目次
- 1. 腹圧とは?
- 2. 腹圧が高い状態と低い状態では何が違う?
- 3. 腹圧を高めることのメリット
- 4. 腹圧を高めるためのトレーニングメニュー3選
- 5. これからのトレーニングでは「腹圧」も意識しよう
- 仰向けに寝転がり、膝を60〜90度くらいに立てる
- 両手は太ももの横におき、手のひらを上に向けてリラックスさせる
- ゆっくり息を吐きながら4秒間かけてお腹を凹ませる
- ゆっくり息を吸いながらお腹をもとの位置に戻す
- 仰向けに寝転がり、膝を60〜90度くらいに立てる
- 両手は太ももの横におき、手のひらを上に向けてリラックスさせる
- 鼻から息を吸い、お腹をふくらませる
- お腹をふくらませた状態のまま、浅い呼吸を続けながら10〜30秒キープする
- お腹をふくらませた状態のまま息を吐く
- 息を吐き切ったら、全身の力を抜いてリラックスする
- 床にうつ伏せになり、両肘から下とつま先だけで体を持ち上げて支える
- 片手を前方上に挙げたら、反対側(右手なら左足)のつま先を床から浮かせる
- バランスを取りながら10秒その姿勢をキープする
- 左右の手足を入れ替え、同じ要領で10秒キープする
1. 腹圧とは?

「腹圧」とは具体的にどういった圧力のことなのか、どういった役割を果たすものなのかなど、まずは基本的なところから解説する。
腹部にかかる圧力のこと
腹圧とは「腹腔内圧(IAP=Intra-abdominal Pressure)」の略で、腹部にかかる圧力のことをいう。腹部には内臓を収納する「腹腔」があり、上部の横隔膜、下部の骨盤底筋、脇の腹横筋、後部の多裂筋などで囲まれている。横隔膜が下がると腹部全体の筋肉が同時に収縮され、腹圧が高まる。
腹圧の主な役割
通常、腹圧は脳によって適正にコントロールされている。それにより正しい姿勢を保てたり、適切に排泄できたりする。筋肉のない赤ちゃんが姿勢を維持できるのも、腹圧が正常に働いているからだといわれている。もしかすると姿勢が悪い方は、腹圧やそのコントロールに何かしら原因があるのかもしれない。
腹圧と体幹との違いは?
腹圧と同じような使われ方をする言葉に「体幹」がある。同じ「体」に関わる言葉であるが、体幹は腹部や背中、胸といった胴体全般を指すのが一般的だ。一方の腹圧は腹腔の圧力なので厳密には違うが、日常的には同じような意味で使われることもある。
2. 腹圧が高い状態と低い状態では何が違う?

腹圧は高低で表すことが多いが「高い状態」と「低い状態」では何が違うのだろうか?
腹圧が高い状態とは?
横隔膜が下がることで骨盤底筋や腹横筋、多裂筋などが収縮し、腹腔がパンパンに張っている状態を「腹圧が高い」と表現する。普段の生活の中では主に「いきむ」ときに腹圧が高い状態を感じられる。排泄をしたり重い荷物を持ったりするときといった例を挙げるとイメージしやすいだろう。
腹圧が低い状態とは?
横隔膜が弛緩しており、腹腔が緩んでいる状態を「腹圧が低い」と表現する。いきむことで腹圧を高められる一方、意識して腹圧を下げるのは難しい。とはいえ普段の生活の中でいえば「いきんでいる以外のとき」は、いきんだときと比べて相対的に腹圧が低いと捉えることはできる。また姿勢が悪く足を組んでしまう、すぐ横になってしまうといったように、ほかの動きで体を支えようとしている場合も、一般的には腹圧が低い状態といわれている。
3. 腹圧を高めることのメリット

トレーニングなどでは「腹圧を高めたほうがよい」といわれているが、腹圧を高めると具体的にどういったメリットがあるのだろうか?
姿勢が安定する
腹圧を高めることで姿勢が安定する。それによりトレーニング効果なども効率よく得られやすくなる。上述のように腹圧の役割のひとつは姿勢を保つことにある。腹圧を高めて姿勢を正しくできれば体に無駄な力が入らなくなり、エネルギーを効率よく使えるようになる。
腹部の引き締め効果が期待できる
腹圧が低い状態では、内臓が下がりお腹がポッコリ出てしまう。腹圧を高めることで内臓が本来あるべき正しい位置に固定されれば、ポッコリお腹の解消にもつながる。
腰痛の予防や軽減効果が期待できる
腹圧を高めることで正しい姿勢を維持できれば、背筋も伸びる。腰への負担が軽減されて腰痛が緩和されたり、予防できたりといった効果も期待できる。
4. 腹圧を高めるためのトレーニングメニュー3選

腹圧を高めたいという方におすすめのメニューを3つ紹介しよう。
ドローイン
ドローインとは呼吸法のひとつだ。腹部全体の筋肉を収縮させることができるため、結果として筋肉の収縮をコントロールしやすくなる。
【ドローインのやり方】
【ドローインのコツと回数の目安】
最初のうちは呼吸を意識するのが難しいこともある。その場合、お腹の上にタオルなどをのせておくと意識しやすいので試してみてほしい。5回×2〜3セットを目標に取り組もう。
ブレーシング(ブレイシング)
お腹をふくらませることで腹部の筋肉を刺激する。ドローインとは逆の原理である。スポーツなどでいきむ際、多くの方はお腹を凹ませるのではなくグッと腹筋に力を入れてふくらませる(硬くする)はずだ。その動きに近いのがブレーシングである。
【ブレーシングのやり方】
【ブレーシングのコツと回数の目安】
息を吐くときもお腹を凹ませないように意識するのがポイントだ。腹横筋のほか外腹斜筋や内腹斜筋、 多裂筋や 骨盤底筋群、そして横隔膜など「腹部全体」に力を入れる。ただし最初のうちはそうした筋肉などを意識するのが難しいため、可能であればトレーナーをつけるなどするとよい。10回×2〜3セットを目標にしよう。
ツーポイントプランク
一般的なプランクは両肘から下とつま先で体を支えるが、ツーポイントプランクは2点で支えることになるため難易度が上がる。その分、体幹や背中などに効率よく負荷をかけられるため、腹圧の強化にもつながる。
【ツーポイントプランクのやり方】
【ツーポイントプランクのコツと回数の目安】
支点が4つから2つになるため、とにかくバランスを取ることが大切だ。腹筋に力を入れて体が回転しないように気をつけよう。難しいときは、通常のプランクから始めてもOKだ。左右各10秒×3回を目標にし、慣れてきたら20〜30秒など時間を延ばしてみよう。
5. これからのトレーニングでは「腹圧」も意識しよう

腹圧の基礎知識や、高い状態と低い状態の違い、腹圧を高めるメリットやトレーニング方法などを解説してきた。最初はわかりにくい(感じにくい)かもしれないが「いきんだ状態」から一気に力を抜いて「脱力した状態」にもっていくと非常によくわかる。あるいは口を狭く開けてフーッと強く息を吐いたときなども、お腹がグッと凹んで腹圧が高まるので感じやすいだろう。ダイエットなどのトレーニング効果を効率よく得るためにも、これからは腹圧を意識してみよう。
結論
腹圧とは腹腔圧力のことで、横隔膜が下がることで高まる。その腹圧を高めるとトレーニングやダイエットなどのほか、腰痛の予防・軽減など私生活でも役立つ。姿勢が悪かったり、すぐ筋肉を楽させたりしてしまいがちな方は、もしかすると腹圧が低いのかもしれない。ドローインやブレーシングなどは手軽に取り組めるメニューなので、ぜひ実践してみてほしい。