目次
1. 「つぼ」と「反射区」の違い

足つぼマッサージの前に「つぼ」と「反射区」の違いについて簡単に解説しておこう。同じ意味で捉えている方も多いかもしれないが、両者には違いがある。
つぼは「点」、反射区は「面」
ざっくりいうと、つぼは点、反射区は面である。「経穴(けいけつ)」と呼ばれる1点=ポイントを刺激し、疲労回復や身体の調子を整えるのが、つぼ押しや鍼灸といった施術だ。一方、同じように疲労回復や身体の調子を整えるといった目的ではあるが、1点ではなく「ゾーン」が反射区であり、その反射区を刺激する施術の代表がリフレクソロジーである。
「つぼ=反射区」と認識されている方も多く、また解説の都度「つぼ」「反射区」が登場すると非常に読みにくいと思われるため、本稿では便宜上両者をほぼ同義と捉え、これ以降「足つぼマッサージ」として解説を進めさせていただく。だが厳密には違いがあることは知っておいてほしい。
「つぼ=反射区」と認識されている方も多く、また解説の都度「つぼ」「反射区」が登場すると非常に読みにくいと思われるため、本稿では便宜上両者をほぼ同義と捉え、これ以降「足つぼマッサージ」として解説を進めさせていただく。だが厳密には違いがあることは知っておいてほしい。
2. 足つぼマッサージに期待できる効果とは?

実際のところ、足つぼマッサージにはどんな効果が期待できるのだろうか。
全身の不調を改善する効果
足裏には全身の内臓や器官とつながるつぼや反射区が存在する。マッサージでこれらを刺激することで、つながっている内臓や器官が活性化される。足つぼマッサージには全身の不調を改善する効果が期待できるのだ。
血流改善や老廃物の排出を促す効果
心臓から離れている足は血流が悪くなりやすい。加えて水分や老廃物などが重力で下に移動し足に溜まりがちになる。これらは冷えやむくみを招く原因だ。足つぼマッサージには、血流改善や老廃物の排出を促す効果が期待できる。
身体のバランスを整える効果
常に体重がかかる足裏は疲れやすく、筋肉も固くなりがちだ。知らずのうちに身体全体のバランスが崩れ、特定の部位に負担がかかることで腰痛や肩こりなどを招く場合がある。足つぼマッサージで血流を改善し、筋肉をほぐし、身体のバランスを整えることは、腰痛や肩こりの改善につながる効果も期待できる。
リラックス効果
お店で足つぼマッサージやリフレクソロジーの施術を受けてうとうとしてしまった経験のある方は感覚がお分かりだろう。不調が軽減されたり、血流の改善によって身体が温まったりしてくれば、おのずと気持ちも落ち着きリラックスしてくる。
3. 足つぼマッサージにはダイエット効果も期待できる?

足つぼマッサージのみでダイエットができれば誰も苦労はしないが、ダイエットをサポートする効果は期待できるかもしれない。
脂肪の燃焼を助けるつぼ「太陽神経叢」
太陽神経叢(たいようしんけいそう)と呼ばれるつぼは、代謝を活発にする効果があることから、脂肪燃焼を助けるつぼともいわれている。足裏の人差し指の付け根から数センチかかと側にある。足裏を「グー」にして凹むところあたりだ。つぼを真下に押すよりも、つま先のほうに押し込むイメージで刺激するとよいとされる。
食欲を抑えるつぼ「厲兌」「湧泉」
厲兌(れいだ)と呼ばれるつぼは、胃の機能を鈍らせることで食欲を抑える効果があるといわれている。足の甲、人差し指の爪の付け根にある。そこから人差し指の付け根くらいまでを、優しく揉むように刺激してみよう。
また湧泉(ゆうせん)には、ホルモンのバランスを整えることで過食を抑えるといった効果が期待できるという。足裏の土踏まずからやや人差し指よりに向かった、少しだけくぼんだ部分にある。こちらはグーッとゆっくり押し込むように刺激をしよう。
また湧泉(ゆうせん)には、ホルモンのバランスを整えることで過食を抑えるといった効果が期待できるという。足裏の土踏まずからやや人差し指よりに向かった、少しだけくぼんだ部分にある。こちらはグーッとゆっくり押し込むように刺激をしよう。
4. 足つぼマッサージが痛いと感じる原因は?

ときに、足つぼマッサージでは痛みを感じることがある。その原因は何なのだろうか。単純に「歩きすぎて足が疲れている」「ケガをしている」といったこともあるが、それ以外のケースについて解説する。
身体のどこかに不調をきたしている
足つぼマッサージで痛みを感じた場合、つながっている内臓や器官などになんらかの不調が生じていることが原因かもしれない。とはいえ、むしろ痛い部分を見つけることができれば、身体のどこに不調が生じているのかおおよそ見当がつくため、その先の適切な対処につながりやすい。
老廃物が溜まっている
足裏に溜まる老廃物は固まって「しこり」のようになることがある。足つぼマッサージの際、老廃物のしこりが神経を刺激することによって痛みを感じる場合がある。足つぼマッサージで凝り固まった老廃物をほぐそう。
5. 足つぼマッサージによる痛みは我慢しないほうがよい?

足つぼマッサージを受けている方が、痛みでのたうち回っているシーンや苦痛に顔を歪めているシーンなどを目にしたことがある方もいるだろう。「痛みは効果がある証拠」と思い、必死で我慢するという方もいるはずだ。果たして、本当に我慢すべきなのだろうか?
「痛気持ちいい」くらいがちょうどよい
「ほんの少し押しただけでも強い痛みが生じる」という場合は、そこにつながる内蔵や器官に大きな不調が生じているおそれがある。だがそれ以外のケースにおいて、足つぼマッサージは激しく痛むほどの強い刺激を与える必要はない。
そもそも、必死で我慢しなければならないほどの痛みを感じていては、身体は緊張し筋肉も固まってしまう。肩がこったり食いしばって歯や歯茎を痛めたりなど、ほかの部位に悪影響が及んでしまっては本末転倒だ。
足つぼマッサージは心身ともにリラックスした状態でおこなうことが大切である。そのためにも、痛さより気持ちよさが勝る「痛気持ちいい」レベルがちょうどよい。
そもそも、必死で我慢しなければならないほどの痛みを感じていては、身体は緊張し筋肉も固まってしまう。肩がこったり食いしばって歯や歯茎を痛めたりなど、ほかの部位に悪影響が及んでしまっては本末転倒だ。
足つぼマッサージは心身ともにリラックスした状態でおこなうことが大切である。そのためにも、痛さより気持ちよさが勝る「痛気持ちいい」レベルがちょうどよい。
6. 足つぼマッサージの効果を高める方法

足つぼマッサージを自分でやる際、より効果を高めるための方法を解説しよう。
「足つぼ一覧」を用意する
足裏や足の甲につぼもしくは反射区がイラストで描かれた「足つぼ一覧」は、ネット上で見ることができる。足つぼ関連のアイテムを購入したときなどに一緒に付いてくることも多い。自分で足つぼマッサージをする場合は、今自分が押しているのがどこにつながるつぼなのか分かるよう、足つぼ一覧を用意しておこう。
効果的な足つぼマッサージの方法
反射区を刺激するなら「親指の腹」など、つぼをピンポイントで刺激するなら「足つぼマッサージ用の棒」などを使うと効果的だ。フーッと細く長く息を吐きながら、ゆっくりと足つぼを刺激していこう。
1カ所あたりあまり時間をかけずに、数cmずつこする(滑らせる)ように押していく(反射区の場合)、あるいは3〜5秒かけてグッと押し込んでいく(つぼの場合)といった方法がおすすめだ。反射区を刺激する際、イマイチ滑りが悪いという方はボディクリームを塗るなどしてみよう。
1カ所あたりあまり時間をかけずに、数cmずつこする(滑らせる)ように押していく(反射区の場合)、あるいは3〜5秒かけてグッと押し込んでいく(つぼの場合)といった方法がおすすめだ。反射区を刺激する際、イマイチ滑りが悪いという方はボディクリームを塗るなどしてみよう。
痛みを感じる部位があったら足つぼ一覧でチェック
前もって用意しておいた足つぼ一覧は、痛みを感じたときに非常に役立つ。どこが不調なのかをひと目で確認できるからだ。たとえば肝臓の反射区に痛みを感じるときなどは、最近飲みすぎていないかなど生活習慣を振り返るきかっけにもできる。
ふくらはぎや膝裏のマッサージとあわせるとより効果的
足つぼに加えて、ふくらはぎや膝裏のリンパなどを刺激し流れをよくするとさらに効果的だ。たとえばふくらはぎの真ん中にある「承山」と呼ばれるつぼは、疲労回復などの効果がある。アキレス腱から膝裏方向へたどり、大きな筋肉にたどり着いたあたりだ。両手の人差し指〜小指までの4本をあててグッと押し込むように刺激してみよう。
膝裏には「膝窩(しっか)」というリンパ節がある。ふくらはぎから太ももの裏へ向かって、下から上へ優しく流すようにさすってみよう。
膝裏には「膝窩(しっか)」というリンパ節がある。ふくらはぎから太ももの裏へ向かって、下から上へ優しく流すようにさすってみよう。
7. 足つぼマッサージの注意点

最後に、足つぼマッサージをするにあたっての注意点をお伝えしておこう。
食後は控える
食後は、消化のために消化器官に血液が集中している。そのタイミングで血流改善効果がある足つぼマッサージをおこなうと、消化器官に血液が集まらなくなり消化に悪影響を与えるおそれがある。できれば2時間程度はあけたいところだが、少なくとも30分は控えたほうがよいだろう。
飲酒後は控える
アルコールを飲んだあとに足つぼマッサージをして血流がさらによくなると、酔いが回りやすくなるおそれがある。やはり、食後と同様に飲酒後も控えたほうがよいだろう。
体調不良のときは控える
足つぼマッサージには血流改善や内臓・器官の働きを活性化させる効果がある。体調不良のときに足つぼマッサージをすることで、さらに体調が悪化するリスクがあるといわれている。体調がひどく優れないときなどは、念のためやめておいたほうが無難だ。
力まかせに刺激しない
前述のように「痛気持ちいい」くらいがベストだ。グイグイ押して強い痛みを感じたからといって、その分不調が改善するというものではない。
妊娠中や投薬中の方は医師に相談する
やや大げさに感じるかもしれないが、どういった影響が出るか素人には判断できない。念のため、医師や看護師、薬剤師などに足つぼマッサージをしても問題ないか相談しておくことをおすすめする。
結論
足のつぼマッサージには、身体の不調を改善したり血液や老廃物の流れを改善したりといった効果が期待できる。痛い部位で身体の不調を知ることも、ある程度であれば可能だ。継続することで「いつもと違う」といった変化もわかりやすくなるはずだ。ぜひ日々の習慣にしてはいかがだろうか?