目次
1. 「鼻のかみすぎ」で中耳炎や肌荒れなどの後遺症が出る

風邪や花粉症で鼻水が増えると、鬱陶しくてつい何度も鼻をかんでしまう。しかし鼻のかみすぎは、意外な不調を招くこともあるのだ。
耳がつまる・頭痛
耳のつまりや頭痛は、鼻を強くかみすぎることが原因だ。鼓膜に圧力がかかって耳がつまる感じがしたり、脳圧の急激な変化で頭痛を起こす方もいる。
鼻の下が肌荒れする
鼻をかみすぎると、鼻の下の皮膚が乾燥して皮がむけたりヒリヒリと傷むことがある。さらに鼻水が触れて刺激となり、赤く炎症してしまう場合がある。
中耳炎や気管支炎、肺炎を起こすケースも
さらに鼻のかみすぎ・間違ったかみ方で、鼻水の中の細菌やウイルスが中耳に入り込み、急性の中耳炎を引き起こすことがある。また、細菌によって気管支炎や肺炎などの重いトラブルになるケースもある。
2. 鼻のかみすぎをやめて「正しい方法」を知ろう

鼻のかみすぎによるトラブルを予防するために、医師も推奨している「正しい鼻のかみ方」を覚えよう。
片方ずつかむ
片方の鼻を指で押さえ、片方ずつかむのが基本だ。両方を一気にかもうとすると、細菌やウイルスが奥に吸い込まれ中耳炎や副鼻腔炎になる可能性がある。
口で息を吸い、鼻をかむ
鼻から息を吸おうとすると鼻水が奥に流れてしまうため、口からたっぷり息を吸い鼻から押し出す。
強くかみすぎない
力任せに鼻をかむと、頭部に圧力がかかり、耳の違和感や頭痛が起こることがある。鼻血が出る危険もある。
ゆっくり少しずつかむ
一度ですべての鼻水を出そうとすると、強くかみ過ぎる原因になる。ゆっくり数回に分けてかむことを心がけよう。
3. 鼻のかみすぎは「花粉症や副鼻腔炎」の可能性も

鼻を頻繁にかまなければならない原因として、風邪や花粉症以外にも「慢性副鼻腔炎」がある。それぞれ異なる症状や鼻水が出るので区別しよう。
風邪による鼻の症状
鼻水や鼻づまり、くしゃみが出るほか、においを感じにくくなることがある。喉の痛みや発熱、倦怠感を伴う。サラサラとした鼻水または多少粘り気がある鼻水が特徴で、色は透明~黄色。
花粉症による鼻の症状
鼻水や鼻づまり、くしゃみが出るほか、鼻や目、喉のかゆみなどがあらわれる。サラサラとした鼻水が大量に出るのが特徴。
慢性副鼻腔炎による鼻の症状
慢性副鼻腔炎は、細菌により鼻の粘膜が腫れ、副鼻腔に膿がたまっている状態だ。ちくのう症ともいわれる。鼻づまりの症状が続き、頭痛や気管支炎を併発することもある。粘り気がある、黄色~緑色の鼻水が特徴で、鼻水から悪臭がすることもある。
4. 鼻のかみすぎに加えて「すする」ことも良くない

「鼻をすする」ことでも、思わぬトラブルを招く危険がある。まずは、鼻水の中の細菌やウイルスが鼻の奥や喉に入り、中耳炎や咳を引き起こす可能性があるのだ。さらに、鼻をすすり続けると鼓膜が内側へ引っ張られ凹んでしまうため、癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎、滲出性中耳炎といった炎症につながることがある。鼻はすすらずに、しっかりと出し切ることが大切である。
また、「鼻をほじること」で、鼻の粘膜が傷ついて鼻血が出たり、傷から細菌が入り込む危険もある。
また、「鼻をほじること」で、鼻の粘膜が傷ついて鼻血が出たり、傷から細菌が入り込む危険もある。
5. 鼻のかみすぎで肌がカサカサになる時は「保湿」しよう

鼻のかみすぎで鼻の下が乾燥してしまったときは、とにかく「保湿」が大切である。保湿力のあるクリームや刺激の少ないワセリンなどで保護しよう。赤く炎症している場合はオロナインも有効だ。唇に影響が出ているときは薬用のリップクリームを使うとよい。また、肌にやさしい「保湿ティッシュ」を活用することも鼻の下の肌荒れ予防になる。
結論
鼻のかみすぎで起こる症状には、軽いものだと肌荒れ、耳の違和感や頭痛がある。しかし鼻水に含まれる細菌やウイルスを誤って吸い込んでしまうと、中耳炎や気管支炎、肺炎を引き起こすケースもある。油断せず正しい鼻のかみ方を実践してほしい。