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トクホコーラとは?中性脂肪値の上昇を緩やかにする理由を解説!

トクホコーラとは?中性脂肪値の上昇を緩やかにする理由を解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2020年6月 3日

健康食品などのパッケージで、特定保健用食品のロゴマークを見たことはないだろうか。これは特定の保健機能成分を含んでいる食品で、お腹の調子を整える、コレステロール値を正常に保つサポートをする、といった特定の機能が期待できるものをいう。今回はそんなトクホの一つである「トクホコーラ」に関する歴史や作用などについて紹介する。

  

1. 特定保健用食品(トクホ)って何?

本来、食品は医薬品ではないため、パッケージなどに健康効果を載せることはできない。しかし、消費者庁長官より「特定保健用食品(トクホ)」として認められれば、パッケージなどに「お腹の調子を整える」「骨の健康に役立つ」などの文言を書くことが可能になる。また、パッケージにトクホのロゴマークを載せることもできるようになる。

特定保健用食品の特徴は、医薬品ほどではないにしろ、その有効性や安全性を実証するためにさまざまな研究や審査が行われていることである。制度開始の1991年からその承認件数は増え続け、現在、日本国内でのトクホ表示が認められている件数は1000件を超えている。そして、そんな特定保健用食品の一つに「トクホコーラ」がある。

2. トクホコーラの誕生は2012年のメッツコーラ

トクホコーラとは、特定保健用食品の承認を得た炭酸飲料でおなじみのコーラのことだ。現在はメッツコーラ(キリン)、ペプシスペシャル(サントリー)、コカ・コーラ・プラス(コカ・コーラ)など、多くのメーカーからトクホコーラが発売されている。これらはいずれも脂肪の吸収を抑えて、食後の血中中性脂肪の上昇を緩やかにするという働きを持っている。

現在でこそさまざまなメーカーからトクホコーラは発売されているが、最初にトクホの承認を受けたのは2012年4月のメッツコーラである。それまで脂肪吸収を抑える清涼飲料水といえば、ヘルシア緑茶などの緑茶が主流であった。そこへキリンのメッツコーラが誕生したことで、脂肪吸収を抑えるトクホコーラの市場が開拓されていくことになる。

3. なぜトクホコーラは脂肪吸収を抑えるの?

トクホコーラには、脂肪吸収を抑える働きがあるとされているのだが、その理由は、コーラの成分に食物繊維の一種である「難消化性デキストリン」が使われているからだ。ここでは、血中脂肪の概要と難消化性デキストリンの働きについて解説する。

エネルギーが余ると血管内の中性脂肪が増える

食事をすると、その栄養は小腸から体内へと吸収され、血管を通じて肝臓に送られたのちに、余ったエネルギーは中性脂肪として合成される。肝臓で作られた中性脂肪は再び血管を通じて、やがて内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積される。しかし、蓄積されなかった脂肪は、血管内の白血球(マクロファージ)に食べられて血管壁にため込まれてしまう。

血管壁にため込むと動脈硬化症の原因になる

血管壁に脂肪が蓄積されていくと、その部分の血管は細く狭くなってしまう。この現象のことを動脈硬化という。動脈硬化はさまざまな血管で起こるのだが、脳で起これば脳梗塞やくも膜下出血などの原因となり、心臓で起これば狭心症や心筋梗塞などの原因となる。このことからも、過剰な脂肪の摂取は健康上よくないことだといわれている。

トクホコーラは脂肪吸収自体を抑える

動脈硬化を防ぐには「肝臓で中性脂肪を合成させない」や「血中の中性脂肪を燃焼させる」などの方法がある。トクホコーラの場合は、難消化性デキストリンという消化が難しいデンプンによって「小腸での脂肪の吸収を抑える」という方法で行う。つまり、そもそも吸収される脂肪を減らすことで、血中の中性脂肪値を下げようとするタイプだ。

難消化性デキストリンはミセルの安定に役立つ

ここからはやや難しい内容だが、なぜ難消化性デキストリンを摂ると脂肪の吸収を抑えられるのかというと、胆汁酸でできたミセルの安定化に役立つからだ。ミセルとは脂肪酸とモノグリセリドを含んだ分子であり、これが小腸の粘膜に到達すると壊れて中の物質が吸収される。しかし、安定化されると分子が壊れにくくなり、脂肪が小腸で吸収されずに済むのだ。

4. トクホコーラの注意点には何がある?

トクホコーラには脂肪吸収を抑えて、血中の中性脂肪値の上昇を緩やかにする作用が期待できる。そのため、日頃から用量を守って正しく飲めば中性脂肪のコントロールに役立つ。しかし、医薬品ではないので、肥満や脂質異常などを改善するものではない。もし健康診断などで数値異常が出たら、特定保健用食品に頼るのではなく医療機関を受診すべきだ。

また、トクホコーラを飲んでいるからといって、必ずしも健康になれるわけではない。あくまでも健康の基本は、バランスの取れた食事と適度な運動などにある。生活習慣の乱れを改善せずに、特定保健用食品だけに頼っても健康状態はよくならないかもしれない。中性脂肪や肥満が気になるなら、生活習慣の見直しもしっかりと行うようにしたほうがいいだろう。

結論

トクホコーラは、コーラの美味しさがありながら脂肪吸収を和らげる作用が期待できるため、健康増進のために役立てるのはいいことだ。とくに、脂肪の多い食事をよく食べる方や、日頃から中性脂肪値が気になる方にはいいといわれている。しかし、飲み過ぎるとお腹がゆるくなるなどのリスクもあるので、あくまでも用量を守るようにしてほしい。
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  • 更新日:

    2020年6月 3日

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