1. 革靴のかかとを修理するべきタイミング
革靴のかかとの一番外側は、トップリフトという層で保護されている。このトップリフトが「すべてすり減ってしまう直前」が、修理をする最もおすすめのタイミングだ。もしこの時点で修理に出せばトップリフトの交換のみでOKだが、その内側の革の層まで削れてしまうと修理代も上がってしまう。
また、トップリフトより上が削れ始めると、すり減るペースが速くなりどんどん靴が傾いてしまうので気を付けたい。トップリフトとソール本体の境目をチェックしておくと、修理のタイミングが分かりやすいはずだ。
また、トップリフトより上が削れ始めると、すり減るペースが速くなりどんどん靴が傾いてしまうので気を付けたい。トップリフトとソール本体の境目をチェックしておくと、修理のタイミングが分かりやすいはずだ。
2. 削れたかかとを自分で修理する方法
修理に出すお金を節約したい!という場合は、「かかと補修用のグッズ」を使って自分で修理をしてしまうのが賢い方法である。
靴底補修材を使った方法
靴底補修材は、パテのように削れた部分に塗って乾かすだけのお手軽アイテム。修理のために必要なのは、サンドペーパーとヘラ、透明なポリ版(なくても可)だ。
- サンドペーパーですり減った部分を滑らかにしておく
- ポリ版をかかとの輪郭に沿ってぐるっと貼り付ける(補修材をはみ出さずに塗るため)
- すり減ったところに補修材を塗りこみ、ヘラで整える
- 24時間以上、完全に乾かす
補修材を塗った箇所が盛り上がっていると履いたとき違和感が出るので、できるだけ表面を平らに整えるのがポイントだ。凸凹になってしまったら、乾いたあとサンドペーパーで削り高さを揃えるとよい。補修材・ヘラ・サンドペーパーがセットになった「シューズドクターN」などが、よく知られた商品だ。
トップリフトを交換する方法
トップリフトを丸ごと交換するという方法は、少々手間がかかるが補修したことが分かりにくいというメリットがある。
【用意するもの】
- 新しいトップリフト
- ゴム用接着剤
- ドライバー(くぎ抜きなどでもOK)
- ヤスリ
- ハンマー
- カッター
【手順】
- 古いトップリフトをドライバーなどを使って剥がす
- 剥がしたところをヤスリがけし、あえて荒らしておく(接着剤の密着度を高めるため)
- 新しいトップリフトと、靴底の両方に接着剤を塗る
- ある程度乾いてから2つを貼り合わせ、ハンマーで叩いて圧着する
- はみ出たトップリフトをカッターで切り落とせば完了
ゴム用接着剤は、表面がべた付かなくなるくらいまで固まったほうが接着力がアップする。10~20分ほど放置し、様子を見ながらくっつけてみよう。さらに付ける前にドライヤーの熱風を当てると接着力が増すため、できればこのひと手間を加えてみてほしい。
ハンマーで圧着させるときは、立てた空き缶などに靴を逆さにはめてから叩くと安定する。
ハンマーで圧着させるときは、立てた空き缶などに靴を逆さにはめてから叩くと安定する。
部分用の靴補修プレートを付ける方法
さらに簡単な方法として、削れた箇所に部分用の補修プレートを付けるという方法がある。かかと用の補修プレートはホームセンターや100均、通販などで手に入るので、手軽に修理を済ませたい人におすすめだ。
3. 革靴のかかとのすり減りを予防する方法
かかとのすり減りを予防する方法のひとつは、新品のうちに「かかと用補修プレート」で補強しておくことだ。削れやすい箇所をあらかじめ保護しておけば、プレート交換のみで長く履ける。もうひとつは、歩き方の改善である。
かかとがすり減る大きな原因は歩き方
すぐに靴のかかとがすり減ってしまう人は、重心が外側や左右どちらかに傾いていたり、足を引きずり気味に歩いている場合がほとんど。姿勢を正し、かかと全面を地面にしっかりと着地させながら最後にけり出すイメージで歩いてみよう。それだけでもかかとのすり減りを予防できるといわれているので、実践してみてほしい。
また、サイズが大きい革靴を履いていても、引きずってしまいかかとが減る原因になる。靴のサイズ感にも気を付けよう。
また、サイズが大きい革靴を履いていても、引きずってしまいかかとが減る原因になる。靴のサイズ感にも気を付けよう。
結論
高級な革靴を履いていても、かかとがすり減っていると「手入れ不足」という印象を持たれてしまう。さらに歩き方に悪影響が出ることもあるので、放置するのは危険だ。トップリフトという靴底の外側の層が、全部すり減ってしまう前に修理をするのがベストタイミング。定期的に靴底をチェックして、靴のバランスが悪くなる前に修理するよう心がけてほしい。