1. 革靴のお手入れをおすすめする理由

まず、なぜ革靴のお手入れをおすすめするのかについての理由を紹介する。その理由は、革靴の手入れを怠った場合に起こるトラブルにある。どんなトラブルが起こるのかを頭に入れておこう。
乾燥が原因のシワ・ひび割れ
革靴にホコリを付けたままにしていたり、革靴用クリームを塗らないままでいると、表面の乾燥が進みシワやひび割れが起こる。一度できたひび割れの修復は難しい。
カビの繁殖
革靴用クリームの成分や革自体が、カビにとっては恰好の養分である。そのため雨水や汚れを落とさないまま湿気の多い下駄箱に放置すると、革靴にカビが生えることも少なくない。
2. 初級編の革靴のお手入れ方法

革靴の劣化は、たった2ステップの簡単お手入れでもかなり防ぐことができる。
初級編のお手入れで用意するもの
- 馬毛ブラシ
- 木製シューキーパー
初級編のお手入れの手順
- 馬毛ブラシで革靴の表面に付着したホコリや泥をしっかりと落とす。
- 木製シューキーパーを入れる。
馬毛ブラシでホコリを落とすことで乾燥を防げるだけでなく、ブラッシングにより革にツヤを出す効果がある。さらにシューキーパーを入れることでシワの防止や除湿の効果も期待できる。履いた後にこの手順でお手入れすることで革靴の「持ち」が全く違ってくるので、初心者はまずここから挑戦してみよう。
3. 上級編の革靴のお手入れ方法

革靴のお手入れで肝心なのは、定期的にクリームで革に潤いを与えてあげることだ。上級編では、クリームを使った本格的なお手入れを解説する。
上級編のお手入れで用意するもの
- 馬毛ブラシ
- 豚毛ブラシ
- 革靴用クリーナー
- 革靴用クリーム
- 靴磨き用クロス(使い古しの布でもOK)
馬毛ブラシは靴のホコリを落とすときに、豚毛ブラシはクリームをなじませるときに使う。毛の固さが違うので2種類揃えておくと便利だ。クリームは革の色より多少薄めのものを選ぶと、なじませたとき違和感が出にくい。
上級編のお手入れの手順
- 馬毛ブラシを使って表面のホコリを落とす。
- 靴磨き用クロスに革靴用クリーナーを含ませ、残った汚れをふき取る。
- 革靴用クリームを靴全体に均一に伸ばす。
- 豚毛ブラシで磨きながら革靴用クリームをしっかりなじませる。
- 余分な革靴用クリームをふき取り、靴磨き用クロスで磨いてツヤを出す。
お手入れの際は、布を指に巻きつけるようにして使うと細かい作業がしやすい。靴のシワや切り替え部分に汚れや革靴用クリームが残らないよう気を付けよう。さらにツヤを出したい場合は、ワックスなどを使ってもう一度磨くのがおすすめ。最後に、シューキーパーを入れて防水スプレーをかければ完璧だ。
道具を揃えるのが面倒な人は、革靴のケアに必要な道具が一式入った「靴磨きセット」を購入するのもおすすめである。
道具を揃えるのが面倒な人は、革靴のケアに必要な道具が一式入った「靴磨きセット」を購入するのもおすすめである。
4. 革靴をお手入れする頻度や注意点

初級編は履くたびに、上級編は月一回
革靴用クリームを使った本格的なお手入れは、月一回ほどの頻度で十分だ。「10回履いたら1回お手入れ」という位のペースが目安となる。汚れが気になる場合は、タイミングを早めてもよい。
初級編(ブラッシングのみ)のお手入れは、「履いた日の夜に必ずおこなう」のがベスト。ホコリを付着させたままだと、乾燥やカビの原因になるので、最低限ブラッシングはこまめにしてあげよう。
初級編(ブラッシングのみ)のお手入れは、「履いた日の夜に必ずおこなう」のがベスト。ホコリを付着させたままだと、乾燥やカビの原因になるので、最低限ブラッシングはこまめにしてあげよう。
革靴用クリームの塗りすぎに注意
ただし、革靴用クリームを使って頻繁にお手入れをしすぎると、革の通気性が損なわれ、かえって劣化を早めることになってしまう。革靴用クリームを使ったお手入れは、月一回ほどにとどめることも大切だ。
結論
革靴のお手入れは、「日々の軽いブラッシング」と「月一回の本格的なメンテナンス」の2段階に分けておこなうのが最適である。道具さえ揃えてしまえば大した手間はかからないので、もし革靴を放置している方がいたら、今すぐにでも実践してみてほしい。お手入れをすることで5年、10年と革靴の寿命が延び、深みのある革の風合いを楽しめるようになるはずだ。