目次
1. 加齢臭の原因物質はノネナール

加齢臭の原因は、皮脂腺の中にあるパルミトオレイン酸と過酸化脂質がくっついて出来る「ノネナール」という物質が大きく関係している。ノネナールは日常生活において脂質や活性酸素が体内に発生するほど増えていく物質であるため、不摂生な生活を送っている方はとくに加齢臭が強くなりやすい。身体から湿った古本のようなニオイ・カビのような青臭いニオイ・ロウソクのような油臭いニオイが漂っている方は、ノネナールが増えている証拠なので、体臭対策と共に生活習慣の改善を行っていくことが必要だ。
加齢臭と間違えやすいミドル脂臭とは
30代~40代にかけては、加齢臭とよく間違えられるミドル脂臭が発生しやすい。ミドル脂臭の原因はジアセチルと呼ばれるもので、ノネナールとは異なる物質だ。加齢臭とはまた違ったニオイで、古びた油のニオイとたとえられることが多い。ジアセチルは汗に含まれている乳酸が皮膚上のブドウ球菌によって分解されることで発生する。
2. 加齢臭の原因物質は女性よりも男性が多い

加齢臭は男女ともに発生するニオイだが、性別で比較すると男性の割合が圧倒的に多い。その原因として考えられるのが性ホルモンの違いだ。加齢臭の原因となる皮脂は、男性ホルモンによって分泌量が増加する。逆にいえば男性ホルモンが減少する60~70代頃になると、加齢臭はほとんど感じない。
また、男性に対して女性の加齢臭が目立たないのは、女性ホルモンによって皮脂の酸化が抑えられているからだ。女性ホルモンには抗酸化作用があり、男性ホルモンよりも割合が多い時は加齢臭の原因物質を抑制することができる。しかし、女性ホルモンも加齢とともに減少するため、女性の場合は更年期を迎える頃に加齢臭が発生しやすい。
また、男性に対して女性の加齢臭が目立たないのは、女性ホルモンによって皮脂の酸化が抑えられているからだ。女性ホルモンには抗酸化作用があり、男性ホルモンよりも割合が多い時は加齢臭の原因物質を抑制することができる。しかし、女性ホルモンも加齢とともに減少するため、女性の場合は更年期を迎える頃に加齢臭が発生しやすい。
3. 加齢臭の原因は「生活習慣病」とも大きく関係

加齢臭が強い場合は、生活習慣病が原因となっている可能性も考えられる。なぜなら、生活習慣病にかかると血液中にコレステロールや中性脂肪などの脂質が蓄積されて、加齢臭の原因物質が増加してしまうからだ。加えて、加齢臭はストレスとの関わりも深い。ストレスを感じることが多くなると、脂質の酸化を進める活性酸素が増加し、加齢臭がさらにきつくなってしまうからだ。加齢臭がひどいと感じたら、まずは生活習慣病の検査やストレスチェックなどを行ってみるといいだろう。
4. 加齢臭の原因を知ったら9つの対策を

今回紹介した加齢臭の原因をしっかり押さえて、日常生活でできる対策方法を取り入れよう。ここではすぐにできる9つの加齢臭対策方法について紹介する。
対策1.身体は常に清潔にしておく
一番の対策方法は、何といっても身体を常にキレイにしておくことだ。汗をかいたらハンカチやタオルで拭く、毎日のお風呂で余分な皮脂を洗い流すなど、基本的な対策はきちんと行おう。なお、お風呂に入る時は汗腺がしっかりと開くように、シャワーではなく浴槽を利用するのがおすすめだ。ゴシゴシ洗いは肌が乾燥して余計に皮脂が分泌されやすいので、泡でやさしく身体を洗おう。
対策2.有酸素運動を取り入れる
有酸素運動は体内の脂質を減らし、加齢臭の原因物質の発生抑制に一役買ってくれる。さらに生活習慣病予防にも効果的で一石二鳥なのだ。ただし、激しすぎる運動はミドル脂臭の原因となる乳酸を増やしてしまうため、運動量には注意してほしい。ウォーキングやランニングなど、適度な運動を心がけよう。
対策3.防臭効果の高いインナーを着る
加齢臭は胸元や背中、脇からもニオイが発生しやすい。そこでおすすめしたいのが、防臭効果の高いインナーを着用することだ。吸水性・速乾性に優れているインナーなら、汗はもちろん、加齢臭もカバーすることができる。同様に、頭皮から漂う加齢臭が気になる方は、防臭効果のある枕なども使ってみるといいだろう。
対策4.こまめにニオイのケアを行う
加齢臭を抑えるためには、こまめなケアで皮脂の酸化を防ぐことがポイントだ。汗をかいたらすぐにハンカチでふき取り、帰宅後はスーツなどの衣類を必ず消臭するように心がけよう。加えて、加齢臭に効果的なサプリメントや、デオドランド効果のある石鹸を使うのもおすすめだ。タンニン・カテキン・ミョウバンなど、加齢臭の原因物質にアプローチする成分が含まれているものを選んでニオイのケアを行っていこう。
対策5.ストレスを溜め込まない
加齢臭の原因物質を増やさないためには、ストレスを溜め込まないことも大事だ。加齢臭を気にしているうちはストレスが溜まりやすいが、たまにはニオイを気にせず、自分の好きなことでストレスを発散しよう。
対策6.たばこを控える
喫煙もストレスと同様、加齢臭の原因となる活性酸素を発生させるため、なるべくなら控えておきたいところだ。たばこは煙自体も臭く、加齢臭と混ざると強烈なニオイになる。また、たばこは加齢臭だけではなく、そのほかの体臭や口臭も発生しやすい。生活習慣病の原因ともなるので、辞められそうな方はぜひ禁煙にチャレンジしてみよう。
対策7.アルコールを摂りすぎない
アルコールは体温を上げて発汗を促す作用があるため、飲みすぎると体臭がきつくなる。同時に、疲労臭と呼ばれるツンとした体臭も発生するため、加齢臭を強める可能性が高い。嗜む程度であれば問題ないが、加齢臭が気になる方は飲みすぎないように注意が必要だ。
対策8.過度なダイエットをしない
加齢臭は比較的メタボ気味の方に多く見られる。しかし、ニオイが気になるからといって、急に過度なダイエットを始めるのは体臭を強めてしまう元だ。極端な食事制限や行き過ぎたダイエットは体内にケトン体というニオイの原因物質が増えるため、加齢臭とは違う「ダイエット臭」が発生しやすい。体臭をケアするのであれば、過度なダイエットよりも適度な運動で体型を変えていこう。
対策9.加齢臭を抑える食生活を心がける
加齢臭を抑えるためには、原因物質の原料となる動物性脂肪(肉・卵・バター・チーズなど)の摂取を減らし、和食を中心とした食事を摂り入れるように心がけよう。加えて、ビタミンC・ビタミンE・食物繊維が含まれている食材には抗酸化作用があるため、加齢臭が気になる方はぜひ積極的に摂ってほしい。
5. 加齢臭の原因を知って正しく対策をしよう

加齢臭は汗や皮脂を抑えることである程度改善されるが、根本的な原因であるノネナールの増加を防ぐためには内側からのケアが重要だ。
加齢臭が出やすい人の生活習慣
- 肉類や揚げ物、ジャンクフードなどの食事を好む
- たばこを吸っている
- お酒をたくさん飲む
- 睡眠時間が短い
- ストレスが溜まりやすい
- 運動はほとんどしない
当てはまる数が多い方は、早速今日から生活習慣を見直していこう。
結論
加齢臭はノネナールが増加することでニオイが強くなるが、その原因物質は内的要因で発生することがほとんどだ。いくら外側のケアをしても、内的要因を改善しないうちは時間の経過とともにニオイが発生しやすいので、加齢臭をより改善していきたい方はぜひ加齢臭が出にくい生活習慣を心がけてみよう。