1. 革靴がひび割れる原因

革靴がひび割れてしまう原因は大きく分けて3つある。
乾燥
日頃からクリームなどでケアをしていない場合、徐々に革の油分が減ってしまい、乾燥からシワやひび割れが生じやすくなる。
クリームの使い過ぎ
逆に靴クリームを頻繁に塗りすぎても、通気性が損なわれ、最終的にクリームが酸化してひび割れを起こしてしまうことがある。
履きすぎによる劣化
歩くときの圧力でつま先にできたシワが、過度に履き続けることでひび割れに発展するケースもある。
2. 自分でできるひび割れの補修方法

革靴のひび割れは、最初は小さいシワから始まりやがて大きな裂け目へと変わってしまう。軽いひび割れと重度のひび割れでは補修方法も異なるので、それぞれ解説しよう。
軽いひび割れの補修方法
シワのような軽いひび割れであれば、靴クリームを使うことでケアできる。ブラシを使ってホコリを落としたあと、ひび割れ部分にクリームを塗りふたたびブラッシングをしよう。クリームがなじんでひび割れが目立たなくなるはずだ。
靴が汚れている場合は、靴クリーナーを使って汚れを落としてから作業すると、クリームの浸透性を高められる。
靴が汚れている場合は、靴クリーナーを使って汚れを落としてから作業すると、クリームの浸透性を高められる。
重度のひび割れの補修方法
大きなひび割れでも、表面をやすりで削り、パテ(補修用クリーム)で埋めるという手順でかなり目立たなくすることが可能だ。丁寧な作業が必要になるが、一度覚えてしまえばほかの革靴・革製品に応用もできるので、やる気のある人は挑戦してみよう。
【用意するもの】
- 紙やすり
- アドカラーなど補修用のクリーム
- 靴クリーム
- 靴用ブラシ
- クロス
補修用クリームは、パテとして溝を埋めながら、色を付けることもできる絵の具のようなアイテム。パレットや筆が付いた本格的な「靴補修セット」も売られているので、こだわりたい人は手に入れてみよう。
【手順】
- 紙やすりを使い、ひび割れの周辺を削って凹凸をなめらかにする
- 削った部分に靴の色に合った補修用クリームを塗る
- 完全に乾くまで待つ
- 乾いたら靴クリームを塗り、ブラシやクロスで磨き上げれば完了
やすりを使ってひび割れを直すときは、その後に塗る補修クリームの色味が肝心だ。修復した部分が浮いてしまわないよう、できれば靴の目立たない部分に試し塗りして確かめてみるのがおすすめ。単色で合う色がなければ複数の色を混ぜて使ってもよい。詳しい使い方については、各メーカーの説明を参照にしてほしい。
ぱっくりと裂けたひび割れはプロに任せるのが吉
革が裂けてしまうほどのひどいひび割れは、やすりや補修用クリームでも修復が難しい。靴修理の専門店では「チャールズパッチ」という革を貼る方法で対応してくれる場合もあるので、裂け目が大きいひび割れであれば、プロの力を借りるのもひとつの手だ。
3. 革靴のひび割れを予防する方法

ひび割れは一度できると厄介なので、日頃のお手入れで予防することが重要だ。革靴を買ったら、必ず実践するべきひび割れの予防法も紹介しておこう。
日常的にブラッシングをする
靴にホコリが付着していると、革の乾燥が進みひび割れの原因になってしまう。履いた後にはブラッシングをしてホコリや汚れを落とし、シューキーパーを入れてシワを伸ばしながら休ませよう。このステップだけでも、十分ひび割れの予防になる。
月一回はクリームを使ったお手入れを
月一回を目安に、靴クリームで保湿をしてあげることも大切だ。クリーナーでしっかり汚れを落としたあと、靴クリームを全体に伸ばし豚毛ブラシでなじませよう。革を潤いで保護することで、ひび割れのできにくい状態をキープできる。
結論
革靴の多少のひび割れは、革ならではの「味」でもある。しかし、あまりに目立ってくると手入れ不足という印象になってしまうので気を付けたい。ある程度のひび割れなら、やすりで削ったあと補修クリームでカバーすることで目立たなくできる。ただし、元どおりの状態には戻せないので、ひび割れを見つけたら放置せず、初期段階でケアしてあげることが大切だ。