1. クレーター肌とは?
そもそもクレーター肌とはどういった状態の肌を指すのか、簡単におさらいしておこう。
ニキビ跡のひとつ
ニキビが治ったあとに残る症状として、赤みや色素沈着などがあるが、今回のテーマであるクレーター肌もそのニキビ跡のひとつだ。肌に凸凹ができることから、月面などに見られる「クレーター」からきていることは想像に難くない。クレーター肌は、赤みや色素沈着といったニキビ跡よりも、皮膚へのダメージが大きかった場合に発生するといわれている。
2. クレーター肌にはタイプがある
クレーター肌と呼ばれるニキビ跡にはタイプがある。それぞれ特徴を解説するのでご自身に当てはめてみてほしい。
アイスピック型
先端が細く尖ったアイスピックで刺した跡のようなクレーター肌を、アイスピック型という。穴の直径こそ小さいが、真皮層の下の皮下組織にまで達していることが多く、改善が非常に難しいとされているタイプだ。
ボックスカー型
穴が平べったい凹型をしているのが、ボックスカー型と呼ばれるクレーター肌だ。表皮層から真皮層あたりにとどまっていることが多いため、穴そものもは深くないものが多いが、正常な皮膚との境界線が目立つ。真皮がダメージを受けていなければ、ターンオーバーの促進などで改善できる可能性が高い。
ローリング型
穴の直径が4〜5mmと大きく、いびつな形をしているのがローリング型と呼ばれるクレーター肌だ。穴が大きいことから目立ちやすく、真皮層や皮下組織など深部にまで達していることが多い。アイスピック型と同様に、深い場合は改善が難しいとされている。
3. クレーター肌の原因
クレーター肌になってしまう原因について見ていこう。
クレーター肌の原因
ニキビをむやみに触ったり無理やり潰したりなどした場合、肌の奥にある真皮層がダメージを受けてクレーター肌になってしまうことがある。本来ニキビでできた傷を治すために生成された「コラーゲン」が癒着して硬くなり、ターンオーバーで正常に再生した部分との段差ができて凸凹に見えるようになってしまう。真皮層にダメージを受けてクレーター肌になった部分は、肌の回復機能が失われてしまい自然治癒が難しくなる。
4. クレーター肌の予防・対策|スキンケアと生活習慣
クレーター肌にならないためには、原因となるニキビを発生させないこと、できてしまったニキビを悪化させないことが重要だ。まずはニキビの予防対策から見ていこう。
洗顔
毎日の洗顔は、泡立てネットなどで洗顔料を十分に泡立ててから、優しく汚れを落とそう。泡で肌をマッサージするようなイメージで、手が顔の皮膚に当たらないように洗うとよい。汚れを落とそうとゴシゴシと洗ったり、洗浄力の高い洗顔料を朝晩使ったりするのは、肌にダメージを与えてしまう原因となるため注意しよう。不要な汚れだけを落とすことを意識することだ。
保湿
泡をしっかりすすいだら、肌の保湿をおこなうことが重要だ。肌の水分が不足すると皮脂が過剰に分泌され、ニキビができやすい状態になってしまう。洗顔後はできるだけ早く化粧水で肌を保湿しよう。
睡眠
睡眠不足は肌の免疫力を弱めてしまい、ニキビができやすい状態を作ってしまう。22時から深夜2時は「肌のゴールデンタイム」と呼ばれ、その日に皮膚が受けたダメージを修復する時間帯といわれている。クレーター肌の改善のためにも、できるだけ早く眠りにつくことを心がけよう。
食事
暴飲暴食を避け、たんぱく質やビタミン類をしっかりと摂取しよう。便秘もニキビの原因になることがあるため、便通改善効果のある食物繊維などを積極的に取り入れよう。
5. クレーター肌の予防・対策|ニキビができたときの対処方法
ニキビができてしまったら、極力悪化させないようにすることが何よりも大切だ。
無理やり潰さない
できてしまったものは仕方がない。一刻も早く治したい気持ちはあるかもしれないが、無理やり潰したりせず患部を清潔に保ちながら治るまで様子を見よう。潰したところから雑菌が入り込めばさらなる炎症によって線維化が起こり、クレーター肌につながってしまう。なかなか治らない場合は塗り薬も効果的なので試してみよう。
6. クレーター肌を自宅で治す方法はある?
皮膚科や美容外科などに通うことなく、クレーター肌を改善することはできるのだろうか?
ご家庭でできるケアは限られている
ご家庭でできるケアとしては、週1回程度のピーリングがおすすめだ。不要な角質を取り除くことにより、肌のターンオーバーを助けよう。ただしご家庭でピーリングすることで改善効果が期待できるのは、凸凹が少ない軽度のクレーター肌だけだ。ひと目でわかるほど陥没しているクレーター肌は、ご家庭で治すことは難しい。
7. 皮膚科や美容外科などでの治療方法は?
真皮層や皮下組織にまで達しているクレーター肌の場合、放置しても自然に治る確率は低い。皮膚科やクリニックなどを受診して相談してみよう。
皮膚科での治療方法
- 服用薬による治療(漢方薬、ビタミン剤、抗生物質など)
- 塗布薬による治療(角質剥離剤、ステロイドなど)
皮膚科では主にこういった治療方法がある。たとえば漢方薬であれば、炎症を抑えたりアクネ菌を殺菌したり、ホルモンバランスを整えたりする「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」「桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)」といったものが挙げられる。ステロイドなどは合わない方もいるので、事前にきちんと相談することが大切だ。
美容外科での治療方法
- レーザー治療
- ケミカルピーリング
- ダーマペン治療
- 皮膚移植 など
美容外科ではこうした治療方法がある。レーザーは痛みを感じたり、赤みや腫れといったダウンタイム中の症状などもあったりするため、メリット・デメリットをよく確認しよう。皮膚移植は高額なうえ、術後もしばらく通院する必要がある場合が多い。いずれにせよ、美容外科で治療を受けたいときはリスクも正しく理解したうえで判断することが求められる。
8. クレーター肌の予防におすすめのスキンケアアイテム3選
男性向けのスキンケアアイテムを3選、紹介しよう。ニキビの悪化を防ぎ、クレーター肌を予防する効果が期待できるアイテムを厳選した。正しくスキンケアすることで凸凹のない肌を手に入れよう。
小林製薬「メンズオードムーゲ 薬用ローション」
ニキビ肌の改善効果が期待できると支持され、50年以上のロングセラーとなっている「オードムーゲ」の男性向け化粧水だ。殺菌・抗炎症成分が配合されており、ニキビの予防効果が期待できる。ヒアルロン酸やコラーゲン誘導体などの保湿成分も配合されているので、肌荒れ予防にも一役買ってくれる。髭剃りあとのスキンケアにも使用でき、コットンに含ませれば拭き取り化粧水としても活用できるという、便利な化粧水だ。
石澤研究所「メンズアクネバリア薬用ローション」
すでにニキビがあり、炎症を起こしているという方におすすめの化粧水がこちら。炎症を起こしているニキビをクレーター肌にしないためには、抗炎症成分が入った化粧水が望ましい。この薬用ローションは有効成分が毛穴の奥まで届き、雑菌の増殖を防いで炎症を抑えてくれる。ティーツリーオイル配合で、さっぱりとした使い心地なのも嬉しいポイントだ。
花王「メンズビオレ 泡タイプ薬用アクネケア洗顔」
泡で出てくるタイプの男性用洗顔料である。自分で泡立てる必要がないので、忙しい朝も速やかに、かつクレーター肌に刺激を与えず優しく顔を洗える。殺菌成分が配合されており、ニキビの原因となるアクネ菌を減らして肌荒れも予防する。また顔を洗っている間に泡がへたらないので、シェービングフォームとして使用することも可能だ。
結論
クレーター肌は一度なってしまうとなかなか治らない。ニキビの段階からクレーターを作らないように予防する心がけが大切だ。そのニキビを防ぐためにも、これを機に毎日のスキンケアや生活習慣を見直そう。同じ場所に何度もニキビができるという方は、ダメージが回復する前に新たな炎症が起こりクレーター肌へとつながってしまうおそれもある。早い段階で皮膚科を受診して相談するなどしよう。