1. ミッドフット走法はどんな走り方?

足を着地する方法にはいくつかの種類があるのをご存じだろうか。それがフォアフット走法、ミッドフット走法、ヒールストライク走法の3つだ。それぞれの特徴をまとめているので、まずは違いについて確認していただきたい。
- フォアフット走法:つま先から着地をする方法。スピードが出る着地方法だが、足への負担が大きい
- ミッドフット走法:足の中心(裏全体)で着地する方法。足全体で勢いを吸収するため、体幹が安定しやすい
- ヒールストライク走法:かかとで着地する方法。足への負担が少ない分、筋トレの効果も実感しにくい
それぞれの違いは「足のどの部分で着地するのか」であり、着地の仕方で走りにも影響がある。一般的に日本人のランナーはヒールストライク走法が多いといわれているが、あまり筋トレの効果は高くないようだ。ランニングなどによるトレーニングの効果を高めたいなら、より筋肉への負荷が大きいミッドフット走法を取り入れるのがおすすめだ。
2. ミッドフット走法のメリット・デメリット

足の裏全体で着地をするミッドフット走法を取り入れることで、筋トレの効果などはどのように変わるのだろうか。メリットとデメリットをそれぞれ見てみよう。
メリット:体への負担が少なく筋トレ効果が高くなる
ミッドフット走法は、足裏全体で着地をするため、着地の衝撃が吸収されやすく、身体への負担が少ない。また、体幹が安定することから、全身を効率よく使ってトレーニングができる。ミッドフット走法をジョギングなどに取り入れることで、必然的にトレーニングの効果が高まり、身体機能の向上に役立つ。そのため、走りのトレーニングを取り入れている方には、ぜひ習得してほしい走り方だといえる。
デメリット:習得が難しく筋肉への負荷が大きくなる
しかし、実際には日本人の場合はヒールストライク走法で走っていることが多い。これは日本人の体型も関係しているが、シューズを履くと自然ととかかとから着地してしまうからだ。ミッドフット走法へ矯正するにはこの癖を直す必要があり、ある程度の時間が必要になってしまう。
また、強制したことでアキレス腱などへの負担が大きくなったり、走りのフォームが崩れたりしてしまう恐れがある。ミッドフット走法を自分のものにするには、根気強くトレーニングしていく必要がありそうだ。
また、強制したことでアキレス腱などへの負担が大きくなったり、走りのフォームが崩れたりしてしまう恐れがある。ミッドフット走法を自分のものにするには、根気強くトレーニングしていく必要がありそうだ。
3. ミッドフット走法を身につけるための3つのコツ

長い間ヒールストライク走法に慣れてきた方がミッドフット走法を習得するには、時間がかかる。できるだけ早く正しいフォームを習得するコツをいくつか紹介しよう。
コツ1.少し高い台から、「ペタン」と足を下ろす
着地の方法を意識するなら、平坦な道を歩くよりも少し高い踏み台から足を下ろすほうがよい。そうすることで着地の仕方を意識しやすくなる。また、着地をするときは「ペタン」と音を立てるイメージで、足裏を水平方向に保ちながら全体を使って下ろすようにするのがポイントだ。正しくできていれば、膝はあまり曲がらずに着地することができる。
コツ2.ソールのすり減り方を確認する
自分のランニングフォームを確認したいなら、シューズの靴底(ソール)を確認するのもおすすめだ。ランニングをすればソールはすり減るが、減り具合で自分のフォームを確認できる。
ヒールストライク走法の場合はかかとのほうが多くすり減るのだが、ミッドフット走法が正しくできていれば、つま先からかかとまでソール全体がすり減る。定期的にソールの状態を確認して、走りのフォームをチェックするとよいだろう。
ヒールストライク走法の場合はかかとのほうが多くすり減るのだが、ミッドフット走法が正しくできていれば、つま先からかかとまでソール全体がすり減る。定期的にソールの状態を確認して、走りのフォームをチェックするとよいだろう。
コツ3.動画で着地のフォームを確認する
ランニングのフォームを確認するなら、スマートフォンなどのカメラを使って動画を撮影するのもよい。ヒールストライク走法を意識した場合とミッドフット走法を意識した場合の両方を撮影することで、走り方の違いに気づけるはずだ。できれば撮影者がいるほうが望ましいが、そうでないならカメラを固定できるように三脚などを使うとよい。
4. ミッドフット走法におすすめのシューズ

ミッドフット走法は足を水平に着地させる必要があるため、つま先とかかとの高さが同じくらいになっている「低ドロップ設計」のシューズを選ぶのがおすすめだ。メーカーごとにシューズをいくつか紹介しよう。
ミズノ「ウェーブシャドウ3」
ウェーブシャドウ3は、ミズホから発売されているトレーニング用ランニングシューズだ。低ドロップ設計になっているためミッドフット走法を練習するのに向いており、またクッション性にも長けているため初心者でも使いやすい。軽量で足への負担が少ないことも魅力の一足である。
アシックス「GEL-FEATHER GLIDE 5」
GEL-FEATHER GLIDE 5は、アシックスから発売されているランニングシューズだ。足の指の付け根からかかとまで一直線のフラット設計になっており、ミッドフット走法を身につけるのに役立つ。トレーニング用にもよいのだが、フルマラソンを4時間以内で走りたいという方にも向いているシューズである。
ニューバランス「NB HANZO C」
NB HANZO Cは、ニューバランスから発売されている長距離ランナー用のランニングシューズだ。靴先からかかとまでフラットになっているため、ミッドフット走法をサポートしてくれる。もともと長距離用に開発されているため、足への負担が少なくなるのが特徴のシューズだ。
結論
ミッドフット走法は、筋トレ効果が高いにも関わらず身体への負担が少ないため、ぜひ身につけてほしい走り方だ。マスターするまでには時間がかかるので、少しずつフォームを改善するように心がけてほしい。また、定期的にソールやフォームをチェックして、正しいミッドフット走法を維持できるように意識しよう。