1. ワキガとは?どんなニオイがするの?

ワキガとは、脇から独特のニオイを発する状態のことで、腋臭症(えきしゅうしょう)ともいう。ワキガ対策のために、まずワキガについて知ろう。
2種類の汗腺
汗腺は、エクリン腺とアポクリン腺の2種類ある。エクリン腺はほぼ全身にあり、汗で体温調節を行なう。ほとんどが水分の汗でサラサラしており、ふき取ればほぼ無臭だ。アポクリン腺は脇や陰部など特定の部位にあり、第二次性徴で発達する。タンパク質や脂質などの成分を含んで、ベタベタした汗だ。
ワキガの発生原因
ワキガは、アポクリン腺から分泌されるタンパク質や脂質などを多く含んだ汗を、皮膚の常在菌が分解することで発生する。分解して生じる物質はさまざまで、なかには不快なニオイがする物質もあるため、ワキガが発生するのである。
ワキガのニオイ
硫黄、酢、スパイス、鉛筆の芯、ぞうきん、ごぼう、納豆など、ワキガのニオイはさまざまな例えがある。汗に含まれる物質や分解されて生じる物質には個人差があり、ワキガのニオイも人によって違うのだ。
ワキガのチェック方法
耳垢が湿った人や衣服の脇が黄色くなる人は、ワキガの可能性が高いといわれるので、ひとつの目安にするのもよいだろう。また、脇にガーゼなどを5分ほどはさみ、ニオイをかぐことでワキガのチェックができる。
2. ワキガになりやすい人とは?

ワキガになりやすいのは、どんな人だろう。ワキガ対策はどんな人に必要なのだろうか。
親がワキガの人
親がワキガの場合、子どももワキガになる可能性が非常に高い。アポクリン腺の数や活動量などが、遺伝子でほぼ決まっているのだ。黄色人種にくらべ、黒人や白人のワキガの発生率がとても高いのも、遺伝子の発現率が違うからである。
脇毛の量が多い人
脇毛の量が多いということは、アポクリン腺の数も多い可能性が高い。また、脇毛が汗が流れにくくして湿度が高まり、細菌が活発になってニオイ物質を生成し、そのニオイを脇毛が拡散させてしまうのだ。
偏った食生活の人
アポクリン腺に含まれるタンパク質や脂質などの量が増えると、ニオイの元となる物質の生成も多くなる。肉類や脂っこいものを多く摂取している人は、ワキガになりやすいといえるだろう。
3. 自分でできる6つのワキガ対策

ワキガを自分で対策することができれば安心だ。ワキガ対策に有効な6つの方法を紹介しよう。
- 汗対策をする
ワキガ対策には脇が清潔であること大事なので、こまめなシャワーがおすすめだ。清潔な肌に制汗剤を使い、汗をかいたら早めに汗ふきシートでふき取ろう。殺菌効果のあるものが効果的だ。 - 脇毛を処理する
脇毛があると汗でムレやすく、菌が繁殖しやすくなるので、ワキガ対策には除毛がおすすめである。デオドラント剤の効果も高くなる。 - 食生活を改善する
動物性のタンパク質や脂質が多い肉類や乳製品、ニオイが強めのニンニクなどは、ワキガの原因になるので控えめにしたほうがよい。ワキガ対策には、梅干しや海藻類、緑黄色野菜などのアルカリ性食品を摂取しよう。 - 天然素材の衣類を着る
吸水性が悪い化学繊維の衣類では、脇がムレてワキガが発生しやすくなる。吸水性や通気性のよい天然素材が、ワキガ対策に有効だ。脇汗用のパッドを使うのもおすすめである。 - ストレスをためない
緊張したりストレスを感じると交感神経が活性化し、精神性発汗が起こる。これは、アポクリン腺からの発汗量も増加させることにつながってしまうのだ。睡眠や休息を充分取ってストレスを解消することが、ワキガ対策になる。 - 適度に運動をする
夏でもエアコンがあって汗をかくことが少ない昨今だが、汗をかかないと汗腺が衰え、毛穴に汚れがたまり、老廃物が多い汗をかくようになる。日ごろから運動して汗をかき、汗の質をよくすることも、ワキガ対策になるのだ。
4. 悩んでいるなら病院受診というワキガ対策も!

自分でできるワキガ対策では悩みが解消されない場合は、病院を受診するのもおすすめだ。ただし、保険適用されない治療もあるので、費用は高額になることもある。
ワキガ治療は何科?
ワキガ治療は形成外科または美容外科で行なっている。薬の処方は皮膚科でも行うことがあるが、手術の場合は形成外科や美容外科になる。
ワキガの治療内容
受診する病院によっても違いがあるが、一般的な治療内容を紹介しよう。
- 診断
どんな治療が必要かを、問診や脇のニオイなどから診断する。 - 生活指導
ワキガ対策のための生活習慣改善について教えてもらう。 - 治療
薬による治療や手術を行う方法などがある。薬の場合は継続して治療することになり、手術は1度で済むが完治しないこともある。
結論
ワキガ対策は、清潔を心がけ、食事や生活習慣を見直すことが有効である。自分でも気を付けることでかなりの改善が期待できるので、ワキガが気になる方はぜひ対策してみよう。それでも気になる場合は、病院を受診してみよう。