1. 革靴の種類を知ろう

革靴選びは、基本となる6種類を知ることから始めよう。革靴そのもののデザインだけでなく「靴紐の土台部分」にも、異なる2つのデザインがあるのであわせて覚えたい。
ストレートチップ・プレーントゥ
ストレートチップはつま先に横一直線のライン(切り替え)が入った革靴、プレーントゥはつま先に一切装飾がないシンプルな革靴のことだ。どちらも定番のタイプで、リクルートから冠婚葬祭にまで活用できるので一足は持っておくべきだろう。
Uチップ・ウィングチップ
つま先にU字型の切り替えが入っているのがUチップ、W型の切り替えが入っているのがウィングチップだ。派手さがありカジュアルシーンに向いているが、職場の雰囲気によってはビジネスでも使える。
モンクストラップ
靴紐がなく、金具で止めるタイプを指す。足元をオシャレに演出してくれるが、フォーマルな場には不向きなので注意しよう。
ローファー
カジュアルスタイルに合わせるのが定番のローファーだが、近年はビジネスカジュアルに取り入れる風潮もある。
靴紐部分のデザインは「内羽根式」か「外羽根式」
紐の付いている羽根(土台)が靴の内側に縫い付けられたタイプを「内羽根式」、外側に縫い付けられたタイプを「外羽根式」という。フォーマルな場面には内羽根式の革靴を選ぶのが基本である。
2. シーンに合わせた革靴の選び方

では、実際にはどんなシーンにどの革靴を合わせれば「TPOが分かっている人」と思われるのか、具体的にみていこう。
ビジネスに適した革靴
ビジネスシーンには、ストレートチップかプレーントゥが鉄板である。ただしオフィスカジュアルがOKな職場なら、ウィングチップやモンクストラップなどを取り入れても問題はない。
結婚式に適した革靴
フォーマル度の高い式や、親族として出席する場合は、ストレートチップかプレーントゥの黒が最適だ。カジュアルな式、二次会であればウィングチップなどオシャレなタイプでも問題ないので、足元からオシャレを演出してみてはいかがだろうか。
お葬式・お通夜・弔問
お葬式やお通夜、弔問では黒のストレートチップかプレーントゥ着用するのがマナーである。それ以外のタイプは失礼になりかねないため避けるようにしよう。
デートに適した革靴
デートには、ストレートチップ・プレーントゥはジャケット系のキレイ目スタイルに、Uチップやウィングチップなどはカジュアルなスタイルに合わせるとバランスがよい。また、ジーンズやポロシャツなど普段着に近い恰好でも、ローファーを合わせると大人っぽくまとまる。色は柔らかい印象になる茶色を選ぶもおすすめだ。
3. 革靴の素材に応じたお手入れ方法

革靴の素材には、本革(牛革・馬革・ワニ革など)、合皮、起毛させた革であるスエード・ヌバックなどさまざま種類がある。代表的な素材である、本革とスエードのそれぞれの素材におけるお手入れ方法を紹介しよう。
本革の靴のお手入れ方法
まずは、靴用ブラシ(馬毛・豚毛の2種類がベスト)、革靴用クリーナー、靴クリーム、古い布を用意する。
- 馬毛ブラシで全体のホコリを落とす。
- 革靴用クリーナーを染み込ませた布で細かい汚れをふき取る。
- 少量の靴クリームを、豚毛ブラシで靴全体になじませる。
- ツヤが出るよう古い布でしっかり磨く。
ホコリを落とす際は柔らかい馬毛ブラシを使い、靴クリームをなじませる際には硬めの豚毛ブラシを使うのが、仕上がりをよくするポイントだ。さらにツヤを出したいなら使い古しのストッキングで磨くと、キレイな光沢が出るので試してみてほしい。
スエードの靴のお手入れ方法
スエード靴のお手入れの基本は、「買ったらまず防水スプレーをする」「履いた後は必ずスエード用ブラシでブラッシングをする」の2点だ。あとはトラブルに応じたお手入れが必要になる。
・色褪せ
色褪せが目立ってきたら、スエード用の補色スプレーでカバーするとよい。靴の色より少し薄めの色味を選ぶとなじみやすい。
・汚れ・シミ
軽い汚れなら「消しゴムタイプの汚れ落とし」でこすり落とすのがおすすめ。シミになってしまった汚れは、完全に落とすのは難しいが、「スプレータイプのスエードクリーナー」である程度薄くすることができる。
結論
シーンによって革靴の種類を使い分けないと失礼になる場合があるので、今一度お持ちの革靴を見直してみよう。基本的には、最もオーソドックスな「ストレートチップ」「プレーントゥ」を選んでおけばどんなシーンでも失敗することはないので、一足ずつは揃えておくことをおすすめする。革靴を長持ちさせるために、素材に合ったお手入れも是非実践してみてほしい。