1. カフスとはどんなもの?

カフスを使ったことがないという方も多いだろう。そんな方のために、まずはカフスについて説明しよう。
カフスとは
カフスとは、ワイシャツなどの袖口をボタンのように留めるもの。日本ではカフスのほか、カフスボタンやカウスボタンなどとも呼ばれるが、英語ではカフリンクスという。
カフスの歴史
カフスの始まりは17世紀のフランス。当時の社交界で使われていたリボンやレースの袖飾りに代わって、ゴールドやシルバーのボタンをチェーンでつないだカフスが登場したのである。職人の手作りだったカフスは上流階級でのみ使われていたが、大量生産できるようになって一般に広まっていった。
2. カフスの種類にはどんなものがある?

カフスはバッキング(留め具)の形状によって種類が分かれる。付け方はどれもほぼ同じだが、付けやすさには違いがある。
スウィヴル式(レバー式)
最も一般的なのがスウィヴル式だ。T字状のバッキングはバネ式で、ボタンホールに通す際は真っ直ぐに伸ばし、入ったらT字状に戻して固定する。
固定式
フェイスとバッキングが棒状のパーツでつながった固定式。バッキングを外すことなく、そのままボタンホールに挿し込んで固定するもので、バッキングの形状によっては付けにくい場合もある。
チェーン式
固定式と同じようにフェイスとバッキングがつながっているが、こちらはチェーンでつなげたもので、バッキングが大きいと付けにくいこともある。カジュアルな印象なので普段使いにおすすめだ。
スナップ式
固定式に似た形状だが、バッキングがスナップボタンなので外せるのだ。付け方はピアスのようで、スナップボタンを外して本体をボタンホールに挿し込み、スナップボタンで留めればOKだ。
紐式
紐で作られた2つのモチーフを、ゴムなどでつなげたのが紐式のカフス。リーズナブルだが耐久性はあまりなく、付け方にも少し慣れが必要である。カジュアルなデザインで、華やかでカラフルなものが多い。
3. カフスはどうやって付けるの?カフスの正しい付け方

カフスを付けたことがない方は、付け方が難しいと思っているかもしれない。付け方の手順と注意点に気を付ければ、意外と簡単にカフスを付けられるのだ。
カフスの付け方【手順】
カフスの付け方は手順とコツを覚えれば簡単だ。
- ボタンホールが腕の外側になるように、生地の裏同士を合わせて、両側のボタンホールの位置を合わせる。
- ボタンホールの上からカフスを挿し込み、バッキングを固定する。
カフスの付け方【注意点】
カフスの付け方は、生地の重ね方がポイントだ。ボタンの場合と違い、裏同士を合わせなくてはならない。また、カフスを挿し込む方向も大事だ。付け方の手順で紹介したように、腕の外側にボタンホールを配置し、上から挿し込むようにしよう。
カフスの付け方【使用後】
使用後のカフスは、やわらかい布を使って汚れをふき取り、保管ケースに収納しよう。汗や皮脂などで汚れたままだと、サビや変色などの原因になるのだ。
4. どんなカフスを付けるべき?カフスの使用シーン

カフスは付け方はシーンに合うものを選ぶことが重要だ。使用シーン別のカフスの選び方・付け方を解説しよう。
フォーマルシーン
フォーマルシーンには、ぜひカフスを身に着けよう。昼の結婚式やパーティーに着るモーニングやタキシード、ディレクターズスーツには、ゴールドやシルバーの台に白蝶貝をあしらったカフスを付ける。夜の場合は、燕尾服には白蝶貝、タキシードには黒いオニキスのカフスだ。葬儀にも、黒いオニキスのカフスを合わせたほうがよい。
ビジネスシーン
ビジネスマンの腕を飾るカフスは、シルバーなどの金属のみでできたカフスで知的さを演出したり、ネクタイのデザインに合わせた色・柄のカフスでおしゃれさをアピールするのがおすすめだ。スワロフスキーなどのキラキラ目立つようなカフスは、ビジネスシーンには不向きだろう。
カジュアルシーン
カジュアルシーンでは、服装や自分の趣味に合わせてカフスを選ぼう。カフスはフォーマルなものと思っている方もいるかもしれないが、遊び心のあるデザインや素材のカフスも多く、カジュアルシーンにもおすすめだ。