1. 革靴には防水スプレーがおすすめな理由

まず革靴に防水スプレーをおすすめする理由は何なのか、そのメリットを確認してみたい。
雨や汚れを弾いて革の寿命を延ばす
革製品は水に濡れると、シミになったり縮んだり、カビが発生する危険がある。防水スプレーにより、水だけでなく汚れやホコリも弾くこともできるので、革へのダメージを最小限に抑えられる。また、コーティングのおかげで表面をサッとふき取るだけで汚れが落ちやすい。
ワックスなどより使い勝手がよい
ワックスやオイルにも革を保護する効果があるが、靴全体に薄く伸ばすには技術や手間が必要だ。その点防水スプレーは吹きかけるだけで、手軽に防水・保護ができるのもメリットである。
「フッ素系」防水スプレーなら通気性も確保
防水スプレーには「フッ素系」「シリコン系」の2種類がある。革製品には、繊維1本1本をコーティングして水を弾くフッ素系の防水スプレーが断然おすすめだ。防水効果と通気性の両立が可能である。
対して、表面を固めるシリコン系は通気性が悪く革の劣化を招いてしまうため、革製品にはおすすめできない。
対して、表面を固めるシリコン系は通気性が悪く革の劣化を招いてしまうため、革製品にはおすすめできない。
防水スプレーを革靴に使うデメリットは?
革靴に防水スプレーを使うと、「革の質感が変わる」「シミができる」という声もある。しかし、極端に近づけてスプレーしたり、同じ箇所に長時間噴射しなければ、こういった現象は起こりにくい。これらは、あくまで防水スプレーを正しく使うことで予防できるデメリットといえるだろう。
2. 防水スプレーをかけるタイミング

正しく使いさえすれば、革靴に防水スプレーをするメリットは十分ある。次は防水スプレーをかける最適なタイミングについて考えてみよう。
基本はお手入れのいちばん最後
防水スプレーは、お手入れの仕上げとして最後に使うのが基本だ。スプレー後に靴クリームを塗ってしまうと、せっかくのコーティングが剥がれて防水効果が弱まり、さらにクリームの浸透を妨げるというデメリットも生じる。
「防水スプレーで繊維をコーティングしてからクリームを使うほうがよい」という説もあるが、防水効果を第一に考えるなら、やはり靴クリームで革を保護したうえからスプレーをするのがおすすめである。
「防水スプレーで繊維をコーティングしてからクリームを使うほうがよい」という説もあるが、防水効果を第一に考えるなら、やはり靴クリームで革を保護したうえからスプレーをするのがおすすめである。
使う頻度は月一回ほど
防水スプレーの効果は大体1ヶ月ほど持続するので、月一回を目安に新しくスプレーするとよい。ただし頻繁に履く場合や、雨に降られてしまった場合は、防水効果が弱まるのでタイミングを早めよう。
鏡面磨きでピカピカにしたタイミングでは、使わないほうがよい
防水スプレーを使わない方がよいタイミングもある。それは、「靴をピカピカに磨いたとき」だ。晴れの日などに表面磨きをして靴をピカピカに仕上げることがあるが、その直後に防水スプレーをすると、表面が若干曇って見えてしまうことがある。そんなときだけは、防水スプレーをあきらめ靴の光沢を優先するほうがよいだろう。
3. 防水スプレーの正しい使い方と注意点

最後に革靴に防水スプレーをするときの正しい使い方と、使うときの注意点もチェックしておこう。
防水スプレーの正しい使い方
- 靴の汚れを落としてから使う
汚れやホコリの上からスプレーしてしまうと、汚れが一緒にコーティングされてしまうだけでなく、防水効果も下がる。ブラシやクリーナを使ってスプレーの前に靴の汚れをしっかり落とそう。
- 少し離したところから均一にかける
至近距離からかけてしまうとシミやムラができる危険がある。靴から20~30cm離して、全体に均一にスプレーをかけるとキレイに仕上がる。
防水スプレーを使う際の注意点
- 換気のよい場所で
防水スプレーには、吸い込むと有害になる撥水剤が使用されている。室内での使用は避け、説明書きの指示にしたがい、屋外や換気がしっかりしている場所で使用しよう。
- 吹きかけてからすぐに出かけるのはNG
防水スプレーは吹きかけてからコーティングが固まるまでに時間がかかるため、スプレーした直後に履いても思ったような効果が得られない。メーカーが推奨する待機時間が経過してから外出することも大事である。
結論
革靴に防水スプレーを使うことには否定的な意見もあるが、正しく使いさえすれば革を長持ちさせることになるため、基本は使うことをおすすめしたい。各メーカーの商品の説明書きをしっかり読み、「革に使えるかどうか」や「正しい使い方」を理解したうえで使えば、トラブルは避けられるはずである。