目次
- カソーダ:重曹とひまし油を混ぜ合わせたアルカリ性のクリーム
- 精油ジェル:漢方薬草成分を配合したクリーム(ウバイ精油膏、モールクリアなど)
- WMVクリーム:ハーブエキスを配合したクリーム
- ※1:国民生活センター「ホクロ取りでの危害」
http://clinic-n.mitelog.jp/blog/files/info2.pdf
1. ほくろ除去クリームとは

ほくろ除去クリームとは、その名の通りほくろを取り除くことができるという専用クリームだ。
ほくろ除去クリームの種類
日本で手に入るほくろ除去クリームにはこのような種類がある。漢方と聞くと安全というイメージがあるかもしれないが、ほくろ除去に使用するケースにおいては安全性が担保されていない点は覚えておきたい。
ほくろ除去クリームでほくろが取れるメカニズム
ほくろにクリームを塗ると火傷のあとの「かさぶた」のような状態になる。あとは自然に剥がれ落ちるのを待つ。個人差はあるが1〜2週間ほど続けるとポロッと剥がれ落ちるという。ただし必ずしもほくろが取れる根拠はない。
ほくろにはどんな種類がある?
ほくろは医学的に「色素性母斑」「母斑細胞母斑」と呼ばれるもので、メラニン色素を含んだ黒い母斑細胞が集まった部分を指す。
生まれつき存在するもの、紫外線などの影響で後天的に発生するもの、黒っぽいもの、茶色っぽいもの、平らなもの、隆起したものなどさまざまだ。基本的には良性だが、中には悪性腫瘍(皮膚がん)のものもある。
2. ほくろ除去クリームの安全性に関する懸念点とリスク

ほくろ除去クリームに関する注意点を解説する。
効果やリスクについて十分な調査がなされていない
認可を受けている日本のほくろ除去クリームは存在しない。したがって日本で手に入るほくろ除去クリームは基本的に輸入品のみである。個人輸入店や海外サイトなどで購入できるが、それらの多くは効果やリスクについて十分な検証がおこなわれていない。
国民生活センターは1999年〜2008年に「ほくろ除去クリームによる自己処理の危害が9件あった」とし、除去クリームによる自己処理の危険性を報告している。(※1)
ほくろが取れるとは限らない/キレイに取れないことがある
手軽にほくろが取れるといわれているが、カソーダクリームの口コミを見ると「効果がなかった」「取れなかった」といった声も散見される。原因については明確ではないが、少なくとも個人差があることは伝わるだろう。ほくろが取れるという確証はないということだ。
皮膚に痛みや赤みが出るリスクがある
ほくろ除去クリームを塗布した部分に、痛みや赤みといった炎症が起こったケースもある。クリームには皮膚を溶かして火傷のような状態にする成分が含まれているものが多い。したがって皮膚には大きなダメージとなる。
痕が残ってしまうおそれがある
仮にほくろが取れても、その部分が陥没したりケロイド状に痕が残ったりすることがある。こうした肌トラブルは治療に時間がかかってしまうし、その分だけ費用もかかる。
誰も責任を取ってくれない
ほくろ除去クリームの使用は自己責任である。したがって上述したようなトラブルが発生した場合でも、結局責任は自分にある。治療費がかかることもあれば、取り戻せなくなった皮膚に大きなショックを受けることもあるだろう。
3. ほくろの自己処理の方法と注意点

ほくろ自己処理で取り除く方法として、ほくろ除去クリームを使う以外にも、もぐさを使う方法や、レーザーペンを使う方法などがある。それらも注意点があるのでお伝えしておこう。
もぐさを使った自己処理の注意点
ほくろの上にもぐさのお灸をして、軽度の火傷を負わせてほくろを除去する方法だ。もぐさを使用した自己処理は、火傷や炎症などのリスクなどがあるため注意が必要である。
レーザーペンを使った自己処理
ほくろやイボが取れる家庭用レーザーペン(ほくろ除去ペン)も販売されている。同じくほくろを火傷のようなかさぶた状態にして取り除くというものだ。この場合も火傷や炎症などのリスクがあるため注意が必要である。
4. ほくろ除去は医療機関に相談しよう

国民生活センターがほくろの除去は専門医に相談するよう伝えている通り、ほくろを取り除きたい方は皮膚科や形成外科、美容皮膚科などを受診することが望ましい。
炭酸ガスレーザーで除去できる
医療機関であれば良性か悪性かを診断してもらえる。炭酸ガスレーザーといった治療や、そのほかの外科的治療などで取り除くことが可能だ。施術内容にもよるが、術後の経過観察に対応してくれる場合もある。
結論
「ほくろ除去クリームでほくろが簡単に除去できた」といった口コミや体験談を見聞きすることがある。だが日本で認可を受けた医薬品や化粧品はなく、ほとんどが輸入品だ。効果や安全性について十分検証がなされていないため、肌にダメージが残るおそれもある。ほくろが気になる方は、自己処理ではなく医療機関を受診しよう。
(参考文献)
監修医師プロフィール:鈴木三奈先生

鈴木三奈 東京ブランシェクリニック医師
美容外科、美容皮膚科歴12年にて様々な肌のお悩みにむきあい、寄り添ってきました。自身も小さいころから肌が弱く、自身も肌のトラブルに悩んだ経験が多いため的確な治療アドバイスに定評があります。多くの方に正確で確実な治療を提案することを使命としております。クリニック公式サイト
美容外科、美容皮膚科歴12年にて様々な肌のお悩みにむきあい、寄り添ってきました。自身も小さいころから肌が弱く、自身も肌のトラブルに悩んだ経験が多いため的確な治療アドバイスに定評があります。多くの方に正確で確実な治療を提案することを使命としております。クリニック公式サイト