1. しもやけとは? 原因を知ろう

子どもの頃からしもやけとお付き合いしていても、ハッキリした原因を知らない人は案外多いかもしれない。まずは原因を理解して、対策に役立ててみよう。
しもやけの原因は「寒暖差」
しもやけの原因=寒さと考えがちだが、直接の原因は寒さではなく「寒暖差」である。寒い状態・暖かい状態が交互に繰り返されると、血管は収縮と拡張を繰り返し、徐々に血液循環が阻害される。結果、手先や足先などの末端に血液が行かなくなり、しもやけが発症するのだ。そのため極寒の季節より、気温差が激しい初冬や初春にしもやけが起こるケースも多い。とくに血行の悪くなりやすい指先、かかと、耳たぶ、頬、鼻などが発症しやすい箇所だ。
生活環境が原因のことも
熱が逃げやすい子どもや、水仕事の多い女性はしもやけのリスクが高い。また運動不足で血行が衰えている高齢者も発症しやすいとされる。男性であっても、寒暖差の激しい状況下であればもちろん危険はある。生活環境がしもやけの原因となっている場合も多いのだ。
2. しもやけとあかぎれや凍傷との違いは?

しもやけと似たような皮膚の症状に「あかぎれ」や「凍傷」があるが、これらは似て非なるものだ。あかぎれは、寒さと乾燥によって皮膚がひび割れることで起こり、悪化すると出血を伴う。保湿クリームを塗ったり絆創膏で保護することが有効だ。
いっぽう凍傷は、氷点下の状況に長時間滞在することで指先などの組織が凍ってしまった状態を指す。血行が止まりその部分が壊死してしまうこともあるため、専門的な処置が必要である。
いっぽう凍傷は、氷点下の状況に長時間滞在することで指先などの組織が凍ってしまった状態を指す。血行が止まりその部分が壊死してしまうこともあるため、専門的な処置が必要である。
3. しもやけの治療には血行改善が第一

しもやけ対策には血行促進が第一だ。まずは市販薬やマッサージで対応しよう。ただし、痛みや水ぶくれ、出血がある場合は、無理せず病院を受診してほしい。
血行を改善する成分で治療
しもやけは血流が悪くなることで起こるため、血行促進効果のあるビタミンEやヘパリンを含有したクリームが有効だ。市販でも簡単に手に入るので、最も手軽な対策といえる。またビタミンE(トコフェロール)の内服も有効といわれている。
漢方薬で治療
しもやけに効く漢方で代表的なのは、血流を改善し冷えを緩和する「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」である。その他、「四物湯」「当帰芍薬散」などもしもやけに効くとされている。
温めながらのマッサージも◎
また入浴時などに冷えやすい部分をマッサージして、血流をよくすることも効果的だ。ただし温まると痒みが強くなることもあるので、掻いて悪化させないよう注意しよう。
しもやけが治らない場合は病気が隠れていることも
しもやけと似た症状を引き起こす病気に、女性に発症しやすい「全身性エリテマトーデス」がある。膠原病の一種で専門の治療が必要になるので、しもやけがなかなか改善しないという人は一度この病気を疑ってみたほうがよいかもしれない。
4. しもやけの予防法を知ろう

まずは身体を冷やさない
末端の血流を悪くする「寒暖差」を大きくしないために、まずは普段から身体を冷やさないよう心がけよう。ちょっとした外出でも手、足、耳などしもやけになりやすい部分を防寒することが大切だ。マスクやカイロを活用してもよいだろう。
食事でしもやけ予防
血行を促進するビタミンEを多く含む食品を食べて、身体の中から予防するのもよい方法だ。ビタミンEはナッツ類や緑黄色野菜、うなぎ、植物油などに豊富に含まれている。また身体を温めるハーブティやスパイスなどを積極的に摂るのもおすすめだ。
マッサージ習慣をつける
先にも触れたように普段からマッサージの習慣をつけて血流をよくしておくことも、しもやけの予防になる。ビタミンE配合のクリームなど用いてさらに血流アップを狙うのも◎。
結論
しもやけは、発症しやすい体質の人にとっては厄介なものだ。なりやすい人は遺伝によるところも大きいようである。しかし普段からのちょっとした心がけで、しもやけになるリスクはある程度下げられると考えてほしい。身体を冷やさないこと、血流をよくすることを意識して、しもやけになりにくい体質を目指してみよう。