1. 発毛剤とは

発毛剤とはその名の通り、発毛効果がある薄毛治療薬を指す。主に新しい毛を生み出す目的として用いられるが、発毛効果の他にも、毛髪を育成したり、抜け毛が起こりにくい頭皮環境に改善したりする効果が期待できる。
発毛剤に配合されている代表的な成分
2017年に日本皮膚医学会が発表した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(※)」では、以下の3つの成分が薄毛治療に効果的であると記されている。
フィナステリド(プロペシア)
フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)の治療薬として初めて認められた内服薬だ。AGAの原因となる男性ホルモンの生成を抑制し、脱毛のスピードを遅らせる効果がある。医療用の薬品であるため、医師の処方がなければ購入することができない。
デュタステリド(ザガーロ)
フィナステリドと同じく病院で処方される内服薬で、こちらも男性ホルモンの生成を阻害する働きがある。
ミノキシジル(リアップ)
ミノキシジルは唯一、薬局やドラッグストアでも購入できる発毛剤だ。飲み薬と塗り薬があるが、一般的には外用薬として用いられることが多い。血管を拡げる作用があり、毛髪の成長をサポートする効果が期待できる。
(※)参考元:日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」
2. 発毛剤と育毛剤の違い

発毛剤と育毛剤の違いは、簡単にいえば医薬品と医薬部外品のどちらに該当するかだ。発毛効果が認められている発毛剤は、脱毛症に悩む人に向けて開発された医薬品で、薄毛の治療に使われる。
一方、育毛剤は脱毛症などの症状がない健常な人に向けて開発された医薬部外品だ。薄毛の治療のための効果は実証されておらず、主に抜け毛の予防や健康な髪を維持するためのものとして用いられる。
「髪の毛を生やす効果が医学的に認められた医薬品」が発毛剤、「薄毛を予防したり頭皮の健康を保つための医薬部外品」が育毛剤と覚えておこう。
一方、育毛剤は脱毛症などの症状がない健常な人に向けて開発された医薬部外品だ。薄毛の治療のための効果は実証されておらず、主に抜け毛の予防や健康な髪を維持するためのものとして用いられる。
「髪の毛を生やす効果が医学的に認められた医薬品」が発毛剤、「薄毛を予防したり頭皮の健康を保つための医薬部外品」が育毛剤と覚えておこう。
3. 市販の発毛剤は効果がないって本当?

病院にかからず、市販薬の発毛剤を使って薄毛対策をしている人は少なくない。前述の通り、発毛剤は医療機関で処方されるものだけでなく、薬局やドラッグストアで購入できるものも全て医薬品に該当する。そのため、市販品だからといって効かない、というのは誤りであり、きちんと薬効が認められている。
しかし、脱毛の原因によっては市販の発毛剤が効かないこともあるので注意が必要だ。例えば、皮膚のトラブル・病気・投薬などによる脱毛の場合は、市販の発毛剤を使っても効果が見られない場合がある。
もし市販薬の発毛剤を半年~1年ほど使っても効果が感じられないのであれば、やはり脱毛の治療を行っている医療機関で診てもらうのが一番だ。これにより、脱毛が起こっている原因もわかり、適切な治療や投薬、発毛剤の選択が可能となる。薄毛に悩んでいる人は、ぜひ一度専門機関を受診するのが望ましい。
しかし、脱毛の原因によっては市販の発毛剤が効かないこともあるので注意が必要だ。例えば、皮膚のトラブル・病気・投薬などによる脱毛の場合は、市販の発毛剤を使っても効果が見られない場合がある。
もし市販薬の発毛剤を半年~1年ほど使っても効果が感じられないのであれば、やはり脱毛の治療を行っている医療機関で診てもらうのが一番だ。これにより、脱毛が起こっている原因もわかり、適切な治療や投薬、発毛剤の選択が可能となる。薄毛に悩んでいる人は、ぜひ一度専門機関を受診するのが望ましい。
4. 発毛剤の副作用について

発毛剤は先程紹介したフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルの全てにおいて、副作用のリスクがあるとされている。なお、各成分で報告されている副作用としては以下のようなものが挙げられる。
フィナステリド・デュタステリドの副作用
- 男性ホルモン生成抑制による副作用(性欲減退・勃起不全・射精障害など)
- 肝機能障害による副作用(食欲不振・全身の倦怠感・肌が黄色くなるなど)
- むくみ(唇、舌、喉など)
- 発疹、蕁麻疹
- 頭痛
ミノキシジルの副作用
- 発疹、赤み
- かぶれ
- かゆみ
- 手足のむくみ
- 頭痛
これらの副作用に関しては個人差があるため、必ずしも起こるわけではない。ただ、異変を感じたら、使用を中断し、早めに医師または薬剤師に相談することが重要だ。
結論
抜け毛や薄毛に悩んでいる人の多くは、発毛剤と育毛剤の違いを理解していない。そのため、中には「新たな毛を生やす」目的で育毛剤を使っている人もいることだろう。しかし、育毛剤にそんな効果はない。本当に毛を増やしたいのであれば、発毛剤を使うのが正しい認識といえる。ただし、発毛剤は薄毛の原因によっては効果を実感できなかったり、体質によっては副作用を起こしたりすることもあるので、なるべくなら市販薬よりも病院で処方されたものを使ってほしい。