求められるため、慣れない方は難しいと感じるだろう。それに、高価な革靴などは絶対に失敗したくないはずだ。
チャレンジしたいところかもしれないが、悪目立ちしてしまったり、取り返しのつかない傷に発展させたりしてしまうリスクもある。少しでも不安な方は、費用こそかかるがプロに頼むことも検討しよう。
結論
革靴の傷の補修に役立つ「補修用クリーム」は、一般的なお手入れ用クリームとは違い、傷の補修や色付け専用のアイテムである。上手に使い分けるようにしよう。試し塗りしながらできる限り靴の色味に近づけることで補修の跡を目立たないようにできる。失敗したくない方は、最初からプロにお願いすることも考えよう。