1. 毎日筋トレは、しないほうがいい?

筋肉が増強するメカニズム
筋肉は一度筋繊維が破壊された後、それが修復する課程でより強く大きくなろうとする性質がある。つまり筋トレで傷ついた筋肉は食事などで栄養素を取り込みながら修復し、休息と睡眠で得られる成長ホルモンに後押しされて大きくなるのだ。この筋肉増強のメカニズムを「超回復」という。
超回復にかかる時間は、24~72時間
超回復にかかる時間は筋肉によって異なるが、おおむね、24~72時間とされている。その間は栄養と休息を充分にとって、筋肉が回復するのを待つのが正しい増強法だ。逆に回復していないのに筋トレを行うと筋肉の破壊が繰り返されるため、逆効果になりかねない。これが筋トレを毎日しないほうがいい理由である。
毎日の筋トレは効果が少ない
筋トレを毎日しないほうがいいのは、筋肉が自力で修復して筋トレ以前よりも強くなろうとしているのを途中で阻止することになるからだ。筋トレで筋繊維を傷つけることで、筋肉痛などの症状があらわれる。筋肉痛の痛みがあると筋肉に負荷をかけにくくなるので、筋トレの効果も乏しくなってしまう。せっかくの筋トレが無駄になってしまうため、毎日の筋トレはしないほうがいいのだ。
2. 腹筋の超回復期間は24時間以上。毎日筋トレは難しい

部位別の超回復期間
腹筋や背筋、上腕筋などが修復するのにかかる超回復時間は、おおむね下記のように整理される。ただし、個人差や条件の違い、筋トレの熟練度などによっても異なるので、あくまでも目安として考えてほしい。
1.上半身の筋肉
おおよそ48時間と、比較的長い時間がかかる。
- 大胸筋:48時間
- 三角筋:48時間
- 上腕三頭筋:48時間
- 僧帽筋:48時間
- 広背筋:48時間
- 上腕二頭筋:48時間
2.体幹を支える筋肉
腹筋は回復期間が短いが、背筋の回復には長時間必要だ。
- 腹筋群:24時間
- 長背筋群:72時間
3.下半身の筋肉
大きな筋肉が多いため、回復にも時間がかかる。
- 大臀筋:48時間
- 大腿四頭筋:72時間
- 大腿二頭筋:72時間
4.手足の筋肉
比較的短めだが、各種のトレーニングで負荷がかかることが多く、次の筋トレのスタート時期は、慎重に考える必要がある。
- 前腕筋群:24時間
- 下腿三頭筋:24時間
3. 筋肉痛など、毎日筋トレの弊害

超回復前の筋トレによる筋肉痛
筋肉痛がおきているということは筋肉の一部が損傷している証拠である。そんなときに筋トレで筋肉に強い負荷をかけると逆効果になり、ひどい場合は肉離れをおこすことになりかねない。部位によって超回復にかかる時間は異なるが、筋肉痛がある場合は2~3日休息しなければならないと考えておこう。
肉離れや靱帯損傷も
筋肉痛が出て筋繊維が回復していない状況で筋トレを続けると、肉離れや靭帯損傷などの発生率が高まる。また、筋肉系のケガに留まらず、内臓系をはじめとした、さまざまな障害を引き起こすことにもなりかねない。毎日のムリな筋トレは、絶対に避けるようにしよう。
結論
筋肉は、損傷したのちに栄養を摂りながら増強する「超回復」の時間がある。超回復には24時間以上かかるので、筋トレは毎日しないほうがよいだろう。回復が充分でない状態で筋トレを行うと、筋肉痛や肉離れ、靱帯損傷などの大きなケガになりかねない。これらのことを踏まえて、ムリな毎日筋トレはやめるようにしよう。